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ライフワーク「ゴールドコンサート」

「グリーンコンサートの日本版を開催するぞ!」
 1999年、デンマークでそれを視察した時の思いが、ゴールドコンサートを立ち上げることにつながった。

 4年後の2003年、都内の小ホールで産声をあげた。NPO法人を設立し立ち上げたのだ。初回のゴールドコンサートでは13組の障がいをもつミュージシャンがグランプリを目指して、その表現力・技術の高さを競った。なお、ここでは音楽のジャンル、プロ・アマ、オリジナル・コピーは問わない。
「高いクオリティーの音楽コンテストを目指したい。」
 そんな気持ちであった。今年で17回目を迎える現在では、毎年約1,000名が集まる東京国際フォーラムホールCで開催される本戦のほか、その出場者を選抜する地方予選会を複数の都市で開催し、また海外からも本戦に複数組が出場する国際大会となった。

 趣旨は、発表し競い合う機会を提供することにより、障がいをもつミュージシャンの表現力・技術を向上させ、関係者や一般の人々の評価を高め、障がい者に対する社会的な捉え方をポジティブにすることである。
「音楽という人々になじみ深い媒体をとおして広く伝えたい。」
 という思いで、地域、行政、企業、メディア、芸能、学校、研究機関に様々な形で関わってもらっている。
 例えば、音楽評論家・作詞家の湯川れい子氏が長年、審査員長を務めてくださってきたが、そのおかげで、高いクオリティーを維持できている。また、雅楽師の東儀秀樹さんをはじめ著名な方がゲストとして出演してくださったことで、ゴールドコンサートの認知度を大きくあげていただいた。

 会場の東京国際フォーラムは、客席だけでなくステージや楽屋もバリアフリーになっている、大規模ホールでは都内唯一のものだ。また、ゴールドコンサートの継続開催、そして改善要望が、改修の際の東京国際フォーラムの更なるバリアフリー化につながってきたと自負している。
 車いすエリアは最大30台観覧できるようにし、手話やパソコン文字通訳、点字や読み上げ対応のデジタルテキストの提供、インターネット生放送など、様々な障がい者を受け入れのための合理的な配慮を行ってきた。これらの点でもバリアフリーといえる。

 具体的な成果は、過去の出場者の4人が大手音楽出版社からデビューし、複数名がプロのミュージシャンを生業としていることだ。また、企業やイベントに依頼されて演奏する機会も増えた。これらにより障がい者に対する社会的な捉え方が変化しているかどうか、私自身が判断するのは難しい。

 17回目となる今年(2020年)は、関西、九州、沖縄、韓国の各地で予選大会を開催し(東北、台湾は新型ウィルスのため中止)、11月21日(土)に東京国際フォーラムホールCで本線を開催する予定である。
 現在、音源の応募を受け付け中で来週(5月6日)に締め切る。もしご本人があるいはお知り合いの障がい者で、音楽表現に長けた人がおられれば、是非ご紹介していただきたい。

 今後もゴールドコンサートは継続していく予定である。一般のオーデイションやコンクールが、バリアフリー会場で合理的な配慮をした上で障がい者を受け入れるようになる日まで。

 ゴールドコンサートについては、今後連載して詳しく紹介したいので、お楽しみに!

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