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会社の行為で取締役が損害賠償責任を負わされることがありますか?

会社の運営は取締役によって行われます。

そのため、会社の業務によって、お客さんや周辺住民など第三者によって損害が発生してしまった場合、取締役が責任を負わなければならないケースがあります。

まず、取締役の不法行為責任です。

取締役が会社の業務に関連して、第三者に損害を発生させてしまった場合に負う責任です。

例えば、会社の業務中に第三者と交通事故を起こしてしまったような場合がこれにあたります。

これは、取締役がわざと(故意)、または、注意不足(過失)によって第三者に損害を負わせてしまったという場合に発生します。

では、特定の第三者の損害について、故意や過失がない場合、取締役は責任を負う必要はないのでしょうか?

残念ですが、そうではありません。

会社法では、取締役の第三者に対する責任について、次のように規定をしています。

「取締役がその職務を行うについて悪意・重過失があったときいは、当該取締役は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う」(429条)

ポイントは、被害者の損害について、故意や過失が要件となっておらず、任務を怠ったことについて、悪意・重過失があれば責任が発生するというところです。

ざっくりいうと

「取締役がテキトーで無責任な会社運営をし、その結果として第三者に損害が発生した場合、その取締役は責任を負わなければならない」

ということです。

例えば、返済する見込みがないのにお金を借りたり、財務状況が悪化して支払い見込みがないのに商品を購入したり、他人の著作権や名誉を侵害したりする行為です。

第三者責任が認められる場合、取締役が負う責任は莫大な金額になる可能性があります。

そのため、取締役は会社運営について、他人の権利を侵害しないよう、特に注意する必要があります。




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