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介護タクシー車輛

時々更新しております。
前回は「かつての介護タクシー」についてお話しいたしました。

今回は「介護タクシーの車輛」についてお話しいたします。


介護タクシーの車輛


介護タクシー(=通院等乗降介助)の車両は大きく分けて普通車両、車椅子車両、寝台車両の3種類です。

普通車両

いわゆるセダン型(乗車のスペースと荷物のスペースが分かれている)、一般的なタクシーの型です。
見守り一部介助の利用者さんであれば普通車両で対応可能です。
立ち上がりに難儀する利用者さんも多く、本人のペースでせかすこと無く、歩行・乗り降りの声がけ・手引きなどの一部介助で対応します。
膝が曲がりにくい利用者さんは助手席足元を最大限に広くして乗車していただくこともあります。


車椅子車両

車椅子に着座した状態で移送できる車両です。
ハッチバック型で後ろにスロープが付いているタイプ、大き目の車両でリフト付きタイプがあります。

  • 車椅子専用車
    車椅子の利用者が乗ることが前提。付き添いの方は乗車はできますが、一般のお客様のみ(車椅子対象者が乗車しない場合)の乗車は国交省の法令上できません。

  • 車椅子車輛
    車椅子の利用者はもちろん、一般のお客様のみの乗車も可能です。

介助者の負担軽減するため、車椅子の移動をアシストしてくれる電動ウインチ付きの車椅子車両もあります。

当事業所が過去に導入した車椅子車両

ファンカーゴやキューブ等かつて大活躍した車輛です。同乗は1人まで。2024年現在ほぼ見かけることがなくなりましたが、おそらく現役の車輛もあるでしょう。介護保険外で個人事業主運営される方は経費等を考慮して、軽自動車の選択がベストかもしれません。

おすすめは日産NV200シリーズです。
フルリクライニング機能が活かせる広い室内、利用者の脇に家族同乗可能、乗り心地良好、車椅子で乗車2名可能な車種あり。
お値段は少々高いですが、一部介助の利用者にも対応できる、福祉車両、介護タクシーに使用するにはベストに近いでしょう。
2024年現在の主流はシエンタでしょうか。

当事業所のシエンタ、車いす車輛でリクライニング車いす対応可能(対応不可な車いすもあります)。利用者+2名乗車可能(乗務員を除く)。

車椅子車両の課題

利用者の負担を軽減するリクライニング車椅子(背中を倒せる)やティルト式車椅子(座った角度を一定の状態で倒せる)、肘掛け跳ね上げ式など車椅子は進化していますが、車両に車椅子が入らないなど、車椅子車両の進歩が追いつかないのが現状です。
またニーズに合う新しい車椅子車両が出ても、経済的事情で購入がなかなかできないのも課題となっています。

病院内でリクライニング機能をフル活用(180度近く)する場合でも、走行中は125度ほどであれば対応できます。
しかしながら、走行中にリクライニング機能をフル活用(180度近く)する必要がある場合は、室内の広い車椅子専用車(軽自動車)の使用がベストです。
ただし、転院等で100kmほどの長距離移送の場合(介護保険外対応)、普通車の方が利用者に負担がかかりません。
寝台車両のストレッチャーを外し、車椅子車輛として使用も検討対応します。


寝台車両

ストレッチャー(横になったまま利用者を移動させることができる車輪付きの簡易ベッド)を固定して移送ができる車両のことです。

当事業所ストレッチャー付き寝台車両、リフトタイプで、大型車に区分されます。
当事業所ストレッチャー付き寝台車両内。家族も複数人乗車可能です。

ストレッチャー付き寝台車両は、ヘルパー二人で対応させていただくことになります(一人対応、家族に補助という事業所もあるようですが…危険です)。
バスタオル等を使用して一人が利用者の上半身、一人が利用者の下半身を担当するような形となります。以下介助内容です。

  1. ベッド上で体位変換して利用者の背にバスタオルを敷く

  2. ベッド脇まで移動介助

  3. ベッドからストレッチャーへ移乗介助

  4. 利用者の頭部を中心に身体の位置を整える

  5. 利用者に毛布、布団などをかける

  6. 車両まで移動介助

  7. 乗車介助

移送中の携帯酸素使用は問題ありませんが、痰の吸引や点滴などの医療行為には対応できませんので、家族または看護師の同行が必要です。
当事業所はメーター料金方式を採用(大型車両・日中深夜に関わらず2割増しを採用)、いわゆる売上は車いす車両の約2.5倍、利用者自己負担も倍以上になります。
尚、ストレッチャーを降ろすと車いすに乗った状態の利用者が二人までなら対応可能です(複数の車いすの利用者が乗車可能な車両もあります)。

今回は「介護タクシーの車輛」についてお話しいたしました。

次回は「介護タクシー料金」についてお話しいたします。

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