「ケアプランAI」ケアマネ不要論は的外れ?
どーもカイゾウ(@kaizo777)です。
今回は「ケアプランAIが出来たらケアマネジャー(以下:ケアマネ)
はどうなるか?」を考えてみたいと思います。
先日私は「介護ニュースJOINT」さんの記事を読みました。
2024年の介護保険改正における協議の中で厚労省はケアプラン作成の業務を支援するAI(人工知能)について「実用化に向けて研究を進める」としたそうです。
JOINTの記事はこちら↓
その中で厚労省担当者は「(AI化することによる)ケアマネ不要論は的外れ。ケアマネへの期待はより大きくなる」とコメントしたそうです。
そんなこんなでここからは私が思うことを書いてみたいと思います。
現場の一ケアマネジャー(以下:ケアマネ)としては「こんな風に感じてるよ」という意味で捉えて頂ければと思います。
ケアマネ不要論への「的外れ」は正直嬉しい
私個人としては、厚労省担当者が「ケアマネ不要論」を否定してくれたことは正直嬉しいと感じます。
ケアマネ不要論とは「ケアプランAI化が進んだら仕事をAIに奪われていずれ仕事がなくなってケアマネという存在自体がいらなくなるのではないか」というもの。
一部ではそんな噂がちらほらあったようです。
そもそもケアマネの仕事はケアプラン作成が主な仕事ではありますが、それはあくまで業務の一つであって他にやることは山ほどあります。
厚労省がそれを理解していたこと、AI化がケアマネの仕事を奪う為のものでないことが今回の発言で分かったことだと思います。
ただ「ケアマネへの期待は大きくなる」という点にはいささか不安も…。
ケアプランがAI化することでケアマネの業務負担は幾分か軽くなる可能性がありますが、その代わりに何を求められるのか…。
すでに求められていることは多いです。
どうせ求められるのであれば、厚労省からの明確な定義を元にそれに準じた報酬の設定もしっかりとした上で求めて欲しいと私は思います。
ケアプランAI化したらケアマネの仕事はどう変わる??
先ほど「ケアプラン作成はケアマネの仕事の一部」と書きましたが、実際にはその他にどのような事をやっているのか?
簡単に箇条書きしてみます。これもあくまで一部です。
アセスメント(利用者の情報収集と課題分析)
モニタリング(定期訪問+利用サービスの経過確認)
担当者会議(事業所招集+司会+会議録作成)
サービス調整
経過記録
介護報酬の給付管理業務(介護保険請求関係)
ざっと書き出すとこのようになります。
これはケアプラン作成を除いたもの。
このうちの一つに「ケアプラン作成」が入ってきます。
ここに記載はしていませんが、この他にも地域包括ケア会議への参加や介護支援専門員法定研修、地域活動などなど様々なことを行っています。
ハッキリ言って「ケアプランAI」が出来たとして、ケアマネにとっては「業務の一部が軽減される」だけであって大きく何かが変わることはないと私は思っています。
むしろ先ほど不安に感じると書いた「ケアマネへの期待が大きくなる」ことでこれまで以上に役割が増えないのか?
その方が私としては些か心配。
とは言え業務負担の軽減を国が考えている理由の一つには「現状のケアマネの事務負担が大きい」というものがあると思います。
ただ、それよりも「ケアマネの質を上げたい」というのが本音だと私は思っています。
この「質」というのが何を求められているのか?
「負担が軽減し学ぶ時間が増えたから、学ぶ時間を増やしてみんなでスキルアップしよう」ならまだ分かるのですが…。
「マイナンバーカードの発行支援をケアマネが…」など国の制度に対するシワ寄せ支援なんてのは御免です。
カイゾウの思うところ
ケアマネが負担と感じているところの一つに「事務負担」があります。
これはケアマネをされている人であれば誰しも感じているところでしょう。
しかし、負担は「事務」だけではありません。
先日も記事にしましたが、ケアマネは常に人手不足・なり手不足です。この理由はどこにあるのか?
そこを国は考えて欲しいと思っています。
「事務負担を軽減すれば」だけではなく、報酬・更新研修・資格の社会的価値など見直す点は多々あると私は思います。
ケアプランAI化が進み、実際に実用的なものになるのか?
通院等乗降介助や福祉用具軽度者・複数貸与に関してのケアプランはAIで対応出来るのか?
今後介護保険の絞り込みが厳しくなることが予測されますが、それらにも柔軟に対応したAIになるのか?
気になる点は多々ありますが、ケアマネの業務負担軽減=ケアマネ増には繋がらないでしょう。
一ケアマネである私としては、今後も愚直に自身の知識を高め私が思う「質の高いケアマネジメント」を提供できるように自らをアップデートさせるのみ。
私のような在宅のケアマネジャーは「利用者が住み慣れた環境で元気にイキイキと過ごすためには何が出来るか?」を考え続けることが仕事の本質だと思っています。
その為に知識をつけ経験を経て利用者に還元できるものを増やしていく。
制度が変わろうともやることは変わりないなと思っています。
とは言え介護保険制度や介護業界のAI化・ICT化がどのように進んでいくのかは楽しみです。
今日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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