ロシアは香港台湾の新たな救世主?!

トランプ大統領が米国議会上院下院にて全会一致で可決された香港の人権と民主主義法案に署名して成立したのだが相変わらず中国は「内政干渉の上に必ず報復する」などかなり苦しい状態に追い込まれてる。これは外交部恒例の会見でも焦ってる雰囲気は読み取れた。
これを見て香港人や台湾人また華人以外の人が巨龍の終わりの始まりと感じた方は相当な中国通だと思われます。

ここ数日間の香港を観察または応援したりしながら横目でずっと気になる事を今回は書いてみようと思う。

初めての地政学観点からの記事になるかも?

①中共の弱体を二頭の虎が見抜いた

香港の区議会選挙で民主派の勝利で終わった際の中共側のコメントがあまりにも子供じみたコメントに流石の私でも驚愕したのだがこれを冷静に分析して弱体を確信したのはやはりインドとロシアだった。

まずインドはスリランカにてまたもや親中派政権の誕生でインドの安全保障に懸念を持っていたが中共の弱体を見抜いたせいかこの頃積極的に動き出してる。しかし英国の動きと影響力を鑑みるとまだ表立った行動を取りにくいのが現状のようだ。おそらくベンガルの虎は爪をといで虎視眈々とその狩りの時期を見計らってると思われる。

それはロシアも同じで中共の弱体をやはり見抜きいつ手のひら返しでそっぽを向くか見計らってるのはインドと同じだがロシアはトルコという長年の敵と非常に融和な関係を構築しまたクルドからの米軍撤退で素早くここを抑えて中東での主導権確立に成功した。またマクロンのNATO は脳死発言と対ロ融和的な動きもまたロシアにとって対欧州戦略的には良い風が吹いてると思われる。それに東欧での中国の一帯一路及び中国・中東欧諸国首脳会議という物にロシアにとって地政学的に懸念をしてるのは案外知られてない。それはフランスも米国の関与が低下する中新たな欧州軍構想をぶち上げたが東欧諸国がこんな状態で更にポーランドは米国依存度を上げるまた北欧も同じで対ロ強硬で一致してる…これはロシアとしても何かしらの手を打つ必要はあるだろう。

中露関係の蜜月の感覚は中国の思惑とロシアの思惑は一致しておらずまず反米と西側主導の世界感の打破という部分は一致してるが中国はクリミア半島問題や中東問題には引きずり込まれたくないし、ロシアも日本海からオホーツク海また北極海航路へ繋がる千島 北太平洋周辺への中国の海洋進出には反対の立場。そこをお互い不干渉での関係で両国は成り立っているが中共弱体と見るとロシアの目線はかなり異なってくる。ロシアは本当にネコ科の動物の様な目をしてるので一度狙った獲物はかなり素早く狩りをする。

東欧やバルカン情勢など詳しく知りたい人は 高野一郎さんのnoteを読んで頂くのが良いかと思います。
(高野一郎さんのTwitterアカウント @crnaoluja )

さてここに来てまたカタルーニャ独立運動が盛んになりその背後にロシアが仕掛けてるのは有名な話だが相変わらずEU は独立を容認せずカタルーニャの中でも自治権拡大は支持するがカタルーニャ分離独立となると意見が割れてるので暫くはこの騒動は続くであろう…しかしこの再燃はロシアの戦略の変化として考えるのもありかと思いそれを前提に話を進めることにする。

②ロシアのクレジットヒストリーを積む

今までのロシアのスタンスは西洋型ポリティカル・コレクトネスを否定して愛国心主体の秩序ある社会の構築を考えていたが香港の抗議デモの状況の変化と共にそのスタンスも変わっていった。

それは報道の伝え方細かく言えば単語の変化だった。
初め空港をデモ隊が選挙した時や逃亡犯条例の頃は学生達を"чернь 暴徒化"などと非難するスタンスだったが元郎での襲撃事件や太古駅での警察による行き過ぎた摘発などには"Граждане и студенты 市民と学生達"と表現が変わり内容も淡々と事実を伝えるだけになって行った。おそらく暴徒化という強烈な言い方はナワルヌィ氏への牽制も込めていたが実弾発砲では"Ученик средней школы ...高校生の子が…"と発砲に関して懸念する感じの伝え方もした。

また四大大会での習近平による"暴徒の徹底排除と秩序回復"発言には"海外在住ロシア人への注意喚起"など一見関係ないと思えるが何かしらの意図を感じさせられる動きをしてる。

また台湾のIATA 加入を巡りロシアの見解を述べたザハロフは"基本的にロシアは台湾のIATA 加入には反対します。IATA 加入は原則的に主権国家が行うものであり台湾は基本的に中華人民共和国が主権を持ってる事になっている"っとこれもまた"В принципе〜原則的に"を使いロシアの原則的にというのは変化が起きれば変わるものと考えるので密かに台湾独立を煽ってるのでは?と勘ぐりたくなる様な事も言ってる。また台湾〜ロシア間の新規航空路線の開設や台湾とロシアの科学技術分野での連携などこの頃台湾とロシアの関係が密になって来てるのもあまり日本では知られてない。

これはそれまで信頼度の低い香港人や台湾人へ向けてまず信頼度を高める行動スタンスをロシアがとってると見ていいと思う。

③ロシアは香港 台湾 日本を独立させこの3国を連携させたい。

米国は香港の人権と民主主義法案を可決成立させた上にウイグル人弾圧に対して制裁なども検討して更にフランス オランダ オーストラリアなども追従する動きなったが日本だけは相変わらず過度な刺激を中国へ与えることに躊躇っているのが今日までの東アジアと世界情勢なのだが香港よりウイグルの方がウェートが大きくこれは間違いなく大規模な制裁があると思われる。もちろん日本企業も人権侵害加担企業として制裁対象になり株価下落と急激な円安などで過度なインフレで国民生活は大打撃を受ける。特に地方はより一層経済が深刻になり現政権の求心力も低下する。これは台湾でも起きるかもしれないが台湾は既に様々な対中制裁の実績があるので今後の東アジアのキーパーソンになるのは間違いない。

さてロシアは何をここで狙うのかと言えば香港独立を影で支え一友好国としてそれを承認する。次に蔡英文総統の再選を支えこれもまた友好国として承認する。もはや中共にそれらを非難出来る体力もないので黙ってそれを見つめるしかなくジリジリと崩壊の時を待つ事になる。そして人権弾圧加担企業とレッテル貼りされた日本は地方による東京政府への不満が募り沖縄などでは大規模な分離独立運動が盛んになるし日本政府の態度に嫌気さした米国がこれに介入する事もなくそれはやがて達成されるであろう。ロシアは米国による人権弾圧加担企業への制裁を待っている。何故なら新疆への弾圧に関する産業にロシアはかかわってないので影響がないからである。そこで情報戦を仕掛けて地方を半独立機運を高め香港〜台湾〜東京以外の日本地方自治体の連携を構築してロシアこそ民主主義を尊重する国と国内外へアピールして欧州を完全に弱体化させたいのが今のロシアが考えてるロシアの世界戦略であろう。

もしこれが実現すればベトナム〜南シナ海〜台湾〜沖縄からひとつは朝鮮半島から日本海 もうひとつは太平洋から千島そしてベーリング海峡そして北極海へと…このシーレンをロシアによるロシア版の一帯一路の完成と安全保障的にも東側のロシアのリスクはなくなる。

もちろんロシア単独では難しいのでおそらくインド トルコへは話を持ちかけてるのでは?ここ数年で大きく世界地図が塗り替えられるそんな時代なのかもしれない。

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