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【在宅介護】家族だから出来ないこと

どーもカイゾウ(@kaizo777)です。

私は居宅介護支援事業所のケアマネジャー(以下:ケアマネ)として日々利用者宅へ訪問し利用者やそのご家族と面談しています。

今日はその面談時に利用者家族に共感したことを書いてみたいと思います。

認知症で独居の女性利用者を介護されているご家族。

ご家族は介護のお仕事をされていましたが、利用者が認知症になったことで仕事を辞めて別居しながらも毎日のように実家へ通い利用者の支援をしています。

介護が始まった当初は認知症状は見受けられながらも利用者自身メモを取るなどしながら大きな問題もなく生活出来ていました。

とは言え、ご家族が毎日様子を見に実家に来てくれることで利用者も安心感があり、また一人で難しいことはご家族が手助けすることで生活が成り立っている状況でした。

最近になり急激に認知症状が進行し、利用者は不安からかご家族が自分の自宅へ戻ってから数十回電話を掛けるような日々が続くようになりました。

ご家族が仕事を辞めたのは自分の母親の介護に悔いを残さない為。別居しているのも利用者が住み慣れた自宅で生活を続けたいという意向を尊重しているから。

それだけの気持ちで臨んだ介護も毎日のように不穏な母親から連絡が掛かってきて、その度電話対応したり一度帰宅した後でも再び実家へ足を運んだりを繰り返しているうちにご家族にも負担が見えてきました。

介護の仕事をしてきたご家族は認知症の方の対応は心得ています。

そんなご家族が溢した一言。

「自分の親となると難しいですね。認知症の対応は十分理解しているのにどうしても優しく出来ない時があります」

分かっているのに「さっきも言ったでしょ!」と言ってしまう。そんな自分をご家族は責めていました。

「家族だからこそ出来ない」という気持ちに私はとても共感しました。

私自身まさにそれで、父親の時もそうでしたし、現在介護とまでは至っていませんが日々身体が弱ってくる母親に対しても仕事のように優しく接することが出来ません。

私の場合、父親の介護は早々に自ら直接かかわることを諦めプロにお任せしました。そしてそれが正解だったと全く後悔はありません。

ですが、母親の場合。今後介護が必要になった時に「やってあげたいのに上手く出来ない」という状況になるように感じています。

今回のご家族も傍からみたら十分出来ているのに、介護の仕事をやってきたプロだからこそ自分の親に仕事での経験を活かせていないことを嘆いておられました。

私が今、この利用者とご家族に出来ることは、利用者の認知症状や精神面が落ち着く方法を一緒に考えること。

そして、ご家族が出来る限り後悔することがないようにギリギリまで在宅で過ごせる方法を考えると共に適切なタイミングで施設を勧めることだと思っています。

施設入所は決して悪いことではありません。

利用者とそのご家族を良い関係性、良い思い出のまま適切な距離感でお互いの生活を守る最適解になると私自身経験しています。

ただ、利用者がそれを心から望んでいない場合が多いです。

だからこそ利用者の意向を優先しギリギリまで在宅生活を支え、適切なタイミングでご家族の負担軽減を優先し施設入所を勧める。

その見極めはケアマネの腕にかかってくると私は思っています。

早くてもダメ。遅くてもダメ。適切なタイミングだからこそ利用者・ご家族が後悔少なく次に進めるのだと思います。

今はショートステイの利用から様子を見させて頂くことにしました。

利用者にこれ以上不安で苦しい思いもさせたくないし、ご家族自身に自分を責めて欲しくないので精一杯頭を使い、気持ちに同調して支援していきます。

今日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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