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醜い大人の承認欲求という弱さに喝を入れる『おむらいすのくに』の幼女

以下映画「来る」のネタバレを含む感想になりますのでご注意ください。

役者が豪華すぎるだけあって、芝居は素晴らしかった。
怪我などの痛みの伴う演出における芝居などは、さすが経験を積んだ役者が揃っているだけのことはある。それだけの予算もあったということだろうから、マンションとその隣の公園を丸々使ったお祓いのシーン、路上におけるタクシーの横転、トラックの追突のシーンなど、凄まじいアクションも見応えがった。
有名な役者を多く起用していると、なかなかその人たちが死ぬシーンを凄惨に描くことが少ない気がするが、今回の映画では上半身と下半身を真っ二つにするなど、かなり迫力のある演出だった。

これが平日の夜9時のドラマだったら「おむらいすのくに」の歌なんかは可愛げな少女の歌で和むのだが、ホラー映画のエンディングのように流されると、狂気の歌になる。ぼくは、あの流れだと、あの歌がそのままエンディングテーマになるのではないかと思った。

その少女。なぜ彼女は生まれてきたのか。子どもの頃から嘘つきの父親を祟り殺すために生まれてきたのだろうか。それとも、両親を?少女の両親は、二人とも自分の承認欲求を満たしたくてたまらない感じだった。それゆえに死んでしまったように、ぼくの目には映った。いかにも現代風な感じだ。

ぼくは作品の感想を述べるのが得意ではないのでこの辺にして、最後に疑問点を一つ。

少女の両親が頼りにしていた民俗学者。
のちに少女の父親の仏壇にお札を残していくのだが、そのお札に仕掛けられた細工が、父親の死後も祟りを引きつけていたと言う。その民俗学者は霊などは信じていないようだったが、どうなのだろう?主犯格なのか?それとも、少女の父親の持つものすべてを奪ってきたというその言葉通り、祟りも奪い取ってやろうという感じでお札を残したのだろうか?

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