ひとさじの毒
かの北野武氏が昔"ツービート"というコンビを組み"毒舌漫才"と呼ばれる漫才をされていたことをご存知ない世代も今では多いかも知れない。
今のお笑いで言うと"ウェストランド"に近い?
ずいぶんマイルドになった印象だが、当時は漫才だけでなく普段のコメントにも"毒"があった。
「子どもの教育によくない」
彼に限らず、いつの世も万物に対しその声はしばしば上がるが、何を隠そう私自身、昔から友人たちに「また〜辛らつ〜猛毒〜」と笑われることも少なくないので元々免疫があるのか、私は"ひとさじの毒"はあっていいと思っているし、その"ひとさじの毒"が生む笑いも好きだ。
たま〜に、そこにいる誰ひとりとしてクスッともしない毒に遭遇することがある。(ある意味、それはそれでなかなかの手腕なのかも知れない笑)
また、たま〜に、無毒の看板を掲げながら実は猛毒を隠し持つ人たちも生息している。
判断基準は人それぞれだとは思うが、誰かが毒を吐いた後、その場にいる笑顔の数をどうしても私は数えてしまう。
笑いながらも周りをそれとなく見回して、笑っていない人を見つけると、ポケットにしのばせている解毒剤を取り出し、その場にもしくは特定の誰かに噴射するタイミングを図る悪い癖がある。
中高男女同級生たち十数人が集まってまた呑んだ。私自身例外ではなく、皆加齢による身体的変化や劣化が著しいが、それも酒の肴になる。
ひとりの女子(「職場のオバサンが自分たちのことを『女子』って呼んでるの、あれ、恥ずかしくないんですかね?自分を『女子』呼びするのってせいぜい30代までじゃないですか?いい歳して、イタいとしか言いようがないです」との若い女性の投稿を先日、目にしたが、お嬢さん。『女子』には"女の子""娘"の意味だけでなく"女""女性"という意味もあるぜよ。ちゃんと辞書を引いてから発信しようね!←ほらね、たぶん皆に言われる私の毒笑)
は、当時アイドル系美少女だったが、きっと美味しいものをたくさん食べて過ごしてきたのだろう。推定体重おそらく昔の2〜3倍に成長した。
いつもちょいちょい皆からイジりは入るが、この日は特に風も強く、着席したばかりまだ外気で受けた寒さが取れていない状態で
その女子の「寒い〰︎今日寒くない〰︎?」を聞いた瞬間、ひとりの男子が「そんなにミートテック着込んでるのに寒いか?!」
言われた本人も皆も全員大爆笑。秀逸!!
そのひと言で場が温まってまいりました〜の雰囲気。
職場ではもはやぜったいアウトな数々の毒を肴に日本酒がスイスイと胃に消えた夜だった。