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秦漢代の刑罰制度「一生消えない肉刑罰」


こんにちは。佳穂一二三です。

ツイッターで素敵なタグがありましたので、
参加させていただきます!

#春の漢帝国祭り2020
https://twitter.com/riri_kau/status/1246452647646937089?s=20
漢帝国創作つながり。。素敵ですね!!

とはいえ、わたしの専門は殷~春秋戦国時代で漢代はニワカ民なので、勉強中の秦漢代の刑罰制度について記載します。

このnoteを読む方は、創作者の方が多いかと思いますので、創作の材料になりそうなことをピックアップしてみました!

【秦漢代の刑罰制度 まとめ】

1970~1980年代に発掘された睡虎地秦簡、張家山漢簡等の出土資料から、
秦漢代の刑罰制度の大要が明らかになっています。

(タグは「漢帝国」ですが、秦~漢代初期、という旨をご了承ください)

<労役刑のうち肉刑について>

労役刑の最も重い刑は城旦(じょうたん)といい、
一生消えない肉刑罰を負わせます。
軽いほうから。

〇完城旦(かんじょうたん)
 肉刑を施さない。

〇黥城旦(げいじょうたん)
 顔面に入れ墨を施す。

〇黥劓城旦(げいぎじょうたん)
 顔面に入れ墨を施して鼻を切る。

〇斬左趾黥劓城旦(ざんさしげいぎじょうたん)
 顔面に入れ墨を施して鼻と左足部を切る。

〇斬右趾黥劓城旦(ざんうしげいぎじょうたん)
 顔面に入れ墨を施して鼻と両足部を切る。

※女性は黥(入れ墨)のみで、劓(鼻を切る)、斬左趾・斬右趾(足首を切る)は課せられない。
 完舂(かんしょう)、黥舂(げいしょう)という。


<死刑>
死刑のうち、軽いほうから。

〇棄市刑(きしけい)
 市場での死体の放置。
 (家族を巻き込まない)

〇梟首刑(きょうしゅけい)
 さらし首。
 (家族を巻き込まない)

〇磔刑(たくけい)
 はりつけ。
 犯罪者の妻子を縁坐して労役刑徒とする。

〇腰斬刑(ようざんけい)
 腰部切断。
 犯罪者の父母、妻子、同母兄弟を縁坐して死刑とする。

……このように羅列すると秦漢代には残酷な刑罰を設置しているような印象をうけるかと思います。しかし実態としては、それを無闇に適用されないような策も施していたといいます。

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創作者としては、刑罰関係のネタだけで、短編を3本以上は書けそうですね!(犯罪者・受刑者・執行人・縁坐となった家族等)それに顔に入れ墨とか……
めちゃくちゃ好きです。

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今回の参考文献は、こちら。

『地下からの贈り物 新出土資料が語るいにしえの中国 /東方選書46 』

この論文のボリュームで、税抜2,200円。良心的。めちゃくちゃお世話になっております。
三国時代以前の創作者におすすめです!

(写真右。左は自著)

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「中華ファンタジー」であれば中華っぽいならなんでもござれですが(むしろ資料としては唐代以降のほうが華やか)

ガチガチの歴史小説を書くなら、史実を追うだけではなく、環境、気候、衣食住、思想信仰、地域性……。
あらゆる資料について勉強は必須だなぁと痛感中です。そういった意味で、この本は感動するくらい情報が整理されていて多く、しかも質が高いです!


わたしも小説の時代考証につかわせていただいております。殷代の小説です。

『婦好戦記 最強の女将軍と最弱の巫女軍師 /ヒストリアノベルズ 』

気になりましたら、ぜひお手にとってみてください!

では、また!

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