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想いがデザインに行き届く。おしゃれすぎる入居施設に訪問しました

こんにちは!
外部広報担当の三好です。

2回にわたり、海邦福祉会理事長・知念隆生さんの波乱万丈な事業継承をお伝えしてきましたけれど、ついに私、人生初の入居施設訪問に行ってまいりました!!

今回うかがったのは、読谷村の大自然のなかに佇む「障害者支援施設 高志保園」。高志保園は現在、施設入所支援・生活介護・短期入所の方を受け入れている施設で、現在は41名の方が入居しています。

入居者のことを第一に考え、試行錯誤したデザイン

なかに入ってまず驚いたのが、デザイン性の高さ!入居施設に入るのははじめてですが、薄暗い刑務所や病院のようなイメージを持っていたので、どちらでもなくて驚きました。まるでホテルのフロントのような洗練された空間です。

ただおしゃれなだけじゃなく、そのひとつひとつに入居者・ご家族の方への配慮や「こんな施設にしたい!」という想いがデザインに落とし込まれていて素敵。

たとえば入ってすぐの土間横に、ターコイズブルー基調のモダンな空間がありますが、こちらは主に、入居者のご家族が利用する相談ルーム。

入居申請や相談場所として使われるスペースで、靴を脱がずとも手続きやお話を聞くことができるよう配慮されています。

入ってすぐの場所に設置されたボールプールにも、障がい者施設ならではの理由が。

全員ではありませんが、障がいを持つ人には「こだわりが強い」「同じ動作を何度も繰り返す」などの特徴があります。こだわりを向ける先としてボールプールを設置して、安心感や癇癪の防止に繋げているのだとか。

ボールプールのまわりを囲む段差も工夫のひとつ。入居者の方は地べたに座りたがるそうなのですが、入り口付近でベタ座りをすると異様な光景に見えてしまいます。「それならいっそ、段差を作ってベンチ風にしよう」と、この設計になりました。

たしかにゆんたく感。

同じ理由で、「地べたに座っても“チルってる”ように見えるから」と、奥の通路には壁にヤシの木の絵が描かれています。

私が最初に感じた「イメージと違う」という印象は、実はひとつひとつ計算されたものだったのだなと感動しました。相談に訪れた方の不安が少しでも緩和されたり、働く方が楽しい気分になれたりなど、デザインに宿る効果は計り知れないなぁと。

さらに、リビングルームに入る扉はなく、かわりに6角形の大きな入り口と小さな入り口が設置されています。

これは「引き戸をつくりたくない」という理事長のこだわり。引き戸があると、開ける人と閉める人の仁義なき戦いが繰り広げられてしまうからなのだとか!

くつろぐ入居者の方たち

リビングルームの先にはダイニングルームがあり、食事時間はなんと自由!

以前は全員同じ時間に食事をとっていたらしく「その方が断然管理はしやすいけれど、パニックになる人を押さえつけなければいけなかったりするので」と、思い切って自由にしたそうです。

入居施設は病院ではなく暮らしの場。まずはデザインから変えていく

入居者の方々が、自由でのびやかな暮らしをしているのがとても意外に思い、理事長夫妻に率直な印象を伝えました。すると恵さんは「発想が学校の延長なんだよね」と笑顔。

「当たり前のことだけど、入居者の方はここで暮らしているんです。こういう施設だと病院のような仕組みになりがちだけど、暮らしている人の快適さを追求したいので」。

実は私、はじめての入居者施設訪問で正直、ここで暮らす人たちのことを怖いと思ってしまいました。行動がまったく読めない怖さというか、突然顔をものすごく近づけてくる方がいたりして、びっくりしてしまった。正直その感情は簡単に変えられるものではなかったのですが、だけど施設を出た後、ここで会った人たちがなるべく自由に、楽しく暮らして欲しいなぁと勝手ながら思いました。

そう思ったのは隆生さんと恵さんが、それぞれの個性や価値観を丁寧に私に教えてくれたから。「この行動にはこんな理由がある」「訓練して、これでも顔を近づける距離が少しだけ遠くなったんですよ」と、まるで手がかかる息子について語るように、楽しそうに、笑顔で。

障がいを持つ人も持たない人も、当たり前だけど皆それぞれ個性があり、価値観があり、こだわりがあり、好き嫌いがあり、得意不得意があり、癖があり、楽しみがあり、苦しみがあり、嫌なことがあり、嬉しいことがある。それを見つめて、理解してくれる人がいるというのは、障がいの皆無に関わらず嬉しいことだよなぁ、と思いました。

外にはやぎがいました。

きっと今あるこの環境は、外部の私がこうして気軽に関心するほど簡単に実現したわけではないはず。だけど理事長夫妻は「絵を描いてチルってる風に見せよう」とか「食事時間は自由にしよう」と、アイディアが凝り固まっていないというか、楽しそうに見えました。その気概とか、楽しむ力みたいなものがただただ凄い。かっこいい。

最初は施設を見てみたいなという気軽な気もちでしたが、なんだか生きる力とか仕事への向き合い方を考えさせられる施設訪問でした。また行きたいです。


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