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介護の日本語 授業で気を付けていること①

今週も介護の特定技能の方々に授業を行いました。
明日、実務者研修の医療的ケア(喀痰吸引)を行う方々です。
まずは、医療的ケアが始まった背景の文章を読んでもらったところ、文の中に超高齢社会という言葉がありました。学習者は超高齢社会という言葉を知りません。
 
このような場合、どうしたらいいでしょうか。どこまで教えますか?
 
簡単に教える場合は「日本は高齢者が多いので超高齢社会といいます」と大まかな意味を伝えて終わりにします。もっと深く教えようとすると、高齢化率という言葉の確認、日本の高齢化率と世界の高齢化率、高齢化社会と高齢社会、今後の高齢化率の推移など…超高齢社会を切り口にかなり発展した授業をすることができます。
 
このように関連した項目を教えられそうな場面に遭遇したら、いつも意識していることは「教えすぎずに教える」です。
 
日本語教師あるあるだと思うのですが、つい、いろいろ教えたくなってしまう、ついつい教師が話しすぎてしまうことがあると思います。
日本語教師の教えたい症候群、話したいシンドロームですね。
教師がたくさん話す授業にいい授業はありません
 
介護の日本語はそもそも専門知識が難しく、言葉や漢字も難しいことが多いです。普通に授業をしているだけでも学習者にとって負担が多いのが介護の日本語です。学習者のi+1を意識して授業しているつもりが、気づいたら
i+10になっていることもしばしばあります。そうした中、関連項目を教えすぎてしまうと学習者の学習容量がパンクしてしまう恐れがあります。
ですから、学習者の様子を見ながら、「教えすぎずに教える」ことを意識して授業をしています。
 
介護の日本語で関連項目を教える際は、学習者にいろいろ教えるチャンスと思う前に、一歩立ち止まって学習者のことを考えて、学習量が適切か、学習内容が難しくなりすぎていないか冷静に判断するようにしています。
 
 
 
介護の日本語を教えていると、悩みや不安が絶えないと思います。なかなか相談ができる相手がいなくて困ることが多いです。
私は10月29日(土)日本語教師オールスター収穫祭in東京のパネリストとしてお話させていただきます。介護の日本語に携わっている先生もたくさんいらっしゃると思います。
こうした場で、介護の日本語について相談できる教師の輪ができると安心して介護の日本語に携わっていけると思います。
是非、多くの日本語教師の方にお会いできることを楽しみにしています。

 

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