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LOVE IN VAINと休む

  本作品は、Jean Michel DupontとMEZZOによる、ロバート・ジョンソンの伝記を漫画にしたものだ。作者であるJean Michel DupontもMEZZOについて調べたのだが、バンド・デシネの作家であることがWikipediaで分かったくらいで詳細はわからない。誰かご存知の方いたらコメント欄で教えていただけると助かります。

 さて、ロバート・ジョンソンと言えば天才ブルースアーティスト、白人に魂を売った男くらいの知識しかなかった。高校生の時にロバート・ジョンソンのCDを買って聞いてみてあまりに録音が悪いことに驚いた記憶がある(1930年代の録音なのだから当然か)。むしろ、稀代のブルースアーティストの録音が残っていることに感謝しなければいけないか。そんなロバート・ジョンソンについて、若くして死んだことくらいしか知識はなかった。本作品を読んでその破天荒な生き方に驚いた。

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 本作品は横長の判型で、コマも横長のコマが多い。また、上記のように1ページをどーんと使用したコマも多数あり迫力がある。そして、上記のコマを見てわかるように絵は白黒で版画のような雰囲気でダビットBとか、そこら辺の一派の雰囲気を感じる。

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上記のコマを見ていただくとわかるように、小さい1コマもかなり細部まで書き込みがされている。全くの感覚だが1920年代ごろの米国の南部の様子についてわりと丁寧に資料を確認して描かれているのではないかと感じた。

 本書の楽しみ方の1つとして、物語の進行に合わせて当時の有力なブルース関連のアーティスト名や曲名が欄外で紹介されている。これを1つずつYoutubeで追っていくとブルースといえばロバート・ジョンソンくらいの名前しか知らなかったのが本作品を読み終わる頃には立派なブルース通になること請け合いである。

 本作品が漫画好きと音楽好きのクロスロードになればと思った。

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