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現役コーポレート本部長が導入してよかったSaaS 5選【Hubble(ハブル)編】


はじめに

皆さまこんにちは、諸見里 卓(モロミザト スグル)です。
株式会社movにて、CFO 兼 コーポレート本部長を担当している組織内公認会計士です。先日31歳になりました。
Xでは、「公認会計士のキャリア」「コーポレートの実務」「スタートアップで働くということ」などについて発信をしていますので、是非フォローお
願いします!

今回は、コーポレート実務を約7年程経験する中で、本当に導入してよかったなと感じている、コーポレート実務周りのSaaSを5プロダクト紹介させて頂こうと思います。
前回のバクラクシリーズに引き続き、私が実務の中で、心から素晴らしいと感じているプロダクトをご紹介しますので、是非ご覧ください。(第1弾のバクラク編を見て頂いた方々、ありがとうございました!)

まず前段として、スタートアップのコーポレート責任者の方々へ伝えたいことがあります。

特にスタートアップは、コーポレート部(管理部)にかけられるコストが限られているので、可能な限り無駄を排除、かつDXを推進して、業務の効率化を目指す必要があります。
実は、コーポレート実務を始めた当初は私も、システム導入にお金をかけるくらいだったら、自分が徹夜してやればいいや・・・と思っていた時期もありました。そんな方に伝えたいのが、「まだ早いかな?」と思っても、従業員数が30人~50人辺りで、思い切って業務のDX化を進めることを強くお勧めします。

各企業から紹介料などは当然頂いていませんので、今回も忖度なしに私が感じたことを記載しようと思っています。それではよろしくお願いします!

Hubble(ハブル)

カバー領域:法務部 
      リーガルチェック(契約書レビュー)、規程整備など


バクラクシリーズに続き、心から無くなった困る、リーガルチェックSaaS、Hubbleを紹介させて頂きます!現在時点で弊社は私と、マネジャーの武野、インハウス弁護士の3名で法務を担当していますが、常々3人で、Hubbleは素晴らしいという話をしています笑

まず弊社で導入に至った経緯を記載します。
スタートアップにおいて、契約書チェックのフロー整備やリソース不足に悩んでいるコーポレート責任者の方は、とても多いのではないかと思います。私も3年前、movに転職してコーポレート本部を管掌した際に、まず始めにとても悩みました。

当時、コーポレートは3名(私、コーポレートマネジャーである後輩会計士の武野くんと、HR担当)でした。法務以外にも、経営企画、HR、財務経理、知財、総務、情シスなど、やることが盛りだくさんの中、契約書が次から次へと大量にスラックやメールで投げられてきて、もの凄く辛かったのを覚えています。月によっては、工数の半分くらいをリーガルチェックに割かねばならない時もありました。

更には資金調達、業務提携などの季節的イベントも重なり、もうこれリソース的に限界だ・・・と感じたため、デロイト時代の後輩である、中島くん(現在、株式会社クラスで取締役管理部長をご担当。)に相談をしたのを覚えています。
すると、中島くんから、「Hubbleめっちゃいいっすよ!!」と強くお勧めされ、あの優秀な中島君がお勧めするのであれば検討してみるか、となったのがきっかけでした。
(クラス中島くんのXはこちらです。(1) 中島悠太@CLAS(クラス)(@Nakachin8250)さん / X

とはいえ、当時私は心と体力の余裕がなく、Hubbleの導入検討を、マネジャーの武野くんに丸投げしたのを覚えています。(本当に申し訳ない笑)
導入検討を始めてから約1ヶ月で、武野くんが「これは入れない手はない」と目を輝かせながら私に言ってきたので、説明を受けて、(正直そこまで効率化されるかは半信半疑でしたが笑)導入をすることとしました。
ここで導入して本当に良かったと今でも思っています。

複数、入れてよかったと感じている理由があるのですが、今回は3点に絞ってご紹介しようと思います。



①リーガルチェックのバージョン管理を完璧に行うことができる

まずは何といっても、リーガルチェックにおける、契約書のバージョン管理が完璧に行える点が素晴らしいです。(完璧に、というのがポイントです。)

リーガルチェックの実務経験者はわかると思うのですが、リーガルチェックのやり取りが続き、バージョンが増えていくにつれ、「どのバージョンが最新なのか、どこに格納されているのか、メールで来ているのかスラックできているのか、なんでこの修正を入れたのか、誰が担当なのか、もう顧問弁護士に投げたんだっけ、これどっちのボールだっけ・・・」など正直、契約書のバージョン管理が不可能になってくることが多いと思います。ものすごく管理するのがつらいですよね。

酷い時だと、自社のミスでやり取りのバージョンが戻ることや、相手先が違うバージョンを送ってきて混乱が起きる、なんてこともあります。
私もこの点が悩みで、転職直後は、GoogleDrive上での、マニュアルバージョン管理に踏み切ったのですが、物量と工数の観点から、不可能であるということに途中で気が付きました笑(ワードの名称変更、権限管理、外部協力者とのやり取り、フォルダの作成や更新を、複数人を巻き込んで行うのは、人が少ないスタートアップだととても難しいと思います。)

こんな課題感を完全に解消してくれるのが、Hubbleの素晴らしいところだと考えています。
とりあえず最初のドラフトが出来たらHubbleに格納し、以降のやり取りでバージョンが進むにつれて、最新のものを、Hubbleに格納し続けるだけで大丈夫です。
いつどんなやり取りでどのような修正が入ったのか、どちらに契約書のボールがあるのか、などを含め、Hubble上で完璧に契約書のステータス管理をすることが可能です。

更に、バージョン毎の契約書文言の差分を、Wordの機能とは別にHubble上で明確に出してくれるので、Hubbleに契約書を入れていくだけで、バージョン毎に契約書にどのような変化が起こったのかを、正確に追うことができます。

これが実はものすごく素晴らしいことなんです。実務の中で、特に契約書の重要性が上がり相手先とのやり取りが多くなってくると、交渉を行う上で、例えば「バージョン3とバージョン8で何が変わってたんだっけ・・・?」といった疑問が出てくることがあると思います。Wordだと、地味にバージョンが進むにつれて、どのタイミングで、どこに修正が入ったのかが分からなくなりますよね。
Hubbleに契約書を入れておくと、この異なるバージョン間の差分も一瞬で出すことができます。本当に便利です。

更には、締結前、最終版のPDFが出来たタイミングで、Hubble上の最終版契約書との差分チェックを行うことで、ものすごく安心した上で締結まで進めることができます笑(実務担当の方はこの気持ちが凄い分かると思います。)

なので、Hubbleを導入した以降は、契約書をチェックする際はHubbleに格納する、ということをルールにするだけでOKです。それで、契約書のバージョン管理が完璧に行えるようになります。特に契約書の往復が多い企業にとっては、必須の機能なのではないかなと思います。

余談ですが、過去にバージョン30超までいったことがあり、その時は心からHubbleを入れておいてよかったと感じました笑



②現場を必要な範囲で巻き込んだリーガルチェックを行うことができる

とりあえず会社宛てに届いた契約書が、ほぼ何の情報もなくコーポレートに投げられてきて、リーガルチェックをするために、1から現場担当者にヒアリングしなければいけない・・・、何度言ってもリーガルチェックの依頼と合わせて必要な情報が頂けない、といった悩みを持つ法務担当は多いのではないでしょうか。
仕組みが整っている大企業だと、リーガルチェックを依頼する際に~の情報を合わせてシステムに入力しないといけない、といったワークフローがあり、こういった課題がないケースもありますが、スタートアップでそこまで体制を整備できている会社はごく稀だと思います。

そんな課題感を解決してくれるのがHubbleです。現場を必要最低限の工数で巻き込んだ、あるべきリーガルチェック体制を簡単に整備できるのも、Hubbleの素晴らしいポイントです。

リーガルチェックの依頼が来る際に、必ず「取引金額」「取引目的/内容」「締結希望日」「契約開始日」「契約終了日」「締結方法(紙or電子)」など、基本情報が、Wordの契約書と一緒に送られてくる体制を、システム上で簡単に整備することが可能です。これだけで、スタートアップのリーガルチェック工数が相当削減されます。

スラックとも連携しているため、スラックにWordをアップロードすると、ワークフローのひな型が出てきて、現場に入力して頂くと、hubbleに契約書と基本情報が一緒に入り、法務に回付される、といったフローを組むことも可能です。
現場への負荷は必要最低限にとどめたうえで、本来あるべき現場を巻き込んだリーガルチェック体制を簡単に整備することができます。
これにより、一々基本情報を現場にヒアリングする手間が省けて、相当工数削減を実現することが出来ました。

このフローを設計した方は、本当に法務実務の経験と理解が深い方だと思います。感謝です。



③リーガルチェックのノウハウを社内に蓄積できる

Hubbleを導入することで、各種別の契約書についてリーガルチェックに関するノウハウを蓄積できる点も、素晴らしい点だと思います。
契約書が来たら、とりあえずNDAは自社で見て、他の難しい契約書は外部弁護士にとりあえず投げているスタートアップも多いのではないでしょうか。
いつまでたっても自社内にリーガルチェックに関するノウハウがたまらず、外部弁護士へ依頼する際のとりまとめに工数を、毎回とられている実務担当者も少なくないと思います。

こんな課題感を解決してくれるのがHubbleです。
Hubble上でリーガルチェックを進めていくと、過去にどのような雛型で、どのような修正や交渉行ったのか、の履歴を仔細に残すことができます。
過去にどんなやり取りがあってこの契約書が出来たのか、次回どんな交渉や修正をするように気を付ければいいのか、など、リーガルチェックやドラフト作成におけるノウハウがどんどん社内に蓄積されていきます。
NDAや業務委託契約書などの基本的な契約書は勿論、資金調達や業務提携契約書といった、中々ノウハウがたまりづらい契約書についても、しっかりノウハウをためていくことが可能です。

企業が成長し、法務担当が増えてきた際のオンボーディングにも、リーガルチェックのノウハウを蓄積することで、より強固な法務部を組成できるのではないかと、今からワクワクしています。


おわりに

上記でご紹介した3点以外にも、IPO準備のための契約書台帳を簡単に整備することができる、UIUXがとても優れている、カスタマーサクセスのサポートが素晴らしい、コストパフォーマンスが非常にいいなど、お勧めできるポイントは複数あります。ご不明点が御座いましたら、実務視点でお伝えできることはあるかもしれませんので、気軽にご連絡ください。

2024年5月に、弊社movでは、全既存株主かつ既存株主のみを引受先とした、seriesB 1stクローズにて15億円の資金調達を行ったのですが、その際にも、投資契約/会社法の手続き周りで、Hubbleには本当にお世話になりました。ありがとうございます!!

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■X
諸見里卓 / mov / 元 しろ(組織内会計士)(@kaikeishiro)さん / X (twitter.com)

■Note(自己紹介と過去のキャリアはこちらにまとめています)
自己紹介_今までのキャリアについて(mov CFO/組織内会計士の諸見里卓です)|諸見里卓 / mov CFO / 会計士 (note.com)

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