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がん、高血圧、糖尿、うつ…全てを撃退する簡単な方法
ビタミンDと聞いてピンとくる人は少ないのではないのでしょうか。
今このビタミンDが注目を集めています。
今回は、そんなビタミンDについて、病気を遠ざける!1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力という本から紹介したいと思います。
ビタミンDの重要性
ビタミンD は、ビタミンの一種で、脂溶性ビタミンに分類されます。
必須栄養素ですが、紫外線を浴びることで生合成することもできます。
ビタミンDはさらにビタミンD₂とビタミンD₃に分けられます。
ビタミンD₂は主にきのこ類、ビタミンD₃はイワシやシャケなどの青魚に多く含まれています。
熱には強く脂溶性のため、加熱調理にも向いています。
近年ではこのビタミンD₃がより重要であると言うことがわかっています。
ビタミンDは、カルシウムの働きに関わり骨などの健康に関与します。
このため、骨を丈夫にするために重要ということはこれまでも知られていました。
しかし、ここ10年ほどで、ビタミンDにはもっとたくさんの役割があることが判明しています。
例えば、がん、高血圧、糖尿、うつ。
これらの全てに関係していて、他にも様々な場面でビタミンDが重要だと分かっています。
ビタミンD研究が進んだ理由
アメリカは、現在、ビタミンD先進国となっています。
そのアメリカ国立衛生研究所(NIH)は、「ビタミンD不足は世界的問題である」と指摘しています。
アメリカの国立生物工学情報センター(NCBI)が運営する医学文献データベース《PubMed》でビタミンDの論文を検索すると、7万2000件以上がヒットします(2017年6月末現在)。
それに対してビタミンCは5万8000件、ビタミンAは5万1000件ほどに留まるそうです。
これにはビタミンDの特性と、アメリカの特殊性が関わっています。
アメリカでは以前から、他の人種に比べ、アフリカ系アメリカ人の慢性疾患による死亡が多いことが問題になっていました。
欧米では元々もともと、くる病や骨粗しょう症などの骨の異常に関する疾患がアフリカ系アメリカ人の方に多いことなどから、これらの骨の健康に関係するとされているビタミンDに注目していたようです。
これは、太古の昔に赤道直下の大量の紫外線に対応したアフリカ系アメリカ人の褐色の肌が、高緯度地域(北極又は南極寄りの地域)では、ビタミンDの合成に必要な紫外線もガードしてしまうことで、体内のビタミンDの量が少なくなることが原因でした。
このような経緯から、アメリカではビタミンDの研究が盛んに行われているようです。
2014年、黒人(黒人およびアフリカ系アメリカ人)の平均寿命は75.6歳、白人は79.0歳であり、2000年(黒人:71.8歳、白人:77.3歳)に比べ人種差は縮小している。しかし、成人早期および中期における主な死因には格差があり、とくに殺人、心疾患や糖尿病などの慢性疾患による死亡は黒人にて多い。
もちろん、日本でも研究は行われています。
2017年、大阪樟蔭(おおさかしょういん)女子大学などの研究チームの調査により、20代の日本女性が週3回以上日焼け止めを使った場合、血中のビタミンD濃度がつねに「欠乏状態」(血中ビタミンD濃度が20ng/mL未満)になっていることがわかりました。
また、1980年代の女性と比較したところ、血中ビタミンD濃度は通年でかなり低下していました。
加えて、京都で行われた疫学調査では、新生児の22%において「くる病」の初期症状でもある「頭蓋癆」が見受けられるという報告もあります。
このような研究結果から、日本人にとってもビタミンD不足は深刻な問題であることがわかります。
ビタミンDには様々な効果が確認されている
ビタミンDには様々な効果が確認されています。
・がん
がん細胞のオートファジーや血管の新生を抑えて成長を抑制する。高緯度地域ほどがん発症率は高い。
・認知症
アメリカ神経学会は、ビタミンDが欠乏している高齢者は、アルツハイマー病による認知症になりやすいという研究を発表している。
・高血圧
血管を縮めるアンジオテンシンⅡを活性化する酵素(レニン)を減らす。
また、ビタミンDは血管内皮細胞でNOを作る酵素(内皮型一酸化窒素合成酵素、eNOS)の産生量を増やし、血管をリラックスさせて血圧を下げている。
・2型糖尿病
インスリンを分泌する膵臓のβ細胞にはビタミンDの受容体があり、ビタミンDがこの受容体に結合すると、インスリンが分泌されやすくなる。
・動脈硬化性疾患(心臓病、脳卒中など)
ビタミンDが血管や心臓の受容体に結合すると、アテローム性動脈硬化と心臓病を直接防ぐ働きがある
・感染症
皮膚や免疫細胞に備わった受容体にビタミンDが結合すると、「抗微生物ペプチド」が合成され、免疫細胞であるマクロファージを強化する
・精神障害
ビタミンDの投与により、うつ病でもっとも一般的な大うつ病性障害(MDD)の患者の症状が改善したという論文も出ている。
他にも、
・アレルギー疾患(花粉症、アトピー性皮膚炎、遅延性フードアレルギーなど) や、自己免疫疾患(関節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患、1型糖尿病など) にも効果があるとされています。
効率よくビタミンDを摂る方法
本書ではビタミンDの血中濃度を最適化し、現代人が悩む慢性的な疾患の予防と改善を果たすために、成人には100μg(4000IU)の皮下での合成と摂取をすすめています。
食材から摂取することもできますが、日光を浴びるのが一番てっとり早いです。
より多くのビタミンDを作るなら、地域や季節にもよりますが、正午前後に1日 20 分程度を目安に、太陽を浴びればいいのです。
また、日光を浴びて体内で合成する場合だと、必要量のビタミンDを合成した後は合成を止める仕組みがあるため、ビタミンDが過剰になってしまうことがありません。
ただ日光の浴び方にも注意点があります。
①ガラス越しの日光ではいけない
ビタミンDの合成に必要な紫外線はUVBです。UVBはガラスを通過できません。このため日光を直接浴びる必要があります。
ただ、日焼けを引き起こすのもUVBですので、浴びすぎには注意が必要です。
ちなみに、UVAという波長もあり、こちらはUVBの二十倍以上降り注いでいます。
こちらは肌の奥深くまで到達し、シミやしわの原因になります。
②地域、季節と時間帯、肌の色と体型で必要な時間が異なる
日本でも高緯度だとUVB量は減少します。
また、季節によってもUVBの量は異なり、夏季なら午前10時から午後2時に1日のうちのおよそ6割、冬季なら午前10時から午後2時に1日のうちのおよそ7割〜7.5割が降り注いでいます。
個人差にも注意が必要です。
一般的に色黒であるほど、より多くの紫外線を浴びないと、ビタミンDが合成できません。
日本では北国の人は色白が多いと言われたりしますが、これは少ない日照時間で効率的にUVBを浴びるためだったのかも知れませんね。
また、肥満傾向にあると、脂肪細胞にビタミンDが吸収されてしまうため、より多くのビタミンDが必要になります。
以上の注意点を踏まえて、日光浴を行いましょう。
正午前後に1日 20 分程度の日光浴であれば、日焼けするリスクはそこまで高くありません。
また、これは顔と手だけが露出していることを想定した場合の目安なので、肌の露出面積が増えれば増えるほど短時間で済みます。
地域差も考慮したビタミンDを合成するのに必要な時間と皮膚に直接的な悪影響が出始める時間の簡単な表は以下の通りです。
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ここまでビタミンDにここまでメリットある以上、日光は常々こころがけたいものです。
ビタミンDの含有量が多い食品のリストも載せておきます。
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