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素直になるチャレンジ

大企業に入って怖いなと思うのは、
素直になれない自分が当たり前になっていくこと。

なぜこの会社に入ったの?
という質問一つとっても、
同期にはこういう風に説明したらいいかなとか、
課長にはこういう風に説明しないと失礼かなとか、
そういう気持ちになってしまう。
素直に話すとすれば、
「大企業を体験してみたいんです。」

この一言に尽きるのにな。

みんな一生懸命目の前の仕事に取り組んでいる、
かはわからないけれど、
少なくとも人生の大部分をここで過ごしていることに変わりない。
そんな人たちに向けて
「体験したい」
なんてあまりにも適当だよなと思ってしまうところがあるのです。



この間、部長と話す機会がありました。
いわゆるちょっと偉い人です。
「高橋さん、何がしたいの?」
一瞬考えてしまいました。
この部署にはこんな仕事がありそうだからこの辺のことを言わなきゃ。って。

いやいや
「ここにそもそもやりたいことはないんだけど、大企業を体験しにきました。」
なんて言えなかった。

それを無鉄砲に言ってしまうことは
よく知りもしない部長の人生に土足で踏み込む行為だと思った。
それをしたくはない。

なんて面倒な性格なんだろうと思う。

さっさと盾突いて暴れまわっちゃえばいいのにね。





私がこのテンションで働くことができているのには理由があります。
新卒時代にこの会社の人事と話した時のことです。
今と同じように「何がやりたいの?」と聞かれました。

「社会に出たことがないのでわかりません。
ここにずっといるかもわかりません。1年で辞めてしまうかもしれないです。
でも、人事の方は信頼できると思っているので、ここで働いてみたいです。」

「今の君と働きたいから、長くいることとかは考えなくてもいいし、
キャリアについても入ってみてから考えればいいよ。」

少なくとも、私が面接の過程で出会ったのはとてもヘルシーな方々ばかりだったのです。
まあ、私自信も今よりずっとヘルシーだったかも。
そういうわけで入社。





そして働いてみてわかったこと
「会社でなにがやりたいの?」
「やりたいこと、なかったです。
大企業を体験させていただいて、ビジネスの世界がとてもよく見えました。
トップの景色を見るということがどういうことかよくわかりました。
そしてそれを、見たいとは思いませんでした。
資本主義、本で読むよりずっとリアルな学びがありました。
今を生きる多くの人がここにいる理由もよくわかりました。ありがとうございました。」





超絶素直に話すなら、どうしてもこうなってしまう。
一生懸命大企業で働くことについて感じて、考えて、苦しんで、
大満足しました。
今隣にいる人、会社で出会う人すべての人生を
大きな心で肯定できるようになっているということは、
もうこの会社を知るという点で、私が満足している証拠です。
よくわかったからこそ、この会社で働くすべての人の人生を愛せるようになってきた。
疑いがない。すべての人生を、一つ一つの川の流れとして、いとおしく思えるようになっている。

ここで働けて良かった。
いい部署に配属してもらったので、満足するのもとても速かったと思う。

相手の人生をリスペクトできるようになった今ならやっと、
素直になれる。
素直に感じて苦しんで、本当によかったな。

さあ、私に残されているのは、
部長の前で、素直になること。
丁寧に、素直に話すこと。
絶対に、そんなに遠くない未来でやってみたいチャレンジ!

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