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介護タクシー新型コロナ対応・対策

時々更新しております。
前回の記事で「介護タクシーサービス提供責任者」についてお話しいたしました。

今回は「介護タクシー新型コロナ対応・対策」をお話しいたします。


介護タクシー新型コロナ対応・対策

2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症が第5類に移行しました。
それ以前は2類相当であり、それが正当な理由に該当するため乗車を拒むことができました。
実際は…移行前から感染者に対応しております。

下記は公開されている乗車拒否の構成要件とその具体例についての解釈指針です。
最終改定は平成26年3月31日になっています。

乗車拒否の構成要件とその具体例についての解釈指針
https://www.osaka-tc.or.jp/pdf/law_requirement_for_refuse_to_take_their_passengers_to_some_out-of-the-way_locations.pdf

乗車拒否の構成要件とその具体例についての解釈指針

乗車拒否の正当な理由の具体例

つまり「新型コロナ」は二類感染症に相当するため、乗車を拒否することが可能だったわけです。
下記はサイトから抜粋しました。

旅客が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律による一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症若しくは指定感染症(入院等を必要とするものに限る)の患者(これらの患者と見なされる者を含む)又は新感染症の所見のある者であるとき

乗車拒否の構成要件とその具体例についての解釈指針

第二類相当時の対応

新型コロナ感染者または発熱者に対する対応は、様々な理由をつけることで、「できれば断りたい」「断る方向で」が方針でした。

断るざるを得ない理由

  • 事業所として、法人として介護員の健康・生活を守る必要がある。

  • 車両消毒や介護員不足を招き、他の利用者に対応できなくなる。

以下のような状況を想定または実際ありました。

  1. 既に感染している。

  2. 発熱がある。発熱の原因は不明。

  3. 発熱あるも、抗原検査キットの使用で陰性を確認。

どのように対応するか…原則的な基準が必要という結論になり、居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)以下のような通知を出しました。
周知には居宅介護支援事業所への通知が最も有効です。

正直、下記は原則的な対応であり、陰性が確認できないまま対応した結果、陽性であったケースは何度かあります。
苦肉の策の基準であり、法律を遵守していたのかと問われると…正直自信がありません。
乗車拒否の基準も認識していなかった頃の通知内容です。

指をマメに消毒、つまりは顔を何気なく触ってしまい、それが目・口・鼻・耳(主に口と鼻から感染)に入り感染すると言われています。ですから指を消毒すれば顔を触ったとしても感染のリスクが低くなるというわけです。顔を触らないことは感染予防になります。

第5類移行後の原則的対応まとめ

新型コロナウイルス感染症が2023年5月8日から「第5類感染症」に移行しました。
これに伴い、以前の「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」からの変更点と、タクシー業界において重要な変更を以下にまとめます。

  1. 感染症法上の位置づけの変更:

    • これまでの「新型インフルエンザ等感染症」は、感染力や重篤性などを総合的に勘案し、1~5類に分類されていました。

    • 2023年5月8日以降、新型コロナウイルス感染症は「5類感染症」として位置づけられています。

    • 感染症法に基づく対策は、行政の要請から国民の自主的な取り組みへと変わりました。

  2. 基本的感染対策の変更:

    • 政府は一律に日常の基本的感染対策を求めなくなりました。

    • 新型コロナ陽性者や濃厚接触者の外出自粛は法的に求められなくなりました。

    • 医療機関での受診が幅広い場所で可能になりました。

    • 医療費の自己負担は基本的に1割から3割となりますが、一定期間は公費支援が継続されます。

  3. タクシー業界における変更:

    • 以前は感染症法に基づき、新型コロナ陽性者や濃厚接触者の外出自粛を求めることがありましたが、5類感染症では外出自粛は求められません。

    • タクシーに乗りたい人がいて乗せられる状態であれば、原則として乗せる必要があります。

    • タクシー運転手は、感染症法に基づき、コロナ感染または感染疑いの者であることをもって乗車拒否できなくなりました。

以上の変更により、タクシー業界においては感染対策の柔軟性が増し、個人の判断と選択が尊重されるようになりました。

福祉車両(主に車椅子利用者)の対応

感染者の場合、当然ながら急な依頼です。
救急搬送の結果、入院するケースも少なくなり、いきなり帰りの依頼がくる場合もあります。

  • マスク(高性能マスク)

  • フェイスシールド

  • キャップ

  • 手袋

以上万全の体制かつ利用者がしっかりマスクを装着していれば感染のリスクは低くなります。

初めて感染者に対応する際の私です。

寝台車両の対応

当事業所の寝台車両は1台のみであり、ほぼ毎日予約が入っています。
対応は以下の通りです。

  • 2人で対応。

  • フェイスフィールド等の装備は車椅子対応と同様。

  • 布団のクリーニング、入念な消毒が必要なので、追加料金をお願いせざるをえません。入念な消毒は車椅子車両も同様です。

  • 走行中は、外気循環&窓もできるだけ開けて走ります。

対応後徹底した消毒

  • 手袋を装着して、消毒液を空間ではなく、ドア等に直接かける。

  • ドア及び窓を全開にする。

  • 以上で半日間以上放置する。車輛はその日は使用できません。

事業所の本音

一般タクシー・普通車両タクシーと比べて、車椅子車輛・寝台車両は利用者と密着する時間が長いです。
移乗や移動、体位変換等どうして身体的介護が発生します。
ゆえにできれば…対応を避けたいのが本音です。
新型コロナにより特に倦怠感や味覚障害等の後遺症が未だに治らない方を複数人知っていますので……。

私も今まで、3名の陽性者に対応しましたが、感染しないためには利用者にも確実に高性能マスクを着用していただくことが大事だと認識しています。

今回は「介護タクシー新型コロナ対応・対策」についてお話しいたしました。

次回は「介護タクシー寝台車両」についてお話しいたします。


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