第2話

彼女の存在

僕には一緒に夢を追っていた人がいたんだ。

僕と彼女は将来の夢について語ったときに彼女の夢が歌い手だと知った。

僕はすごくすごく嬉しかったんだよ。同じ時間を過ごす時は夢についての人生計画を立てる毎日を送っていた。

夢についての情報集めは僕が担当していた。本当に記事を集めては、URLを彼女とのLINEに貼っていた。

このまま本当に2人の夢を2人で叶えられるんじゃないだろうか。

僕は毎晩想像した。彼女と2人でライブに出たり、彼女と2人で配信したり収録したり、毎日が一瞬で過ぎ去っていく様子を。

ある時、彼女はユニットを組もうと言い始めたんだ。もちろん僕は首を縦に振った。

無双のユニットになってやる。

現実は

ある時から、僕と彼女の間には大きな温度差があったんだ。

その温度差に気づいたときから僕は、

ユニットを組んでも活動を始めたら、すぐ辞めるんじゃないか。

温度差の違いで彼女との楽しかった過去を塗り替えたくない。

なんていう、僕の不安がでてきた。

彼女に僕はユニットじゃなくてただコラボをするような歌い手友達になることはできないのかと相談した。

彼女はそれに納得がいっていない様子なのにいいよと言った。

僕はどうして納得がいっていないのかと気になったから質問したんだ。

ユニットを組んだら、家族同然だけど歌い手友達は他人だから。 

僕からしたら、ユニットを組んだからといって血が繋がるわけでも絶対に裏切らないという保証ができるわけでもないと思っていた。

はい、温度差ですね。

価値観の違いもそうだけど、なにより温度差に大きな違いがある。

現実はそう甘くもない。

今回は縁がなかった。

無理に彼女とこれから付き合えば僕の人生が台無しになるじゃないか。

僕は僕で頑張るんだ。

彼女との過去?そんなのどうでもいいさ。

もう疲れた。

尻尾を追いかけるくらいなら辞めてしまえ。
そんな時間おまえにはない。
自分の時間は自分と大切な人のために使え。