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福祉タクシー

時々更新しております。
前回の記事で「介護タクシー寝台車両 」についてお話しいたしました。

今回は「福祉タクシー 」についてお話しいたします。


福祉タクシーとは?

このサイトでは、福祉タクシーを介護保険対象外のタクシーと定義しています。

私の地域では、いわゆる福祉車両(車椅子車両・車イスに乗った状態で移送できる車両またはストレッチャー付きの車両)を所有している事業所が数か所あります。

私たちは、それを介護タクシー(=通院等乗降介助)と区別するために「福祉タクシー」と呼んでいます。
ケアマネージャーが作成するケアプランには、介護保険対象外サービスであるインフォーマルサービス(介護保険サービスはフォーマルサービス)で盛り込まれることもあります。
私の地域のケアマネージャーとは名称共有しているので「福祉タクシーをお願いします」で通じます。

福祉タクシーを介護タクシーと呼ぶ場合有

福祉タクシーは、制度的な呼び名ではありません。
介護保険によるタクシーを介護保険タクシーと呼び、介護保険以外を介護タクシーと呼ぶ場合があります。
公的な呼び名が決まっていないので、ちょっと紛らわしいと言わざるを得ません。

このサイトでは介護保険タクシー以外を福祉タクシーと呼んでいます。

福祉タクシー利用の目的例

以下は介護保険では対応できないケース、全て自費扱いであり、介護保険からの給付がありません。

  • 理美容(けっこう需要があります)

  • 買い物(けっこう需要があります)

  • 旅行(時々利用があります。一日貸し切り等もあります)

  • 転院・入所(最も需要があります)

  • 冠婚葬祭(時々需要があります)

介護タクシー同様、夜間の対応は困難です。

利用条件がない福祉タクシー

介護タクシーは訪問介護に含まれるため、自宅において車椅子移乗介助や移動介助を行う必要がありますが、福祉タクシーの場合は、年齢や利用目的に条件がまったくなく、原則利用者の希望する通りのサービスが可能となっています。
原則と言ったのは、灯油等危険物を運ぶのはできません。

福祉タクシー買い物

買い物の場合は、カートを押して一緒に買物をする場合もあります。
メーターを継続した状態で買い物支援するとメーター値は30分で2,000円位になります。
観光旅行の場合は観光スポットや食事処に精通した乗務員兼ヘルパーが車いす兼用普通車両で対応します。
軽自動車での観光は利用者の負担が大きく、電動車いす等大きく重量がある場合は軽自動車対応やリフトタイプ大型車の対応を提案します。

その他にはお花見、食事、退院などに利用されるケースが多いです。
年に1~2回、お正月やお盆に施設から帰宅する場合等に利用される方もいらっしゃいます(新型コロナ禍ではほとんどありませんでした)。

私の事業所は東北に位置しており、過去の実績で最も長距離だったのが大阪まで、2番めは横浜でしょうか。

最近は車椅子も進化、利用者それぞれの車椅子を考慮して対応車輛を判断します。

福祉タクシー料金は全国統一ではない

料金に全国統一の基準はなく、各地域により、更には事業所により料金が異なります。
当事業所の料金体制は以下の通りです。

  • 福祉タクシーは基本的にメーター走行となり、メーター料金プラス特殊車両使用料1,000円(介助料含み)が利用者の負担となります。

  • かつては企業イメージの目的もあり、メーター料金のみで対応してきましたが、利用者増加に伴い、車両増加。寝台車両を含めて数台を所有しております。

  • 所有台数が多くなると経費も膨らみ、メーター料金のみでは運営が難しくなり、現在は自宅で10分ほど・病院で5分ほどの時間を換算して+1,000円をいただいております。

  • 移乗介助がある無しに関わらず、玄関前にかなりの段差ありスロープの設置に時間を要する、または退院時お部屋まで迎えに行くケースでも1,000円は変わりません(二人体制は別料金)。

  • 車いすレンタル料は一日300円、リクライニング車椅子の場合は一日500円となります。

  • 全国単位では介助内容により詳細に料金を設定している会社、個人事業主もあります。個人で行っている場合、介護保険より料金を安くしているケースもあります。

  • ちなみに訪問介護事業所開設には法人格であることが必須条件です。

寝台車両の売り上げは、2人で対応しますので、車椅子車両と比較すると2.5倍ほどになります。

身障者手帳の割引に対応

身障者手帳による割引も対応します。
ただしメーター値にのみ対象とするので、例えばメーター1,000の場合、1割引きで900円。その他に特殊車両代として1,000円いただきますので、合計1,900円になります。
時々、40kmほどの遠方に通院する方もいらっしゃいますが、その場合は、通院等乗降介助より福祉タクシーの割引が大きくなってしまうという逆転現象が発生してしまいます。
また観光旅行等には、貸し切り料金の方が安心感はあるかもしれません。私の地域では、市内観光であれば60分あたり7,000円ほどの貸切料金となります。

今回は「福祉タクシー」についてお話しいたしました。

次回は「介護タクシー苦情」についてお話しいたします。

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