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「ヤジと民主主義」

 ポレポレ東中野で公開中のドキュメンタリー映画「ヤジと民主主義」(監督・山崎裕侍)を観てきました。

 2019年7月15日、札幌市で安倍首相(当時)が演説中に「安倍やめろ!」とヤジを飛ばした男性が、大勢の警察官に取り囲まれて強制的に排除された事件。ヤジも飛ばせない世の中って恐くないか? そもそも排除に法的根拠はあるのか? 法廷闘争にまで発展したヤジ排除問題を北海道放送記者が取材したドキュメンタリーの劇場拡大版です。

 作品は強制排除された男性と女性の闘争と道警側の対応を具に追っており、見ごたえは十分です。そして考えさせられるのは、この事件の3年後に安倍さんが演説中に暗殺されてしまったという事実。ヤジを封じ込めるということは、凶行防止に有効なのか。もしくは全く無関係なのか。この作品が問うている重要な視点だと思います。

 監督の山崎さんは私と同い年。今、私たちがどれだけ息苦しく、危険な世の中で生きているのか。それを可視化する素晴らしい作品をつくられたことに敬意を表したいと思います。

 作品内でコメントされている元道警幹部の原田宏二さんは道警の裏金問題を内部告発された方で、私も12年前に取材でお会いしてお世話になりました。2年前にご逝去されましたが、大切な言葉を遺して下さったと感じました。

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