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凪野基
2020年7月5日 05:20
「雲の切れ間から射し込む、幾筋もの神々しい御光は、あたかも」 天使の梯子を教えてくれたのは、兄の本だ。天使は飛べるのに、と首を傾げると、天使が人のために架けてくれるからだよと窘められた。 では夜はというと、ムンクの「月光」がまさに天地の架け橋に見える。絵画の解釈はさておき、水面に映るひかりを辿れば月に至るだろうと思えた。かように人は天に焦がれ、宙をわたる橋を欲するのだなと頷いていたのだか