【ケアマネ】「人生最後の願いをかなえます」の記事を読んで思うこと
どーもカイゾウ(@kaizo777)です。
先日X(旧Twitter)のタイムラインに流れて来たヤフーニュースの記事に目が留まりました。
というタイトルの記事です。
簡単に内容を要約するとケアマネジャー(以下:ケアマネ)が末期がんの利用者をパチンコや行きつけの食堂に行く為に支援したり、農作業が出来るように支援したというもの。
今回はこの内容に対してケアマネ歴14年で現役ケアマネの私の意見を書いてみたいと思います。
まず初めに私がこの支援をした女性ケアマネのように利用者の願いを叶えてあげたいと思うか否かですが、内心としては「叶えてあげたい」とは思います。
では「叶えてあげるか」ですが、その答えは「NO」です。
何故なら「現に担当させて頂いているすべての利用者、これから担当させて頂くかもしれない利用者に平等に『願いを叶えてあげられない』から」
そもそもケアマネは利用者の「願い」を叶えてあげるのが仕事ではなく、日々の生活を要介護になった状態でもその方の能力で生活できるように「ケアプラン」を作成することが仕事です。
その為にアセスメント(課題抽出)を行い、希望する「日常」生活を伺い、利用するサービスを検討しチームを作る為の調整を行う。
重要なのは「叶えられるか分からない願い」を叶えるのではなく「日常的に送りたい生活に関する意向」を叶えるのがケアマネの仕事だと私は思っています。
その延長線上で「叶えたい願い」に到達できる可能性があれば、共に考えますが、それが「ケアマネ業務の範疇から超える」ものであれば私は「ケアマネとして」動くことはしません。
もし仮に心からその利用者の願いを叶えてあげたいと私が思ったのであれば「担当ケアマネ」を外して頂き「個人的に」お手伝いをさせて頂きます。
何故なら「ケアマネとしてパチンコに行く手伝いをする、食堂に行く手伝いをする」のを物理的(実際に連れて行く、連れて行く為にサービスを調整する等)に行ってしまえば、それは「介護保険」ではありません。
目標として「パチンコに行きたい」を掲げて、利用者自らパチンコに行く為にリハビリを行ったり、福祉用具を活用したり、利用者自ら他者に依頼し行くことが出来るように支援をするのと「物理的」に支援するのでは意味がまったく異なります。
あくまで「介護保険」をベースに支援をするのであれば出来ること、出来ないことが明確にあります。
私が今回のヤフーニュースの記事を拝読して思ったのは「美談を美談として語るのは結構だが『介護保険』の本来の在り方にまで言及して記事を書いてもらいたい」ということ。
介護保険に則って至極当たり前の支援を行っているケアマネが「物足りないケアマネ」と感じられるのは心外です。
ケアマネは介護保険上の「役割」であり、医師・看護師・介護士等と同じく「専門的な範囲内で支援を行う」職業です。
利用者の家族の代わりにも、ケアマネ以外の役割が埋められない仕事を埋める役割でもありません。
今回のような記事を読んだ人が「ケアマネはここまで利用者の希望を叶える役割なんだ。やろうと思えばここまで出来るんだ」と変な勘違いをしないことを願うばかり。
あくまで記事の女性ケアマネが「個人」として行ったことであり、「ケアマネ」としての役割から外れている点が多いことを理解した上で「美談」として読んで頂きたい記事だと私は思います。
今日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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