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『クマソタケルの館にて』読んだら日本神話沼だったのでファンアート描きました!

先日、なろう版の『婦好戦記』が完結したのですが、
更新のたびに読了ツイートをくださった宇美さま。初めて宇美さまの作品を読んだのは4年前だったと思います。2年ぶりにファンアートというものを描いてみました!

クマソタケルの館にて|絶世の美女と思わせといて、実は最強のヒーローでした

作者:宇美さま

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『クマソタケルの館にて』はヤマトタケル(コウス/小碓尊)のクマソ襲撃を題材にした物語です。

従者視点の軽快な語り口でとても読みやすい。
後半、演劇を繰り返せばそれが事実になるのか?という問いも面白いです!


ヤマトタケルは日本最古の男の娘にしてパパに怖がられたサイコパス。
わたしは古事記ニワカ民ですが、調べてみたら従者の設定が思いかけず良きでした。


<※ここからBLっぽい話になるので苦手な方はご注意ください>


宇美さまの物語で、小碓尊総受のBLの香りが漂っていたのでちょっと深堀りしたくなりました。

以前から気になっていた、クマソタケルがヤマトタケルに名を授ける行為。

(おさらいとなりますが、ヤマトタケルのタケルは小碓尊が女装してクマソを暗殺した際にクマソタケルから貰いうけたものです。)

「暗殺者に名前を与えるってどういうこと? なんのメタファー?」という疑問……。

検索したら、男の娘でBLな記事を読んでしまいました。

夜ふけまでまさぐられてもヤマトタケルが男と気づかれなかったワケ。神の力か、それとも美しさか(婦人公論.jp)

【以下、上記のニュースより抜粋】---
『国文学 解釈と鑑賞』という雑誌が、かつてあった。文学研究にたずさわる人たちの月刊誌である。その1961年4月号に、「倭建命」(尾畑喜一郎)という文章が、のっている。

この一文も、ヤマトタケルのクマソ征伐に言及した。『日本書紀』がえがく女装の場面を、読みといている。それが、以下のような解説になっていた。

「紀の伝えでは川上梟師が命に酒を飲ませながら”戯れまさぐつた”とある。それにも拘わらず男性であることを見破られなかったというのも、畢竟するに姨倭比売命の守護霊が完全に発揮されたことを意味する」

【抜粋ここまで】---

戯れまさぐつた……!(ガタッ)

はい。日本書紀検索。

『日本書紀』該当箇所

十二月、到於熊襲國。因以、伺其消息及地形之嶮易。時、熊襲有魁帥者、名取石鹿文、亦曰川上梟帥、悉集親族而欲宴。於是日本武尊、解髮作童女姿、以密伺川上梟帥之宴時、仍佩劒裀裏、入於川上梟帥之宴室、居女人之中。川上梟帥、感其童女之容姿、則携手同席、舉坏令飲而戲弄。于時也更深、人闌、川上梟帥且被酒。於是日本武尊、抽裀中之劒、刺川上梟帥之胸。

未及之死、川上梟帥叩頭曰「且待之、吾有所言。」時日本武尊、留劒待之、川上梟帥啓之曰「汝尊誰人也。」對曰「吾是大足彥天皇之子也、名曰本童男也。」川上梟帥亦啓之曰「吾是國中之强力者也、是以、當時諸人、不勝我之威力而無不從者。

【戲弄】
「ぎろう」たわむれからかうこと。『字通』より

「戲れ弄す」
弄の文字を「もてあそぶ」「あなどる」「いじる」「たわむれる」「まさぐる」

ふむ。「まさぐる」とまで訳すかどうか。(真面目な顔で)

クマソタケル……川上さんは女の子と思っていたというよりも、伊勢由来の巫女装束を着た少年を少年とわかっていて惚れてしまった可能性もありますね。
そのうえで、自分の命を奪う少年に名を授けている。

いやはや……この逸話、古事記じゃなくて日本書紀のほうなんですね。すごいです。

ざっくり 古事記→国内向け、日本書紀→唐と周辺国向け に編纂したという認識です。

対外的に一体なにをアピールしたかったのでしょう。日本すごい。


『クマソタケルの館にて』

日本神話沼の深さを再認識する作品でした。

宇美さま、素敵な作品をありがとうございました!

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