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​​杖がなくても安全に歩けますか⁉︎~両親がなかなか杖を使ってくれません~

歩行を支えるために、一番身近に使える杖。
ですが、高齢者の方は積極的に使おうとはしないケースが多くあります。

使いたくない理由は人によって様々ですが、家族や介護する側からすれば、使ってもらうに越したことはありません。
杖はとても便利なものです。使えばその便利さがわかるのですが、やはり「お年寄りが使う物」との認識が強いようです。
最近ではおしゃれな物や、見た目を重視する杖が増えているのは、そういう方が多いからなのかもしれません。

ではどのようにすれば、円滑に、抵抗なく、使用してもらう事ができるのでしょうか?

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杖の種類

杖にもたくさんの種類があります。一般的には登山や、ウォーキングなどでも使われるようになりました。
おしゃれに言えばスティックとも言いますが、高齢者が歩行を支えるために使う杖を「福祉用具」といって、介護保険でもレンタルなら月々100円ほどで使う事ができます。
 
・先端の部分はゴムになっており、滑りにくく、安定性があります。また先端が3点や4点になっているものや、柔らかいゴムを使い形状が変化して地面に吸着しやすい物もあります。

・柄の部分では、コンパクトに折りたためる物や、伸縮する物もあります。最近では派手な柄の物が増え、おしゃれにコーディネートされたものも増えてきております。

・グリップの部分は指全体で握れる物から、挟んで使えるもの、握りやすさを重視した形の物まで、自分の手に合わせたものを選ぶことができます。
 
上記の他にも、麻痺のある方に適した、上腕部から支える事ができる「ロフストランドクラッチ」というものや、立ち上がりの補助もできる「ケインウォーカー」といった物もあります。

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杖を使う目的

①杖は筋力の低下などにより、歩行がつらくなってきた時に使います。足の筋力だけで支えている体を、腕の力も使って歩行する事ができます。
そのため、安定して力強く、リズミカルに歩行をすることができます。

②バランス能力が低下してきた場合に使います。3本目の足として、バランスよく安定して歩く事ができます。
バランスを崩して転倒するといった不安がなくなり、安心して歩行をすることができます。

③膝や腰に痛みがある場合、負担を軽減するために使います。痛みがあると、とても散歩に行こうなんて気にはなれませんよね。
しかし杖を使う事で、歩く喜びや、外出する楽しみができ、生活の活性化にもつながります。

杖は使い慣れていないと、歩き方がぎくしゃくして転倒する事もあります。そのため正しい使い方を知っておく必要があります。
たとえ今は使う予定がなくても、外出や歩く事に不安があるなら、持っておくだけでも安心して外出を楽しむ事ができるのではないでしょうか。

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なぜ杖を使いたくないのか?

人それぞれの理由があると思いますが、中でも圧倒的に多いのが、
  
「年寄りみたいで嫌」
「かっこ悪い」

という理由です。

シンプルな理由ですが、このように感じている方に杖を使ってもらう事は、非常に難しいと思います。
しかし転倒や怪我をしてからでは意味がありません。そこで、どうすれば円滑に杖を使用してもらえるか、紹介したいと思います。

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杖を使い始めた成功例


①孫や身近な人にプレゼントしてもらう。
高齢者の方は非常に義理堅い方が多いです。もらったからには使わないと失礼と感じる方も多くおられます。
特に溺愛する孫からのプレゼントとなると、使わないわけにはいきません。仮にその時、「してやられた」と思われても、いざ、杖の便利さがわかれば、逆に感謝されることになる可能性があります。
 
②折りたためるものから勧める。
いざという時に支えがある事は、とても心強いものです。外出の度にいつも杖を持ち歩くのが嫌なら、折りたたみができる杖を購入し、少しつらい時に使ってみるというのも、非常に効果的ではないでしょうか。
傘みたいな物と訴えるのもいいと思います。

③主治医から伝えてもらう。
かかりつけの医者に事前に依頼をしておき、勧めてもらう方法です。高齢者の方は医者をとても尊敬されております。「先生がそういうなら・・・」と渋々でも納得してもらえたら、決心が揺らがないうちに、すぐに購入するようにしましょう。
 
④杖を使うきっかけを作る
少し酷に感じるかもしれませんが、今の歩行の現状をわかってもらう事も、効果的かもしれません。それには一緒に外出をすることが、一番わかりやすいです。高齢者は足に痛みがあったり、ふらふらしそうな時は、近くにあるものをつかもうとしたり、もたれかかろうとします。
一緒に外出する事で、そのような場面を目の当たりにすることができ、こちらも、自然に杖の使用を勧める事ができるのではないでしょうか。

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まとめ


杖は必ず必要な物というわけではありません。
中には杖の使用を勧めるだけで「年寄扱いするな!」と怒る方もいりますし、「そんなに弱って見られている」と傷つく方もいます。
特に両親に対しては気遣いなく、「杖を使って」と言ってしまいがちですが、一度断ると、折れる場所がみつからなくなり、頑なに拒否をするといった場合もあります。

もちろんかっこ悪いといった感情や、自分で年寄と認めてしまうようで使いたくないという方も多くいます。

そのため、便利な物とはわかっていても、なかなか自分から杖を使いたいとは言えないものです。

しかし、どこかできっかけを探しているかもしれません。

「杖を使って!!」とばかり言わずに、
「いつまでも健康でいてもらいたい」
「昔みたいに一緒に外出がしたい」

という思いを素直に伝える事で、固く閉ざした心の扉も少しずつ開いていくのではないでしょうか。


東住吉介護センターでは、随時介護相談を行っております。どんな些細な事でもお気軽にご相談ください。
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