介護タクシー寝台車両
時々更新しております。
前回の記事で「介護タクシー新型コロナ対応・対策」についてお話しいたしました。
今回は「介護タクシー寝台車両 」についてお話しいたします。
ストレッチャーとは?
寝た状態で利用者を移動できる車輪付きの簡易ベッドのことです。
ストレッチャーを固定、つまりは利用者が横になったままで走行できる車両のことを寝台車両と呼んでいます。
寝台車両基本方針
ストレッチャーによる移動となります。
介護員2名で対応します。
1人対応、家族に補助という事業所もあるようですが、事故リスクを伴います。
病院や施設では看護師や介護職員が支援してくれる可能性もありますが、自宅では複数人対応が望ましい…というより絶対条件です。
寝台車両介助の流れ
介助の内容は体位変換、移乗介助、車両までの移動介助、乗車介助、病院ストレッチャーへの移乗介助などです。
バスタオル等を使用して一人が利用者の上半身、一人が利用者の下半身を担当するような形となります。
以下は原則画的な介助内容、声がけは頻回に行います。
声がけの目的、介助の流れを確認するとともに利用者に安心感を提供するために必要です。
ベッド上で体位変換して利用者の背にバスタオルを敷きます。
ベッド脇まで移動介助します(原則2段階移乗。軽い方であれば1回で移乗)。
ベッドからストレッチャーへ移乗介助します。
利用者の頭部を中心に身体の位置を整えます。
利用者に毛布、布団などをかけます。呼吸器の疾患がある方がタオルケット等で呼吸できなくなることがないよう気をつけます。
車両まで移動介助します。
乗車介助します。
寝台車両留意点
移送中の携帯酸素使用は問題ありません。
痰の吸引や点滴などの医療行為には対応できませんので、家族または看護師の同行が必要です。
膝が伸びない、麻痺があるなど利用者の状態は様々なので、家族等に身体状況の確認が必要です。
介護員2人のうち、1人が運転、1人は利用者の脇に座り、見守りながら走行します。家族が同乗するケース・同乗しないケースがありますが、嘔吐などを想定して介護員による観察・声がけは必須です。
当事業所はメーター料金方式を採用(大型車両・日中深夜に関わらず2割増しを採用)、いわゆる売上は車いす車両の約2.5倍、利用者自己負担も倍以上になります。
尚、ストレッチャーを降ろすと車いすに乗った状態の利用者が2人までなら対応可能です。
寝台車は身体介護1✖2人体制
通院等乗降介助には複数人という設定がありません。
同じ時間帯に2人の介護員が訪問するというサービスは、訪問介護の身体介護のみになります。
以下も参照願います。
以下は寝台車両料金表です(通常時間帯・8時~18時)。
サービス内容は身体介護1×2人体制。
移送時間を除いた自宅での介護時間が20分以上が算定要件です。
利用者合計負担額に介護保険料4,392円を加えた料金がいわゆる売り上げになります。
料金体制、自己負担額は地域・事業所ごとに異なります。
以下メーターが110円ずつ上がるごとに自己負担も110円ずつ増えていきます。
2割負担の利用者は、支払額が496円増え、3割負担の利用者は更に496円増えることになります。
メーターは日中でも2割増しメーターを使用します。
介護職員処遇改善加算について
介護職員処遇改善加算、9割以上の介護サービス事業所は取得をしていますが、私の印象としてタクシー会社は取得していない事業所もかなり存在します。
申請手続きが複雑ということ、ほとんどのタクシー会社の給与体制が完全歩合であることなどが理由と思われます。
取得している事業所は、上記金額に50円程度が上乗せできます。
寝台車で通院する利用者は少ない
実は寝台車両で通院する利用者は登録者(契約済み)の3%ほどです。
訪問診療や訪問看護の浸透、家族が状態を説明することで本人行かずとも薬が処方されるなどの理由によります。
寝台車両の利用目的
転院
施設入所
施設や他病院からの通院
つまりは介護保険の適用にはならないケースが多く、寝台車両稼働の95%は介護保険以外対応です。
今回は「介護タクシー寝台車両」についてお話しいたしました。
次回は「福祉タクシー」についてお話しいたします。
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