伴侶に

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 ルルヤを伴侶に、と望んだのは自分だ。部族は違うが互いに族長筋、歳も近かったから気が合った。日が暮れても二人で遊び回って叱られた。草原を転がり、水切りをし、狩った兎や鳥を捌き、星を数えた。長として立つとき隣に望むのは、ルルヤ以外にない。
 そう思ったから婚姻の話を持ちかけたのだが、気取らない付き合いを続けてきたがゆえに、改めての場は気恥ずかしかった。晴れの装束に曲刀を提げ、珠と羽根飾り、五色の絹帯で着飾った姿を見て、ルルヤはぽかんと大口を開けた。

「化けたなあ、シラジュ」
「おまえも」
「勘弁してくれよ」

 心底いやそうに唇を歪めるので、思わず噴き出した。祝いの席でその顔はなかろうが、ああ、こうでなくちゃな。


(300字)
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