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立夏 【短歌】

5月5日~5月21日に詠んだ短歌


渡る風流るる雲に見果てぬ夢を俯く肩に諦めなかれ

風なびく緑葉に揺れる朝露の最後のしずくぬぐい去る指

つばめ舞う夕暮れの色横ぎって五月の風匂い立つかな

点滴とつながる腕は雫とともに君の歌を慰めとしてる

そばかすもえくぼもすべて僕のもの涙の君は誰にあげよう

けぶる雨とりとめもなく綴る文字 衣纏ってたわわに踊る

引き金の重さも知らぬ幼子の震える肩に鉄砲の音

葉の陰に迷いし春ははかなげに五月の雨に散りゆくばかり

特別な君でいるはず春までに揃えた衣六月に舞う

短歌などじじぃくさいと思いきや蓋を開ければ若人ばかり

帰するところを探す旅月もない夜に追われて膝を抱える

小面の黒き瞳に映す夢溺れるままに君の言葉待つ

泡となる微かな音色日の名残り踊りし君は玉響の夢

雨が滴る軒下の つばめはどこにいるのやら (自由律俳句)

夜の果て羽の折れたる天使たち携帯片手俯くばかり

屍の黒い瞳を越えてゆけ我の命は祖国に生きる

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