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ChatGPTに小説のあらすじをいくつか考えてもらったので、公開してみる

ハイパーテクノロジーの急速な発展と共に、あらゆる分野に進出した人工知能チャットボット=ChatGPT。
しかし、それは”AIによる社会の変容に置いていかれるかも”という新たな社会的不安をも生み出すことになった。
日夜世間を駆け巡るAI関連のニュースに、梶舟個人としてはとりあえずOpenAIのアカウントを取得し、試しに使ってみることにした。
いわゆる「課金するほどじゃないか?」なライト層——『にわかAIユーザー』の誕生である。


(参考文献:https://v-storage.bnarts.jp/sp-site/patweb/about.html



……という話は置いておいて、AIの活用方法の実験としてChatGPTに作品のアイデアやストーリーをいくつか生成してもらったので、主に「このアイデアやストーリーが実際に作品になったら、どのような作品になるだろうか?」という観点からのコメントを添えて紹介します。プロンプト冒頭のロールプレイの影響か、全体的にSF〜ファンタジー寄りの生成結果になりました。

プロンプトは以下の通り

あなたは大胆かつ奇抜な発想で人気を集める小説家です。
これからいくつかのアイデアとストーリーを考えてもらいます。
よろしくお願いします。

以下の書き方を参考に、作品の構想を考えてください。
[作品のあらすじ]、[作品の設定]、[作品の狙い]については50文字程度で書いてください。 [作品の中で起きる出来事]については100文字程度で書いてください。
ジャンルやテーマの指定は特にありません。よろしくお願いします。

#書き方
[作品のあらすじ]:
[作品の設定]:
[作品の狙い]:
[作品の中で起きる出来事]:





さっそく出力結果


さらば地球よ

[作品のあらすじ]:宇宙船団が、地球を去ることを決めた。

[作品の設定]:近未来の地球。宇宙移民が増加し、人類の未来が危ぶまれる中、宇宙船団が地球を去る。

[作品の狙い]:現代社会における地球環境問題や人口問題などを考え、人類の進路を問う。

[作品の中で起きる出来事]:宇宙船団は、地球を去るために、新たな生きる場所を探し求める。しかし、行く先は果たしてあるのか。地球に残る人々の運命は。

「地球に残る人々の運命は……!」と早速煽る感じでしょうか。船団で地球を飛び出した人類と、あえて地球に残る選択をした人類の、それぞれのドラマが描かれるような気がします。環境問題や人口問題などに関する主張強めな作品にもなりそうですけど、ちょっと捻った結末が用意できると面白いかも。時代設定については特に言及がないので、割と現実に近い時代なのか、かなり遠い未来なのかで、テクノロジー描写はだいぶ違ってきそう。



戻るべきか、このままか

[作品のあらすじ]:ある男が目が覚めると、自分が昔の友人の体に宿っていた。

[作品の設定]:現代の東京。男が自分が乗り移った友人の人生を生きる。

[作品の狙い]:人生や人間関係について考え、自分自身の在り方を問う。

[作品の中で起きる出来事]:男が自分が乗り移った友人の人生を生きることで、自分の人生について考える。友人の生活に馴染み、そのまま友人の人生を続けるべきか、それとも自分自身の人生に戻るべきか。また、友人が抱える問題や秘密にも直面する。

まさかの入れ替わりものでありながら、「本当に元に戻るべきか?」が問われるという一作。「人生や人間関係について考え、自分自身の在り方を問う。」が作品の狙いらしいので、作品中盤までは「このまま戻らない方がいいや」と主人公の男に思わせつつ、終盤では状況が一転して主人公が「自分自身とは?」と苦悩する展開が目に浮かびます。それからこのChatGPTの出力には登場人物のディテールがあまり無いので、どのようにでも考えられますね。主人公と友人が共に中年男性とか。これでいわゆる「タワマン文学」になっても面白そう。



鏡に映らなくなって、さらに別人の姿になる

[作品のあらすじ]:鏡を見ると、そこに映るのは自分自身ではなく別の人間だった。

[作品の設定]:現代のニューヨーク市。主人公は、ある日突然、自分自身の姿が鏡に映らなくなる。

[作品の狙い]:人間のアイデンティティや自己認識について考える。

[作品の中で起きる出来事]:主人公は、自分自身の姿が鏡に映らなくなったことを理解し、自分が別の人間の姿になってしまったことに戸惑う。しかし、周囲の人々には変化がないため、主人公は自分が精神を病んでいるのではないかと疑う。主人公は、自分が誰か他の人間になった理由を探すために奔走し、自分の正体を見つけ出す。

またしてもアイデンティティが問題になるストーリーが生成されました。どうやこの作品では、「鏡に映らなくなる」という変化と「別人の姿になる」という変化が同時に起こる様子。「主人公は自分が精神を病んでいるのではないかと疑う」などとあるので、ちょっと不条理文学っぽくなりそう。「他の人間になった理由を探すために奔走」ともあるので、若干のロードムービーの要素もあるのかも(その場合、旅の途中で仲間ができたりすると、話が膨らむはず……)。



コミュニケーション変容SF

[作品のあらすじ]:ある日突然、全世界の人々が言葉を話せなくなる。

[作品の設定]:現代の世界。突如、全世界の人々が、言葉を話すことができなくなる。

[作品の狙い]:言葉やコミュニケーションの重要性、人間の行動や感情表現について考える。

[作品の中で起きる出来事]:世界中で、人々は言葉を話せなくなったことに戸惑う。混乱とパニックが広がり、社会は崩壊の危機に瀕する。しかし、人々は新たなコミュニケーションの方法を模索し始め、それによって新たな人間関係や絆が生まれていく。一方で、人々は言葉を失ったことによって、それまで言葉で表現していた感情を直接行動で示すようになり、自己の内面に向き合うことになる。

今度は世界中で、人類が言葉を「話せなくなる」と言う一作。「人々は新たなコミュニケーションの方法を模索し始め」とあるので、人々の現実とは異なるコミュニケーション方法が、思考実験的に描かれることでしょう。その部分のクオリティによっては、「SF性=思考実験」としたときの「SF性」に富んだ作品になるはず。一方で「混乱とパニックが広がり、社会は崩壊の危機に瀕する。」「人々は言葉を失ったことによって、それまで言葉で表現していた感情を直接行動で示すように」なるらしいので、物語の舞台がポストアポカリスである可能性も。



今度はそれの視覚版

[作品のあらすじ]:世界中の人々が、突然見えなくなる。

[作品の設定]:現代の世界。ある日突然、全ての人々が、目の前にあるものを見ることができなくなる。

[作品の狙い]:人間の視覚や知覚について考える。

[作品の中で起きる出来事]:世界中の人々は、突如として目の前にあるものが見えなくなったことに驚愕し、パニックに陥る。人々は、新たな方法を模索し始め、聴覚や触覚などの感覚をより活用するようになっていく。一方で、見えなくなったことによって、人々はそれまで当たり前だと思っていたものの価値観や重要性に気付き、新たな視点を持つようになる。さらに、見えないものに向けた新たな文化や芸術が生まれる。

先ほどは人類が発声できなくなるという物でしたが、こちらは「目の前にあるものを見ることができなくなる」という設定。「目の前にあるもの」限定なので、例えば視力を失うのとは少し違う設定なのかもしれない。



この辺りで、出力がそれまでの内容に影響されているような感じがしてきたので、試しにチャットを新しく立て直してみます。



ビターな恋愛超能力もの

作品のあらすじ:大学生の麻美は、インターンシップ先で先輩の尚と出会い恋に落ちる。しかし、尚にはある秘密があり、それが2人の関係に大きな影響を及ぼす。

作品の設定:現代の大学生活と、超能力が存在する架空の世界。

作品の狙い:「普通じゃない恋」を描き、人と人とのつながりを問いかける。

作品の中で起きる出来事:尚が思念を送ることで、物を動かす能力を持っていることが判明。麻美は尚の力を受け入れ、共に逃げる決意をする。しかし、追手が迫る中、尚が力を制御できず、麻美を巻き込む事故が起こってしまう。2人は、互いを支えながら切り抜ける。

なんとチャットを新しくしたところ、いきなり大学生の恋愛ものが出力されました。しかしテレキネシス! 追手から逃げるとのことなので、もしかしたらあまりハッピーエンドにはならないのかも。「力を制御できず、麻美を巻き込む事故が起こってしまう。」というあたり、なかなかほろ苦い。



魔王と和解せよ

作品のあらすじ:ある高校生が、異世界に飛ばされ、そこで戦闘のための魔法を学びます。しかし、敵である魔王を倒すために必要なのは、魔法力だけではありませんでした。

作品の設定:現代の高校生活と、異世界が舞台。

作品の狙い:主人公が、異世界での戦いを通して成長していく姿を描き、努力や友情の大切さを伝える。

作品の中で起きる出来事:主人公は、戦闘に必要な魔法を身につける。しかし、敵である魔王は、主人公にとって予想以上に強敵だった。そこで、主人公は仲間と共に、魔法だけでなく、相手を理解することの大切さを学び、魔王と和解することに成功する。

恋愛の次は異世界転生! 「高校生が異世界に飛ばされる」「そこで戦闘のための魔法を学ぶ」「戦いを通して成長し、努力や友情の大切さを伝える」と順調に異世界ファンタジーをやりながら、最後いきなり魔王と和解するという超展開。魔王と和解って何? 序盤から続く魔法バトル物としての展開の先に、「相手を理解することの大切さを学ぶ」という主人公の成長はまだありそうだけれど、それがさらに”魔王と和解しよう!”まで発展する展開が気になる。


冒険は深夜のコンビニから始まる

作品のあらすじ:あるコンビニのアルバイト店員が、深夜に客として現れた男性と出会い、その男性とともに、時間と空間を超えた冒険をする。

作品の設定:現代のコンビニと、架空の異次元空間が舞台。

作品の狙い:時間や空間といった概念を超えた体験を通して、人生や人間関係について考えさせる。

作品の中で起きる出来事:男性は異世界の住人であり、コンビニ店員を異次元空間へと誘う。2人は、過去や未来、別世界を旅し、さまざまな困難を乗り越える。しかし、ある時、男性が異世界に留まることを決め、店員は1人に戻ってくる。それでも、2人の出会いは、彼女の人生を大きく変えた。

深夜のコンビニから始まる冒険譚。男性が異世界に留まることを決めたのはなぜか? コンビニの店員が時空を超えた旅に出たのはなぜか? 骨格は提示されていながらも空白が多いので、今回出力したあらすじの中でも、最も膨らませそうな一作な気がします。ちなみに、「男性が異世界に留まることを決め、店員は1人に戻ってくる。それでも、2人の出会いは、彼女の人生を大きく変えた。」とあるので、ここから主人公のコンビニ店員=女性だとわかります。なぜ現代文の読解問題みたいなことになっているの?




まとめ

・普通に形になっている
・プロンプト大事
・出力が似てきたら、チャットを立て直すのも効果的
・ChatGPTによるストーリーを今すぐ何かに使えるかはわからないが、やってみて面白いということはわかった。


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