インフルエンサーの罠 / 本物になりたい話


個人でも発信で成り上がることが可能な今の時代。
「インフルエンサー」に憧れて日々発信活動に勤しむ人も多いだろう。


ボクもその一人だった。


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発信で影響力をつけて、インフルエンサーになって、自分の漫画を売ろう。


そんなふうに考えていた。


情報はすでにあちこちに落ちていた。
俗に言う、「フォロワーの増やし方」だ。

フォロワーを増やすためには、
プロフィール欄がどうのこうの。
ツイートの仕方がどうのこうの。

ボクはフォロワーを増やすために、落ちている情報どおりの発信をひたすら繰り返した。


面白いことに、
ただの一般人のボクでも、

情報どおりの発信でそこそこフォロワー数を増やすことができた。

でも、今思うと、
その発信活動になんの意味があったんだろう。

という感じ。


インフルエンサーになりたいから
影響力をつけたいから、

落ちている情報通りに発信してフォロワーを増やす。

その行為の意味とはなんだろう。


✳︎


インフルエンサーは、影響力があるからインフルエンサーなのだ。
他の誰でもない、その人だけ価値観に人が集まり、影響され、動かされる。

唯一無二だからこそ価値がある。


それなのに、インフルエンサーになりたいと思っていたボクがやっていたことは、

ネットに落ちている情報。

すでに誰かに攻略された手法であり、
同時にたくさんの人が実践している手法だ。


そんな発信に意味なんてあるだろうか。

「フォロワーの増やし方はこうです。」
と、ご丁寧に教えてくれている情報に

価値なんてあるのだろうか。


あの頃のボクは、一体なにをやっていたんだろう。

インフルエンサーの真似事をしたインフルエンサーは、所詮二番煎じだ。
二番煎じの真似事をしたインフルエンサーは、三番煎じ。

ボクはいったい何番煎じの人の情報を煎じていたんだろうか。

これ以上薄まらないくらい薄い情報だったことだろう。


✳︎


本物になるために必要なのはオリジナリティだ。
他の誰でもない自分だけの価値観。

誰かの真似事では一生手に入らない。
語り尽くされた攻略法では攻略できない。


真似事はもうたくさんだ。

ボクは価値ある人間になりたい。


思考を凝らし、考えを深め、独自の価値観を作り上げる。
そうやって自分の価値を高めていく。


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