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D2C事業で高利益を生むには【書籍解説/売上最小化・利益最大化の法則】

「北の達人コーポレーション」は、ECで化粧品や健康食品での販売をする会社で、北海道に本社を持っています。

そんな同社は、D2C企業の中で高利益を生んでいると話題になっています。

どれくらいかというと、一般的な営業利益率が0〜5%に対して、29%と圧倒的に上回る数字を出しています。

そんな「北の達人コーポレーション」を運営する、木下さんが書かれた著書「売上最小化・利益最大化」について紹介します。

①「無収入寿命」が経営の鍵
②  高利益を生み出すための「業務効率化」
③   5段階利益管理で損切りをする
④まとめ

①「無収入寿命」が経営の鍵

経営者の使命は会社を潰さないことです。

潰さないために重要なことはたくさんありますが、中でも木下さんが重要視しているのが「無収入寿命」という考え方です。

無収入寿命とは、「売上ゼロになっても経営の現状維持ができる期間」
のことを指します。

具体的には、以下を行うことが企業にとって健全であると言っています。

(1)無収入寿命を何ヶ月にするか、目標を定める
(2)月次決算時に無収入寿命を算出
※算出方法:純手元資金(借入の金額を除く資金) ÷ 一月当たり固定費
(3)準手元資金の目標額にたまるまで、大きな投資をせずにコツコツ貯める
(4)無収入寿命の目標値を達成できたら、安心してチャレンジする

よく間違った経営として、「売上を上げようとして、利益につながらない投資をする」ということがあります。

お金を借りて投資をすることも必要だが、お金を借りるこに時間をさくよりも、未来について安心して考える時間がある方が、会社としても経営者としても健全なのです。

そのために無収入寿命を用いた経営が欠かせないでしょう。

② 高利益を生み出すための「業務効率化」


北の達人コーポレーションでは、商品の開発、 広告運用など、業務全般を自社で行っている。昔は物流も自社で行っていたほど「自社で行う」ことを重要視しています。

それは業務体制を見直して、改善することができるからです。
効率的かどうかを見極めるための「ABC利益」という指標があります。

ABC利益=販売利益-ABC(商品ごとの人件費)

ABC利益は、販売利益(利益3)からABC(商品ごとの人件費)を引いて求めることができます。

商品の販売にかかる人件費を使用比率に応じて配分することで、商品・サービスごとの収益を把握できます。

北の達人コーポレーションでは、全社員に「商品にかかった時間」「それ以外の時間」の割合を月一回報告してもらっています。

例えば、「商品1に30%、商品2に20%、商品3に10%、それ以外に40%」などと報告してもらい、その社員の人件費をかけ合わせ、商品ごとの人件費を算出します。

それにより算出したABC利益とABC利益率(ABC÷ABC利益)を見比べることで、どの商品が足を引っ張っているのかを見極めています。

③選択と集中の経営

経営において「選択と集中」は非常に重要です。
そのための指標として上限CPOというものがします。

CPOというのは1件の注文を獲得するためにかかったお金になります。
これの上限を設定しておくことで、赤字を許容することができ赤字を垂れ流すようなことはなくなります。

また、このCPOは商品発売日から日が経つにつれて高くなる傾向にあります。商品発売したばかりは、「購買意欲が高い人」がいるためCPOは安くなりますが、時間が経つと「購買意欲が低い人」が残りそこに広告費を当てることになるためです。

そのため新規獲得に注力するよりも、サブスクリプションの定期通販での販売を行うことで、長期的な利益を生み出しています。

④まとめ

私も化粧品や健康食品の広告運用をしたことはありましたが、経営的な目線で考えた方はなかったので非常に新鮮でしたし勉強になりました。

利益を出すためには「どこにリソースを注力するべきかを見極める、仕組みづくりをする」ということの大切さを学びました。

これは経営や組織づくり以外でも、生きてくる内容だと思うので今後の糧にしていきます。良いと思った方はぜひ読んでみてください。





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