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二重生命線

少し前に友人と占いに行ってきました。

人生初の占い。
もしハマってしまったらどうしようという不安から
少し身構えていました。

「自分の人生自分で決めます」と心の中ではファイティングポーズでした。


訪れた占いでは算命学と手相を用いて鑑定してくれました。

私は昔から手がコンプレックスでして、
何が嫌だってぷくぷくなんです。指も掌も。

クリームパンみたいって言われるのももう慣れてました。

パンパンなので手相も少なく、
あまり大したことは言われないだろうなと思い期待していなかったのですが、

占い師さんが私の手相を見た第一声が

「二重生命線だね」でした。


その占い師さん曰く、
大きな事故に巻き込まれたとしても私は助かる そうです。

その話を聞いてすぐ
「ああ、弟のためだきっと」と思いました。


***


私の弟は生まれた時から障害があり、
おしゃべりすることや歩くこと、
自分でご飯を食べたりすることができません。
移動する時は車いすで
ソファーに座る時も横で少し支えてあげないと座れません。

できないことを書き出すときりがないのですが、
いつまでも赤ちゃんって思うととってもかわいいんですよね。


私の腕を引っ張ってきたり
声を出したりして遊んでほしいと甘えてきます。
遊んであげると満面の笑みで満足そうにしています。

私がお菓子を食べているとじーと見てきます。
見ていれば分けてもらえると分かっているんですよね。
視線の強さに負けて一口あげると大喜び。
結局大半を食べられてしまいます。

寝る時は
私が眼鏡を取ってあげて布団をかけてあげると横向いてすぐに寝ます。
逆にそれをやってあげないと寝ないで待っているので困っちゃうのですが。

そんなこんなで姉である私の事が大好きなんです。
言葉で言ってくれるわけではないのですが
私への態度が他の人への態度と全然違うんです。
テレビを一緒に見ていても気づくと私の顔を見てにこにこしています。
私が家に帰ってくるだけで大喜びです。

かわいいでしょ笑



そんなかわいい息子のような弟のことを思うと
「弟より先に死ねない」と昔から使命のよう思っています。
私は弟の最後に日、横にいて手を握っていてあげたいと。


もし私が先に死んでしまっても
弟は理解できないでしょう。
お姉ちゃん最近見かけないな程度には思ってくれるかな。

甘える相手がいなくて
寂しくて笑わない子になってしまわないかな。
想像するだけで胸が苦しくなります。


子が親より先に死ぬのは親不孝と言いますが
では親は子供を残して死ぬ時どんな気持ちになるんでしょう。

私の弟は人より手がかかり一人では生活できないから
そう思うのかもしれません。

それでも親にとって子供は永遠に子供。
もう親の役目は終わった、安心して人生を終えられる、
と思えるようにいつかなるのでしょうか。


まだまだ未熟者の私にはそんな覚悟はないけれど
何かあったときのためには準備しておかなければとは思っています。

でも「先に死なない」と言う強い想いが手相にまで表れていて
第三者にもあなたはどんなことがあっても強く生き抜くと言われたことが少し安心につながりました。

きっと占いに行く人たちは「大丈夫だよ」って
背中をさすってもらいたくて言っているのかなと感じました。


弟へ
私は二重生命線でちょっとのことじゃ死なないみたいだから
80歳でも90歳でも
生まれた時と同じようにお姉ちゃんが傍にいてあげるからね。
それまで沢山遊ぼうね。



***


もう占いに対して身構える事はなくなりました。
知らない自分と知っている自分を
言葉にして教えてくれた
ので
とても面白い経験でした。

またいつか「大丈夫だよ」と言ってもらいたくなったら
占いに行ってみようかなと思った1日でした。


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