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「期待」はゴールではなく、出発点である。 #100日note-Day44

こんにちは!
株式会社すみかの月館です。
教育と社会を近くする」会社を運営しております。
教育と社会をチカくする社長の100日noteのDay44です!
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高校教員からプログラミングスクールに転職し、「安心して挑戦する環境を作る」をミッションに株式会社すみかを設立。学校には、探究コーディネーターとして探究学習・キャリア教育のコーディネート、企業には、3歳から大学まで届けられる教育特化型プログラムを開発しています。

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今は羽田空港の国際線にいます。
今日からHigh Tech Highというアメリカの公立校で行われる教育プログラムに参加するために、サンフランシスコに向かうための飛行機待ちです。
2月20日〜2月24日までGlobal Teach Program in San Diego に参加します!
全米屈指のProject Based Learningに取り組む学校High Tech Highの視察と現地の先生に英語でプレゼンを行うというプログラムです。
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事前にPBLのカリキュラムを作るなど事前課題があります。
その中でいくつか課題図書がある中で、今回は『子どもの誇りに灯をともす――誰もが探究して学びあうクラフトマンシップの文化をつくる』という本から学んだ「子どもたちに期待することの大切さ」について書きたいと思います。


「生徒のどこがダメでしたか?」と聞く先生

先日、高校生が企業の課題を解決する解決策を提案するプログラムの最終成果発表会がありました。生徒が職場体験や1回目の企業の方へのプレゼン時にもらったフィードバックを元に行ったプレゼンテーションが飛躍的に改善されており、企業の方がその変化にとても驚きと喜びを感じていました。
しかし、とある企業の方からこのようにフィードバックをいただきました。

「子どもたちはとても頑張っていました。しかし、先生から『うちの生徒のどこがダメでしたか?』とダメなことが前提であるかのように尋ねられました。」

これは、先生あるあるのように思います。
生徒のどこがよかったかを聞くより、どこがダメなところがなかったか心配する。
これは、先生のクセのような、照れ隠しのようなものだとも思いますが、先生が普段生徒をどのような視点で見ているかがわかるシーンでもあります。
先生からすると「フラットに生徒を見ている」と思いそうですが、ダメなところ探しをしているようでは、普段から生徒に対しても期待をするような発言はしていないように感じてしまいます。

クラフトマンシップという「美しい作品」を作る倫理観

著者であるロン・バーガーはHigh Tech Highの教育思想に大きく影響を与えた人だと言われています。

ロン・バーガー
ハーバード大学教育学修士。EL Educationシニア・アドバイザー。40年以上にわたる教師・教員育成者としての経験(うち28年は公立学校で教鞭をとる)を活かし、国内外で講演活動を行う。ハーバード大学教育学大学院では、教育や学習を改善するために生徒の作品を利用することに焦点を当てたコースを教える。また、ハイ・テック・ハイの教育大学院でアドバイザーを務める。アネンバーグ財団の教師奨学生、オートデスク財団ナショナル・ティーチャー・オブ・ザ・イヤー賞受賞

彼が信じていることは、「質の高い作品は変容をもたらす力を持っている」ということです。何かを学ぶ際にドリルをただこなすのではなく、美しい作品を作り上げることが子どもの可能性を引き出すと言っています。
その結果は、言うまでもなく、子どもたちの変化に表しています。その結果を自分の目で確かめるために、現地へ行ってきます。

現地に行けないけど、気になる方は、High Tech Highをドキュメンタリー映画にした『Most Likely to Suceed』をご覧ください。

期待が虚しくなる原因

この本の中で、学校の成績がよさ(進学率の高さ)や子どもたちが成長する学校の共通点を挙げています。(元から成績がいい生徒が入学しているわけでもない、(白人の)富裕層だけが通う学校というわけでもない普通の公立校)

これらの学校に、特別な仕掛けや魔法があるわけではありません。共通しているのは、生徒に高いレベルのものを求めているということです。生徒の経歴や人種や学歴に関係なく、実に多くのことを生徒に期待しています。「生徒に対する高い期待」をモットーに掲げるアメリカの学校は数多くありますが、実践している学校はほとんどありません。

これが教育に関わる上で大切な本質だと思いました。いや、これが教育に関わる原点です。
「教師期待効果(ピグマリオン効果)」のようなテクニック的な話ではなく、人として「あなたはもっとできる」と期待されることは人として存在価値があると思ってもらえているという生きる糧に、頑張る糧に繋がります。

ただ、期待は出発点であって、結果ではない。
「期待すると成果が出なかった時に虚しくありませんか?」
とよく言われることがあります。全く虚しくないとは思わないけど、めっちゃがっかりすることもないけど、なんでそんなみんながっかりするんだろうと思っていました。

この本を読んで、多くの人にとって、期待することで相手が変容して、大きな成果につながるという期待をしていることがわかりました。
期待に対して、結果を求めるのは自分にとっても、相手にとっても重たすぎます。でも、なかなか、言語化できなかったのですが、この本では、「期待は出発点にすぎない」と述べていたことがまさに私が思っていたことでした。
しかし、教師の立場から私が言えることは、高い期待があっても成果の保証にはならない、ということです。それは出発点に過ぎません。これらの学校に特徴的なのは、生徒への高い期待を生徒の達成度と結びつけていることです。そして、生徒にやる気を起こさせ、サポートし続ける学校の文化があるのです。

期待は出発点。

期待しなければ、子どもたち(大人も含む)はいい成果を出すことができません。
なので、期待した相手の結果に期待をするのではなく、期待することでしか、そもそも始まらないというスタンスでいると、がっかりすることはありません。
結果が出るかどうかは、期待とは別の話で、関わり方などの伴走方法や外的要因も影響してくるため、変数が多いので、結果にはあまりこだわらず期待しましょう。
そうです。

今日からあなたの期待から全ては始まります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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