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皆伝 現代文 読解06 要約する

   

要約をすると、しっかりゆっくり文章を読むことになるし、構造や内容も理解しようと思って読むことになるので、文章の構造を把握する力を付けるためにはいい訓練になるんです。だから、要約をしましょう。
最初は一文を要約しましょう。その後に段落を要約します。それもできるようになったら、文章を要約しましょう。

もちろん、小論文という科目では、要約せよという出題もあります。

要約とは何かと言うと、「簡潔に言うと〇だよ」「一言で言うと〇なんだ」ということです。
入試では1000字の文章を「100字で要約せよ」なんて出たりします。
「彼はどんな人?」
「髪が長くて顔もやや面長で色が白くて優しく話を聴いてくれて気遣ってくれて積極的で前向きで明るくて楽天的な人」
これでは長いから要約=大事なところだけを抜き書きします
「50字で要約」なら、長いので、候補を列挙できるから楽ですね。
「10字で要約せよ」だと、短いから候補の中から最適なもの/キーワードを選びます。
引用する=「文章の言葉を使う」なら
「色が白くて楽天的な人」
引用しない=「自分の言葉で書く」なら、
「外見も内面も美しい人」
言い換え能力にも通じますね。

要約の方法
具体的には
⓪とりえずやってみる  
①段落ごとにまとめる。(段落ごと不要だなということもあります)
②段落の最初と最後の骨格だけをつなげる。
③キーワード、キーセンテンスを抜き出してつなげる。
④キーワード、接続詞に注意して、構造を把握する。
⑤段落の関係に注意して、2、3つに区切る。 そのパートごとにまとめる。

⓪~⑤のうちで、やりやすい方法を見定めましょう。
最終的に、キーワード、キーセンテンス、接続詞、段落の関係などを理解できるようになると思います。すくなくとも4か月は続けた方がいいし、人に見てもらうのがいいでしょう。
見てくれる人がいない場合は、「現代文と格闘する」のように、要約の例が載っている参考書を使いましょう。
皆伝 現代文を読んでいる人は、すでに①②をできると思います。やってみましょう。

・一文ごとと、段落と、文全体のキーワードを拾う。
何が言いたいのかを知るという目的は、要約と同じなんですけど、「文章にある言葉を使って書きなさい」というように直接出題されることもあるので、キーワードを拾うことは実用度が高いと思います。

例)この文で筆者が訴えたいことは何か、一言で述べよ。
つまり、キーワードを書くということです。
キーワードに関しては、また別のところで詳しく書きますね。
簡潔に述べよ」だったら、キーセンテンスを探して書きます。

すでに一文の骨格を抜き出す作業はできるようになっていると思います。
今回は、応用です。

訓練

 

次の文を要約しなさい。つまり決められた字数で短く書き換えなさい。その際、主語・目的語・述語と、重要なキーワードは削らないことを条件とする。
①否定の前(南アフリカではなく、イタリアに行きたい)
②具体例(例えばイタリアだとか、遠いとこに行きたい)
などは大事ではないので削ります。
③複数の物は一つにまとめる(「イタリアやフランスやスペインが好きだ」=「西欧の国が好きだ」。「地震や洪水や噴火」=「自然災害」)。


少しやってみましょう。要約してください。

問0の1 ワインと言えば例えばボルドーやブルゴーニュだが、結局フランスに限る 


解答「ワインと言えば、フランスに限る」

問0の2 おいしいワインと言えば、 ボルドーやブルゴーニュが有名だが、実はイタリアの方がおいしい。


解答 本当においしいワインは、イタリア産だ。


訓練短文



一つ解くごとに解答を見て、こういう要約手法があるのかあ、と知ったうえで、次の問に進んでくださいね。
問1「彼はこう言っているが、本心は韮崎に行きたいんだ」15字以内

解答 1 「彼は本心では韮崎に行きたい」(13字)
「が、」という逆接があるので、前の部分は否定されています。つまり、あんまり価値のない部分なので、削れるんですね。

問2「彼はアメリカもニュージーランドも好きだが、一番はイギリスだ」15字以内

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