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そんなに怖いのなら/2022.09.22

OL業を終えて、帰宅しているときのこと。

コンビニで夕飯を買って、トボトボ家に向かっていると、数メートル先に小学生くらいの男の子が歩いていた。
その男の子は駅前にある塾のロゴが入ったリュックを背負っていたので、塾の帰りだろう。

その子は突然、後ろをチラッと見て、前を向いて走り出した。
その動きに、私は驚いてしまった。

どうしたんだろう……。

男の子は走るのをやめて、歩き出した。
私も気にせず、男の子の後を追うように歩いた。

しばらくして、男の子はまた後ろを見てきた。
そして前を向いて、さっきより速く走ったのだ。

何!?
私の後ろに怖い人がいるの……?

私は恐る恐る後ろを見た。
しかし、誰もいなかった。

あの男の子、私から逃げている!?

男の子は右に曲がった。
私も右に曲がるので曲がると、男の子はちょっと離れた先にある横断歩道の近くにいた。

そしてまたこっちを見て、歩行者用の信号機の青が点滅するなか、全力で走って渡った。
男の子が横断歩道を渡り切ると、信号機は赤に変わった。
男の子は住宅がある通りに入って姿が見えなくなってしまった。

自分も小学生のとき、学校の近くで不審者の目撃情報が出ると、下校中に後ろから怪しい人が付いて来ていないか、早足で誰もいない通学路を歩いていたことがあった。

全力で走って逃げる男の子を見て、危機感があってしっかりしているな、と昔の自分を思い出しながら思った。

でも、私はその男の子に危害を加える気持ちは1ミリもないのに、後ろをチラチラ見て走って逃げられたのは傷ついた。

そんなに私が怪しい人に見えたのか?

OL業で着ている服の色は黒づくめで、疲れた顔をしていたから、もしかしたら男の子はそれを見て怖く思ったのだろうか。
それだったら申し訳ないな。

でも何度も何度も後ろをチラチラ見て走るんじゃなくて、一度見たらすぐ走って逃げてくれた方がまだ良かった。

もしガチの怪しい人だったら、自分のこと認識しているなと思ってさらに距離を縮められるし、怪しい人じゃなくても不快に感じて、「なんか用?」って詰め寄られて痛い目に遭う可能性だってある。

というか、こんな暗い時間に独りで歩くのが怖いなら、親に迎えに来るよう頼んだ方がいちばん安全だよ。

あの子、無事に家に帰れたかな。

悲しみと怒りと心配で心がいっぱいになった、3連休前の夕方。

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