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ワニがまわる タムラサトル

カイルくんです。
先日、国立新美術館にて開催されていた
「ワニがまわる タムラサトル」展にいってきました。

※会期:2022 6/15〜7/18まで(本記事は回顧録になります)

巨大なホワイトキューブの空間にて、およそ1000体のカラフルなワニ達がひたすら回転を行う、はたから見るととても奇っ怪な展示です。

なぜワニは回転するのか。
僕はこの理由を知りたくて、そして何を思うのか興味がありこの展示に向かいました。
(会期ギリギリの滑り込みでした……。)

今回はこの展示のアウトプットを行なっていきます。


展示風景

まず、展示会場についてですが巨大なホワイトキューブの構造になっています。
そのため仕切りも全て取り払われて、巨大な空間を丸々使用した展示になっています。とっても贅沢。

入り口から入場すると、目の前には巨大な緑色のワニが鎮座しています。
鎮座しているといっても、ゆっくりと回転をしていました。

巨大なワニの姿が。

そして巨大ワニの向かい側には、多種多様なワニの姿。
小さいワニから大きなワニまでいます。

小さなワニ達はカラフルで、ひたすらに回転を始めます。
色合いはカラフルなのに、行動は没個性的でなんだか不思議な気持ちになります。

大きなワニ達は種類がありました。
ただただまわる個体もあれば、6体が同時に回転しているものもいたり、焼き串に刺されたような焼きワニもいました。(モンスターハンターの肉焼きのイメージ)
爆音でモーターを起動して回転するワニもいました。

ワニ焼きのイメージ(モンスターハンター)
展示風景(オレンジワニが肉焼きのよう)


なぜ回っているのか?

さて、このワニ達はなぜ回転を続けるのでしょうか?
……というのもおかしな疑問かもしれません。

ワニ達にはもちろん意思はなく、回転させられているとも言えます。
なので、なぜ作者はワニを回転させ続けているのでしょう?という疑問の方が正しい気がします。

ワニがまわる理由を、作者のタムラサトル氏は会場内の映像で述べていました。

「ワニがまわる理由は、聞かないでほしい。」

……???

となるかと思いますが、ちゃんとした理由があります。
このワニを生み出した際、自分で作ったにも関わらず、得体の知れないものに出くわしたような興奮に見舞われたようです。
その後もなぜまわるのか?という疑問を抱きながら制作を続けたのですが、「よくわからないけれど、なぜかワニがまわっている。」というこの状況こそが、作品の本質であると思ったそうです。


僕にとってのまわるワニとは

なぜワニはまわるのか。
この疑問を抱きつつ、僕は持ち帰りました。

ここからは僕なりの答えです。

ワニは、人生や運命なんじゃないかと思いました。

(最近、輪るピングドラムというアニメを鑑賞した影響が色濃く残る考察ですね笑)

人間は、多種多様な人生を歩み、想像もできない運命の中に生きています。

人生がワニの色、運命を回転に例えると多種多様な人間がそれぞれの運命の輪の中に生きているということになります。

人によってワニは大きいだろうし、時には高速回転したり、時には停止したり。
同じように動いてはいるけれど、誰にもその時は予測できません。

ワニは、それを代弁するかのようにまわり続けているのだと思いました。
そういうメッセージということです。

タムラサトル氏もお話する通り、ワニのまわる理由に答えなどありません。
ただ、その答えのない問いに対してどんな自分なりの答え、解釈を出せるかどうかがこの鑑賞の面白さなのだと思いました。

ワニはまわり続けます。今までも。これからも。

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