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第30話「認知症の人がパッと笑顔になる言葉かけ」を読んで~訪問介護~

 皆様、お世話になっております!

今回の記事は読書感想文です。


◼️基本情報◼️

「認知症の人がパッと笑顔になる言葉かけ」

著者/右馬埜節子
発行者/渡瀬昌彦
発行所/株式会社講談社

全181P

◼️当書の対象とする読者◼️

介護を仕事をする人にも、介護に関わる家族にも役立てていただきたいという気持ちから、「介護者」という言葉を使います。

「認知症の人がパッと笑顔になる言葉かけ」
P9-12行~13行

 ここで、私が注意したい事は、分類が「介護者」となっていても、基本的には、ご家族様と、介護従事者では、立場、視点等が異なる事です。その中で、共通する部分もあるという事だと思います。
 皆様仰る様に、介護従事者は知識、経験、技術、精神等から総合的に分析、判断する能力等を有しているべきだと思います。私は介護従事者である事を念頭におきます。
 当書では、ご家族様の事例と、介護従事者の事例の両方が述べられています。

◼️全体の印象◼️

 デイサービスや老健の現場での事例を元に、話が進められていきます。私の業務は訪問介護のため、複数人で話すことは出来ませんが、一対一でも可能なポイントで、取り入れたい、知っておきたい内容でした。
 第一印象は、予備知識として、虐待についてしっかり学んでおかないと、取り扱えない高度な技術だと思いました。
 特に見つけて良かった点は、以下の通りです。

◼️私が気になるキーワード「引き算とは”ウソも方便”」◼

まさに「ウソも方便」で、このような対応を私は「引き算する」と呼んでいます。
つまり「引き算する」とは、”認知症の人の見ている現実”に合わせた声かけをすることであり、”どうぞおやりなさい”と言葉のうえで言動を肯定する、ということなのです。

「認知症の人がパッと笑顔になる言葉かけ」
P84-10行~13行

 では、どの様な場合に必要とするのかの、事例が挙げられていました。デイサービスには行かないと仰る、現役時代は質屋を営まれていらしたお客様に対し、

「今度、お年寄りの施設でバザーをするので、品物の値踏みをしていただけませんか?」

「認知症の人がパッと笑顔になる言葉かけ」
P88-5行~6行

とお願いし、行く事を快諾された、というお話しです。

 「嘘も方便」が、技術として述べられている書籍の発見に驚きました。「バリデーション入門」では「嘘はつかない」、「認知症の人がパッと笑顔になる言葉かけ」では「嘘も方便」と、真逆の性質が説かれていて、両面の説を知る事が出来、運が良かったです。側面もあれば、知りたいです。

 しかしながら、当書で、「嘘も方便」と言われていたと判明しても、不要な場面で用いたり、多用したり、それで全て良し、としてしまってはならないと思います。嘘をつかない事を基本としたいです。そして、ご家族様のご意向もあるかと思います。

 私は、「嘘も方便」でも、嘘をつかなくてはならない理由を明確にしておく必要があると考えました

 事例の様に、事が好転する場合や、緊急を要する場面などで、活用できるでしょうか。
 少しなりとも時間があれば、嘘をつくのではなく、きちんとお話したり、覚えたてで極めるまでは出来ませんが、ユマニチュードやバリデーション、対人援助法等からアレンジして…と、色々な対応が出来ると思います。

◼️引き算で関係つくり◼️

引き算がうまくいけば、介護者の心にも自然に、「この人を大切にしよう/守ろう」という気持ちが芽生えます。一方、認知症の人は、言葉そのものを忘れてしまいますが、”納得してホッとした”という感覚が残るのです。

「認知症の人がパッと笑顔になる言葉かけ」
P102-3行~5行

 この感覚はとても大事だと思いましたので、そう感じて頂ける様、頑張りたいです。

◼️因みに、足し算の世界とは◼️

 当書の中で、「足し算」を一言で言い表していると思う文章が見つけられないため、「足し算の世界」についての記述をご紹介します。

人は記憶をためる足し算の世界に生きています。記憶が蓄積されて「人となり」がつくられます。

「認知症の人がパッと笑顔になる言葉かけ」
 P4~P5

 「引き算」と対になるかと思いますが…スミマセン、私が見つけられないばかりに曖昧な情報になってます。

◼️共感した文章◼️

笑顔には、そんな細かな日常の凸凹を一気に地ならししてくれる、独特のパワーがあります。

「認知症の人がパッと笑顔になる言葉かけ」
P169-10行~11行

 笑顔!素敵ですね。笑顔を生み出す語りかけも、また、技術がいるものだと思います。著者様は、冗談もお上手なご様子で、皆様と笑い合う努力をされていらっしゃるのでしょうね!私も笑顔に繋げていきたいです。

◼まとめ◼️

 繰り返しになりますが、嘘はつかない事を基本とし、「嘘をつく技術」も引き出しにしまっておこうと思いました。そして、「嘘も方便」が必要な時には、「嘘をつく」理由を明確にします。多用はしません。
 当書には他にも技術や事例が沢山詰められていて、読み応えがありました。

◼️終わりに◼️

 当書の関係者の皆様、どうも有り難うございます。有益な情報を提供して頂きまして、感謝しております。

 今回の画像はchoro_pa様からお借りしました。どうも有り難うございます。

 今回は以上になります。
皆様、どうも有り難うございました。
ご意見等、お待ちしております。

 宜しければ、また、お願い申し上げます。

ひかり

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