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コカ・コーラ社のマーケティングから学ぶ

誰もが一度は飲んだことがあるであろうコカ・コーラは「intrinsicvalue」=基本的な価値は100年以上変わっていません。

しかし、

「extrinsicvalue」=付帯的情緒的な価値はどうでしょう?コカ・コーラはまさにこれを時代に合わせて大きく変えてきました。

インサイトを見つけ、常に働きかけをしてブランドを変化させ、進化させていく。実はこれこそ、「extrinsicvalue」=心が動かされる価値の創出であり、コカ・コーラがこだわってきたものです。

今回は、コカ・コーラ社のヒット商品がどのように心を動かされる価値を創出したのかを紹介します。

ジョージア

ジョージアは、男の安らぎキャンペーンを実施したことでシェアを43%→53%に引き上げさらに、業界2位のシェアを1位にすることに成功しました。

成功の要因は、マーケティング戦略の基本である「セグメンテーション」を重視したことです。

実は、ジョージアはアメリカのセグメンテーションではブルーカラーに向けたCM戦略を打っていました。日本でも同じように戦略を打つものの成功と言えるほどではありませんでした。

そこで、一度考え直します

「お客様は誰なのか。何を求めているのか。」

缶コーヒーの使用実態を調査していくと、気持ちを切り替える「リラックス」が第一位でした。次には、気持ちを前向きにする「リフトアップ」でした。そして、ちょっと小腹を満たす「インダルジェンス」、というものが続きます。つまり、最初にホッとする感じがあって、次に前向きな気持ちになる、というのが重要になるのではないか。そんな仮説を立てたのです。

それをもとにできたのがこのCMです↓

今は県知事になっている人も当時T軍団の主要メンバー。彼が外回りの営業から帰ってくると上司のT部長が今日の営業ノルマは達成したのかと厳しく問い詰めます。達成できていない部下はガックリして、一息つくために自動販売機でジョージアを買って飲んでいると、後からT部長が俺も昔は同じだったよ、気軽にやれよとやさしい言葉をかける。そしてそのT部長の手にもジョージアの缶が。

上記を合わせて合計3種類のCMを作りました。

どれも見事に「男のやすらぎ」を訴求していてジョージアは大ヒットしました。そして、9000億円という巨大で競合がひしめく缶コーヒー市場で1位となり圧倒的なブランドを確率したのです。

爽健美茶

コカ・コーラ社の代表商品である爽健美茶ですが、元々は地方のみの限定品でした。それが全国で展開され大ヒットしたのにも「セグメンテーション」が関わってきます。

実は、爽健美茶はもともと爽健茶という商品名での発売を予定していたのです。

しかし女性に向けて、はと麦や月見草、プーアルなど健康かつ美容的な商品として開発されたという背景から、「爽健美茶」という商品名に変更をしました。

このちょっとした商品名の変更が大ヒットの要因の1つです。

ある若手社員が福岡に出張して、コカ・コーラの自販機の横で聞き込み調査をしました。
すると、購買者のほとんどが女性で、買う理由が「綺麗になれそうだから」でした。
コカ・コーラ社の狙い通りでした。

さらに全国展開時には、〝はと麦、玄米、月見草〟とアカペラで歌が始まる、あのCMを手掛けました。CMは女性の美の究極はミロのビーナス(裸身)から連想を受けて、緑に溢れた爽やかな自然の中で、ナチュラルな女性の美しさを裸身でイメージにすることで女性にダイレクトに刺さる内容だったのです。

最後に

いかがでしたでしょうか?コカ・コーラ社がこだわる「extrinsicvalue」=心が動かされる価値の創出」はなんとなくイメージできましたか?

今回は2つの商品を紹介しましたが、この2つに共通するのはどちらもマーケティングの基本を徹底していることです。ジョージアも爽健美茶も「セグメンテーション」を徹底して、「お客様は誰なのか、何を求めているか」を深く考えた結果、大成功しました。

改めて、基本は大切にしていきたいですね。

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