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「シニアカーは生活を一変させる!?」 〜高齢者でも安全に使用できますか?〜

「シニアカー」という乗り物をご存じですか?

名称だけではピンとこない方も多いとかと思いますが、簡単に説明すれば、自転車のようにハンドルで操作する電動車イスのことをいいます。
「電動カート」なんて呼ばれ方もしていますが、最近は街中でもちらほら見かけるようになってきました。
今回は「シニアカー」の紹介と、実際に使用すると、生活にどのような変化がおこるかなどを説明したいと思います。

シニアカーとは?

シニアカーとは俗称で、正式名称は「ハンドル型電動車いす」といいます。
種類も複数あり、自走型や介助型、操作方法や形状などに違いがあります。
3輪の物や4輪の物もあります。
今回は代表的なシニアカーである、ハンドル操作ができる車椅子形状の物をもとに解説致します。

① 操作について
操作はとても簡単です。
車種により違いはありますが進む時はアクセルレバーを押し、離すと止まります。
カーブを曲がるような操作時にはハンドルを切る角度によって、センサーが自動減速をしたり、自動ブレーキがかかるような安全対策もされています。

② 運転について
・シニアカーの使用、運転には「免許」は必要ありません。
また車種の登録などもないため、車検やナンバープレートの発行もありません。

・道路交通法では「歩行者」扱いとなります。原則としては歩道を走行する事になりま
すが、歩道がない場合は道路の右端を走行します。

・ガソリンではなく、充電式です。
家庭用100Vコンセントに差し込むだけで充電ができ、完了時には電源がオフにな
ります。
また、搭載式なので、外出先でも充電する事ができます。
 
③料金について
・新車で購入の場合、費用は30万円から40万円が相場です。
中古なら20万円以内で購入する事ができますが、高額な買い物と言えるでしょう。

・介護サービスを受けている方なら、レンタルをすることができ、月額は平均3000円ほどかかりますが、購入に比べると費用を抑えながら使用する事ができます。
使用頻度にもよりますが、一日100円と考えると、安く感じますね。

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安全に使用するための注意点

・バッテリー切れには注意が必要です。
特に多いのが横断歩道や踏切内での事故です。
使用時にはバッテリーに余裕をもって使用するように心がけましょう。
 
・バランスを崩して転倒する危険があります。特に「あぜ道やでこぼこ道、坂や農道」など。
特にでこぼこした道では斜めに進んだり、ハンドルを切りすぎるとバランスを崩しやすくなります。
また、アクセルを強くすると車体に負担がかかり、急停止する場合があります。

・ガードレールに接触するとバランスを崩します。
また、溝などがあると脱輪する事がありますので、車体の周りに注意しながら使用する必要があります。
 
・不意にアクセルレバーに接触して急発進をする事や、発進時にアクセルを押しすぎると他の物に接触する危険があります。
アクセルを強めにするのは控えましょう。

・携帯電話を使用しながらの運転は非常に危険ですので、安全な場所に停止した上で、使用するようにしましょう。
また、アルコールなどを飲酒したあとの運転は絶対にしないようにしましょう。

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メリットとデメリット

【メリット】 

① デザイン
外出が困難になってしまう高齢者の多くは、「外出する事が怖い」と感じており、出先での転倒や体力の低下が理由で閉じこもりがちになることがあります。
車イスの使用に抵抗のある方もおられます。
しかし、シニアカーはハンドルで操縦するためスクーターのようなデザインであり、受け入れる方が多い傾向にあります。
また、運転者を覆うようなデザインなので、万が一、事故となっても安全性があります。

② 移動距離 
一回の充電で20㎞もの距離を移動する事ができます。
往復で帰ったとしても、行動範囲を大幅に広げる事ができます。
そのため膝の痛みがある方や、体力がない高齢者の方でも、安心して利用する事ができます。

③ 荷物をたくさん運ぶことができる
シニアカーは車体が大きい分、前にも後ろにもカゴがついており、座席の下にも荷物を積むことができます。
通院への使用はもちろん、少し離れたスーパーでも気兼ねなく買い物をすることができます。

④ 座面が高い
シニアカーの座面はスクーターのようなシートのため、少し高い位置に取り付けられています。
そのため乗り降りがしやすく、移動中も視界が広がり、景色を楽しみながらも危険予知がしやすく、安全に使用する事ができます。

⑤ 介護保険が利用できる
要介護認定を受け、介護保険サービスを利用できる方ならどなたでも使用する事ができます。

【デメリット】

① 保管場所が必要
車体が大きい分、保管場所にもある程度のスペースが必要となります。
分解して保管できる商品もありますが、面倒になってしまい、玄関先で保管している方も多くいます。

② 小回りが利かない
こちらも構造上やむをえないのですが、小回りはききません。
そのため細い道でのUターンは難しいでしょう。

③ 屋内で利用できない場合がある
施設によりますが、家から入口まではシニアカーで行くことができますが、中は使用できないといった場合があります。
その施設の構造も関係しますが、事前に使用できるか確認しておく必要があります。

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どのような人が使用されているのか。

①自転車や車の運転に不安が出てきた方
最近では家族が高齢の両親に対して「運転免許証」の返納を促す機会も増えてきました。その分、行動範囲が狭くならないようにと、シニアカーを使用される方が増えております。
また、「ながらスマホ」により、自転車の事故も増えております。いくらこちらが気をつけていても、接触されて転倒し、骨折などしてしまうと、生活の質は一気に落ちてしまう可能性があります。安全を確保するうえでも、使用される方が増えております。

②スーパーや病院が少ない地域にお住まいの方
特に市街地から離れた所にお住まいの方は必需品ともいえるのではないでしょうか。年を重ねる事で、体力や歩行能力、注意力の低下は、今までできていたことが辛くなってきます。もちろん歩く事は体にとって、とてもいいことではありますが、辛く感じる運動は、かえって怪我の元ともなりえます。その負担を少しでも軽減するために使用されております。
  
③余暇を楽しみたい方
定年後や、子育て、孫育てが一段落した方などが、余暇を楽しむために使用されています。例えば近くの畑まで移動や、地域の体操教室への移動など。アクティブな高齢者も多くおられます。そういった方たちに便利なのがこのシニアカーです。近くの友人の家を訪問したり、交流の場に向かう足取りも、とても軽くなります。行動範囲を広げたい方にも非常に有効に使用する事ができます。

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まとめ

「シニアカー」は用途に応じて、今までできていたことを続けたり、できなかったことにチャレンジする事ができる画期的な乗り物です。
コロナ禍で外出を控えなければならない生活は、人との関わりが少なくなり、意欲や身体機能の低下を引き起こすきっかけとなってしまいました。
しかし生活するためには買い物や病院にいくといった必要最低限の外出は必要です。
できるだけ人のお世話にならず生活をしていきたいと思っている高齢者の方は少なくありません。
安心して外出できるという事は、一人でも生活していくことができるという事です。

また、今まで行きたくても行けなかった場所や、会いたくても会えなかった人のもとへ行くことができれば、楽しみをもって生活する事ができるのではないでしょうか。
人生に楽しみを持つ事は、生活を一変させることができます。
コロナ禍だからこそ、「シニアカー」を使って、外出する楽しみやワクワクする気持ちを思い出してみませんか??

東住吉介護センターでは「特定福祉用具貸与・販売」のサービス事業所を併設しております。どんな些細なお悩みでも、お気軽にご相談下さい。

フッターB


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