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介護の日本語 授業で気を付けていること③

こんにちは。
介護福祉士の資格を持っている日本語教師です。
以前、施設のスタッフに聞いてくる宿題を出すことを書きました。

宿題を出す際の注意点を書きます。
注:冗談半分に読んでください
 
学習者に宿題を出す際は細心の注意を払っています。
まずは学習者に
 
「施設で一番やさしいスタッフは誰ですか」
「施設で怖い先輩はいないですか」
 
ここを明確にします。
たいてい、「みんなやさしいです」と答えが返ってきますが、
そんなわけないだろと私は思っています(偏見)
介護施設にはすぐに不穏になるスタッフが一人や二人、
必ずいるはずです(偏見)
 
特にお姉さま方は恐ろしいです。
もし宿題の質問を、忙しくせかせか働いている不穏一歩手前のスタッフに
聞いたとしたら、大惨事になってしまいます。
 
理不尽な扱いを受けるでしょうし、空気が読めないやつというレッテルを
張られて、いじめのターゲットにされてしまうかもしれません(妄想)
 
とにかく介護現場は恐ろしいのです。
宿題を出すときは、
「できるだけやさしいスタッフに聞いてください」とか
「スタッフが忙しいときに宿題を聞いてはダメですよ」とか
「1週間あるから機嫌のいいときに宿題を聞いてきてください」とか
余計なアドバイスを言ったり言わなかったりしています。
 
ここまで半分冗談のような話を書きましたが、ここからは真面目な話です。
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介護は離職の多い職場です。
離職理由は様々ですが、仕事の辛さや賃金の低さよりも人間関係が原因のことが多いです。
私は外国人介護人材が人間関係が原因で介護職を去って欲しくないと思って授業をしています。
 
そのためにできることとして、日本語だけでなく、時には日本の文化を教えることもあります。
例えば、日本人は人にものを頼んだり、何かを聞くときにクッション言葉を使います。
(使わない人もいますが・・・)
 
「すみません。いまよろしいですか」
「いまお時間ありますか」
 
などですが、こうしたクッション言葉を使うことを知らない外国人がいます。
実際に授業をしていると知らない人が多いです。
教えてもらったことがなければ知らなくて当然ですよね。
 
もし、介護現場で、しかも忙しく働いている中で、クッション言葉がなく、いきなり要件を切り出されたらどうですか。
 
私だったら「そんな質問後にしろよ!!」とストレスゲージが一気に上昇するかもしれません。
 
一方、「いまいいですか」などのクッション言葉を使ってくれたら、
「ごめんなさい。いまちょっと忙しいので後で話を聞きますね」
と冷静に対応できると思います。
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外国人の方は言葉や文化を知らないことで、空気が読めないやつというレッテルを張られてしまうことがあります。
ですが、実は、空気が読めないわけではなく、単純に知らなかっただけということもあります。
 
先ほど、空気が読めないやつというレッテルを張られて、いじめのターゲットにされてしまうと極端な例を書きましたが、こうなってしまわないように、日本語教師としてできることをしようと思っています。
 
いままで多くの外国人介護人材の方に授業をしてきましたが、皆さん気持ちの良い方で、私の方が元気をもらってしまうような方々ばかりです。
 
そのような方々が人間関係を理由に介護職を去ってしまわないことを願っています。

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