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【気付けばベテラン➂】中学から福祉の道を志し、実直に仕事をこなす又吉さんの仕事感

新卒で入社したメンバーが、いつの間にかベテランになっていた「気付けばベテランシリーズ」。

これまでオンとオフを上手に切り替える内間さん、人間関係を大切に働く下地さんを取材しました。最後となる3人目は、今年で7年目となる又吉璃穏(りお)さん。

又吉さんは、新卒で入社したのちグループホームを1年経験し、その後2年目からは高志保園(入所施設)で働いています。内間さん、下地さん同様、海邦福祉会が大変な時期を乗り越えたひとりとして、ベテランまでの道のりを振り返っていただきました。

<取材執筆:外部広報/三好>

中学から福祉の仕事に興味。きっかけは祖父母の介護手伝い

ー入社当初の話から聞かせてください。入社した理由って覚えてますか? 

又吉さん「大学が福祉科だったので、福祉の仕事に就こうといろんな合同説明会に参加して、最終的に2社から選びました。海邦福祉会を選んだのは、グループホームを見学した際、一軒一軒がいい意味でグループホームっぽくなかったから。それと、地域とのつながりが魅力的だったからです」

ー障がい者福祉という分野は、最初から決めてたんですか?

又吉さん「高校も介護系だったので、福祉という分野だけはハッキリ決めていたんですけど、はっきり障がい者施設でとは決めていませんでした」

ー高校生の時から介護を学んでいたんですね。介護の仕事にはいつから興味があったんですか?

又吉さん「中学からですね。中学生の頃、離れて暮らす祖父母が認知症になり、介護が必要になったんです。基本的に近くに住む伯父と叔母が介護をしていたんですけど、休みの日に時々、手伝いに行っていたんです。叔父や叔母と一緒に料理を作ったり、一緒に食べたりっていうごく簡単なことを手伝っていたんですが、それが全然苦じゃなかったんです」

ーそんなきっかけがあったんですね。実際に学校で学び、現場で仕事をするようになって、福祉への感じ方は変わりましたか?

又吉さん「変わりました。入社するまでは福祉施設=閉鎖的なイメージがあったんです。暗いかなとも思ってました。だけどここは全然閉鎖的じゃなくて、むしろ明るくてオープンです。あ、ただ、学生時代に実習で行った障がい者福祉施設は閉鎖的で暗い雰囲気だったので、ここが特別なのかもしれません」

ー実習先の施設はどんな雰囲気だったんでしょう。

又吉さん「全部の部屋が鍵で締まってて、建物も古い感じでした。色々ガタがきてる感じ。今となっては、ソファとかテーブルとかを利用者さんが壊しちゃうこともあるので、修繕費を考えるとそうなっちゃうのも仕方ないのかなとは思います」

ーなるほど。ほかにもイメージが変わったことってありますか?

又吉さん「教科書通りにはいかないところですかね。それこそ入社1年目は、言葉で意思疎通ができないことに戸惑っていたんです。利用者さんはなにかを訴えているのに、それを汲み取ってあげられなくて申し訳ないなって。だけどいつの間にか、利用者さんが言いたいことが分かるようになってて。これが欲しいんだね、オッケーみたいな」

ー下地さんもそんな話をしていました。その感覚ってだいたい入社してどれくらいから獲得できるものでしょうか。

又吉さん「どうだろう、過去があんまり思い出せなくて(笑)。半年くらいですかね。気付けば意思疎通できるようになってました」

ーそれはどの利用者さんともですか?それとも関わる機会が多い方?

又吉さん「接する期間にかかわらず、ほとんどの利用者さんの伝えたいことは分かるようになりました。入った当初は先輩が『この人今これして欲しいと思うよ』って言ってるのを聞いて、なんでわかるの?!って思ってたんです。だけどいつの間にかできるようになってる。自分の中でデータが蓄積されていくんだと思います」

「こんなに余裕のない人間が人のお世話をしていいのか」と自分を責めた

一入社して2年目の時期に、同期8名中6名が辞めたお話を聞きました。その時どう思いました?

又吉さん「実を言うと、わたしはそんなに気になりませんでした。2年は必ず続けると決めていたので、気付けば周りがいなくなってた感じ」

一強い!その後も、内装工事やコロナ禍など、変化が活発な時期が続いたと聞いています。一番大変だった時期って覚えていますか?

又吉さん「一番大変だったのはコロナ禍くらいの時期、人が一気にいなくなった時期ですね。高志保園の女性メンバーが4人くらいになってしまって、少人数で夜勤もまわすことになったんです。体力的にも精神的にもきつかった。夜勤と日勤で体がおかしくなって、夜に眠れなくなったりもしました」

ー大変...。その時のしんどさってどうやって解消したんですか?

又吉さん「友だちと遊んだり、入社祝いに家族にプレゼントしてもらった愛犬に癒されたりですかね。だけどそれでもしんどくなって「辞めます」と言いに行ったことが一度だけあります」

ー辞めたいじゃなくて、辞めますだったんですね。

又吉さん「はい。もう決めてて。その時は自分のことでいっぱいいっぱいになってて、こんなに余裕のない人間が人のお世話をしていいのかと申し訳なさが溢れてしまったんです。気持ちがもうぐちゃぐちゃで」

ー辞めなかったのは、なにか説得があってのことですか?

又吉さん「辞めたいと伝えた時、理事長には受け入れてもらったんですが、もう一度考えてみようと思ったんです。少し考えてみて、やっぱりあと少しだけ頑張ってみようかなって思いました。もうちょっと頑張って、無理だと思ったら辞めようと。気付けばそのまま続いていますね」

ーそして7年。逆に日々の仕事で「やってて良かった」と感じる瞬間ってありますか?

又吉さん「やってて良かった...。利用者さんと一緒に楽しめることですかね」

ー今後、やってみたいことがあれば教えてください。

又吉さん「もっと外に出ていきたいです。プールに連れていくとか。入所施設ってサービスがここですべて完結してしまう施設でもあるんですけど、だけど外に出て帰ってくると笑顔がたくさん見られるし、スタッフとも思い出話をして楽しそうだなって」

ーいいですね!ありがとうございました!

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同期が一気に辞めても流されず、だけど自分が一杯一杯になった時に初めて「辞める」という言葉が出る又吉さん。淡々とお話される人ですが、内面にある誠実さと優しさを感じました。

又吉さんは取材中「この仕事の好きなところ」や「やりがい」の質問に、言葉を詰まらせることが多くありました。それは「見つからない」というよりも、その質問そのものに戸惑っているような、「そんなこと考えたこともない」という雰囲気。その様子を見て、日々の仕事を当たり前のこととして受け止め、実直に働かれているんだなと思いました。

働いていると、「この仕事の好きなところ」や「やりがい」を探し、見つけられずに落ち込むこともあります。だけど本当は、理由がなくても「やれている」仕事こそ、向いているということなのかもしれません。

少なくとも、もしもわたしが利用者さんなら、大変な時に「いっぱいいっぱいで申し訳ない」と思ってしまうような人を信頼するだろうなと思いました。

ちなみに今回、又吉さんが着ている洋服。なんと、新しくできた海邦福祉会の制服です。

ロゴの色やデザイン、形など試行錯誤の上に完成したそうですが、いざ現場で着てみると「もっとこうしたいね」という意見が出て、また改良する予定なのだとか。

完成後も現場の声をもとにブラッシュアップするというのが、なんとも海邦福祉会さんらしいなと思いました。試行錯誤とブラッシュアップを続ける海邦福祉会とともに、制服の変化もまた楽しみです。

●海邦福祉会では、一緒に働く仲間を募集中!気になる方はリクルートサイトをご覧ください。


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