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ノルウェーで人生最後のスキー

先週は小学校が1週間の冬休みだったので、ノルウェーに家族でスキーに行くことにした。デンマークからフェリーに車ごと乗ってノルウェーに渡り、そこからスキー場までドライブ。車でサクッと行ける距離にしたかったので、南部のスキー場へ。私自身20年以上振り、子ども達は初めてのスキー。そんな私たちよりは経験値の高い夫を頼りに。

ノルウェーは本当に自然が綺麗。運転するには細い道やカーブが多いので、スピードは出せないし、対向車にちょっとドキドキするけど、見る分にはずーっと見てられるというくらい感動する。私の実家も山に囲まれてたし、というか日本も山だらけなので、山を見ると安心する。デンマークにも山と名のつく場所があるけれど、山の定義とは?と言いたくなるぐらいただの丘。いやもちろん、デンマークの自然も好きだけれど、ノルウェーのそれは本当に壮大で美しい。

感動しながら今回借りたアパート(旅行者向け)に着くと、駐車してある他の車は全部デンマークナンバー。スキー場に着くと、聞こえるのはデンマーク語が圧倒的。ここはどこだっけ?となるくらいデンマーク人家族で溢れかえっていた。

スキーレンタルの場所とレストラン。手前に写ってるのが、超初心者用のレーン。

写真を見るとわかるが、ここ数日雪が降ってなくて、スキー場の雪は氷混じり?のような硬い感じ。でも快晴で本当に気持ちよかった。
1日目は夫の指導のもと、超初心者用のレーンでひたすら練習。子ども達はローラスケートを遊びでやってたのもあってか、すぐにコツを掴んで、スイスイ。
スキーをするときに手に持つスティック、あれは子どもには必要か?とインストラクターに質問してる親御さんがいて、そしたらインストラクターの人が、使っても使わなくてもどちらでもいいけど、無い方がスキーに集中できていいかもというアドバイスを小耳に挟んだので、子ども達はスキーの板とヘルメットのみをレンタルした。周りを見てもスティックを使ってる子どもはたった一人しか見なかった。なんであんなに出来るのか不思議なくらい、スティック無くてもスイスイと歩いて、リフトに乗る時もスティックが邪魔しないし簡単に乗れてたし、スティック無しで正解だったなと思った。
私はというと、1日の終わりには超初心者用レーンでは順調に滑れて、自信もついてきて楽しく滑れた。

そして2日目、難易度を上げようと別のレーンへ。これが失敗だった。全部のレーンを調べてなかったので後で分かったが、実はやや難しいレーンを選んでいたみたいで(初心者がやる最悪なパターン)、リフトで上についてびっくり、長いし傾斜が高いし、しかも地面がデコボコしていた。でも子ども達はサーっと滑走。私も上がって来たからには、下りないといけないので、意を決してスキー。

見事に大転び、2回。しかも1回目は立ってた男の子にぶつかりそうになり、一瞬肝が大分冷えた。運よく、彼はさっと避けてくれ、私がその後転んだ後に、「大丈夫だった?」と聞いたら、「あ?うん。」っと白けた目線で答えてくれた。おばさんがすごい顔して突っ込んできたから、怖かっただろうな、顔が。

やっとの思いで下りてきて、気づいた。私にスキーは無理だと。20年前、どうやってスキーをしたのか全く記憶がないし、怖かった記憶もない。でも、考えてみたら、私は高所恐怖症だし、ローラーコースターみたいなスピードが出るものもダメだし、ローラスケートも出来ない。その全部の恐怖を組み合わせたスキー、高いところからスピードを出しながらバランスを取りながら下りてくる、完全に無理。

しかもさ、公衆の前で、転ぶ、脇の茂みに突っ込む、リフトに乗り損ねて転ける、といった技を披露しなければならない。その羞恥心との戦いもある。

憧れを抱いたスキー、夢叶い、そしてこれが人生最後となった。悔いはない。

とは言え、子ども達は楽しんでいるので、私だけ帰るわけには行かない。
頂上の方に実は傾斜がやや緩いコースもあるとわかり、リフトで登り、子ども達は引き続き楽しく滑走。

この絶景。

景色は本当に圧巻で、ソファに座ってコーヒーが飲みながら眺めていたかった。子ども達も楽しめたし、よかったけど、このリフトがまた恐怖だった。すごい高さの所をゆっくりのスピードとはいえ、足がブラブラのまま、ちょっと動いたら落ちちゃうんじゃないかと、ずっと横を向きながら乗ってました。

この後、オスロに行かなければならなかったので、2日間のスキーだったけれど、子ども達にとってはいい体験ができたので、またスキーに連れて行きたいなと思った。私はもちろん救護班係で、ふもとでコーヒーを飲みながら本でも読もう。

1月、2月、この時期ヨーロッパ各地にスキー旅行に行く家族が沢山いるけど、納得した。デンマークには無い壮大な山々にそう頻繁には無い積雪、そしてスキーというアクティビティ。モノより思い出。まさにそれ。

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