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憧れを憧れで終わらせる覚悟

私はコンサルティングファームで働いています。

周りの人は自分よりも華やかな経歴の人ばかり、頭はキレッキレ、コミュニケーション力も高い。
(私の経歴しょぼすぎるし、大人数で話すのも嫌いだし、時間がないと自分の考えまとまらないし、知識なさすぎるし、もう負けまくってる…!)
入りたてはずっと(T T)←こんな顔でした笑
最初の頃は自分が持ってないものばかりを見せつけられている気分で、本当に自分がちっぽけに見えました。

いざプロジェクトに入ると、自分の意見をなかなか言えないと、空気扱い。
言っても上司から、理詰めで否定され、考えが浅いからもっと考えろと怒られる。
お客さんからも高いお金をもらっているので、高い品質の資料、素早い報連相、何歩先も考えた提案を求められます。

最初のプロジェクトの一番えらい人(Aさんとします)は、新卒からずっと20年近くコンサルタント。予期せぬ課題が見つかっても、「課題がないほうがつまらない!」と喜んでる面白い人でした。
自分の言いたいことは誰に対してもズバズバ言って、メンバーだろうがお客さんだろうが、売られた喧嘩は全部買う。大胆不敵という言葉を体現していました。
一方で、「コンサルは嫌い」と面と向かって言ってくるお客さんがいても、一年後そのお客さんから、「コンサルは必要不可欠な存在になった、これからもよろしく」と言わせる、素晴らしいコンサルタントでした。

感情豊かで、どんなお客さんからも頼りにされているAさんを見て、私は、この人みたいにならないといけないと無意識に思ってしまいました。
それと同時に、自分が持っていないものが多すぎて、また、落ち込みました。
毎日手当り次第、何が足りないか考える、実行する、反省する、また足りないところが見つかる、その繰り返しでした。
プロジェクトにいた期間は、もっと先のやりたいことがあってコンサルになったのに、これじゃいつまで経っても一人前にならないと、出口が見えない迷路の中にいる気分でした。
毎日がつらくなり、私は一年半でプロジェクトを抜けることにしました。

その後、私が私でいいと思える瞬間が来ました。
Aさんのプロジェクトを抜けたあと、プロジェクトが同じだった先輩とご飯に行きました。
先輩は誰とでも仲良くでき、Aさんとも仲がよく飲みに行くことも多いそうです。
その際に先輩は、
「mameさんは一人前になったから、Aさんがプロジェクト卒業許してくれたんだよ」と伝えてくれました。

Aさんは、自分のプロジェクトから人を出す際は、その人の職位の十分な働きができているかどうかだけを判断するとのこと。

なんだか肩の荷がドッと降りた気分でした。
そうか、私はAさんとはぜんぜん違うけど、一人前として認めてもらえたんだ。
私はわたしのままでいいんだ。
いままで自分にかけた呪いが解けるような言葉でした。

(帰り道、Aさんが住んでいる方面へ向かって、ありがとうございます、と念じました笑)

今思えば、絶対にAさんみたいなキャラクター、アプローチを手に入れるのは無理だなと思います。
高校から野球をはじめて、メジャー目指すようなものです。
メジャーをめざす理由が、多くの人に野球の楽しさを知ってほしいのであれば、メジャーじゃなくとも達成できると思います。
例えば野球解説youtuberになることも手段の一つです。

私は将来Aさんみたいに、大胆不敵なコンサルタントにはなれないけれど、
違うキャラクターと手法で、色んな人から頼りにされるコンサルタントになります。
憧れを憧れで終わらせて、違うアプローチで自分のゴールに向かって走り続ける覚悟がやっとできた、そんな経験でした。

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