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リッツ・カールトンから学ぶ顧客精神

ザ・リッツ・カールトン・ホテルは、揺ぎない理念とサービスを追求する確固たる姿勢で、ホスピタリティ業界において、リーダーシップを発揮し続けています。

ではなぜ成功することができたのか。

今回はリッツカールトンの2つの決め事から、その理由を解説していきます。

問題は根っこから立ち切る 

リッツカールトンでは、問題が起きた時はその関係者全員で知恵を振り絞り問題の根本を探す努力をします。

ここで実際に起きた一例を出します。

ウエイターはトレイを肩に担いで厨房を飛び出した。そして、1階の業務用エレベーターの前で、22階まであるホテルのフロアをエレベーターをいらいらしながら待った。(時には15分も)

この問題に焦点を絞って原因を探りました。

まずはホテルのエンジニアにエレベーターの動作異常を確認しましたが、問題はありませんでした。次に原因を検証するために、実際に朝のエレベーターに乗り込んでみました。すると、4階でハウスマンが乗り込んできて5階のボタンを押した。5階でドアが開くと自分が戻る間にドアが閉まらないように木製のストッパーをあてがい、ドライ室に行ってそこからリネン(タオルやシーツ)を抱えて戻ってきた。これがいくつもの階で繰り返された。これでは、食事を載せてキッチンを出発したトレイが客室に辿り着けないのは当然です。

では、なぜこんなことをやっているのか?

その原因は「リンネがベット1セットにつき2セットしかない。1つはベッドもう1つはランドリーにあるが、本当はもう1つ交換用に必要だった」こと。つまり問題の根本は現場ではなく、経費削減のためにリネンを手配しなかった上層部にあった。

このように、顧客サービスの問題は、発生現場から5段階も離れた場所に問題があることもあります。だから、カウンターでお客様に対応する担当者が孤軍奮闘しても、問題は解決できません。問題の根本を探す努力をしなければいけないのです。 

お客様の期待を超える

リッツカールトンには、ゲストに喜んでもらうためであれば、従業員は誰でも最大2000ドルまで自由に使って構わないという方針があります。

ここで実際に起きた一例を出します。

ある新婚ほやほやのカップルがホテルにやってきた。ところが、滞在初日に新郎がビーチで結婚指輪を落としてしまったのです。二人はひどく落ち込んでしまいました。それを見たビーチの担当者は、夫妻と一緒になって指輪を必死に探しました。それでも見つかりません。そこで彼らは自らの判断で街に行き自由裁量で使える2000ドルで4台の検索探査機を購入して指輪探しをしました。すると指輪が見つかり新婚の二人は大喜びでした。

こういった暖かくて素敵なエピソードが、リッツカールトンにはたくさんあります。

最後に

いかがでしたでしょうか?紹介した成功の要因は一部に過ぎません。そして、今回何より感じたのがリッツカールトンの「プロ意識」です。

顧客に対して妥協を許さない姿勢、それを上層部だけでなくそこで働く全ての人が持っていることが最大の成功要因だと思います。

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