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金曜5時由比ヶ浜

ずっと憧れていた街に住めるようになった。自転車で大好きだった海に出かけられるようになった。一人で、海に向かって歌ったこともあるし、友達とバイクで夜の海を走ったこともある。

今は、自転車で一人だけど、ちゃんと思い出す。





広い世界の中で、信頼できる人を見つけた。一生懸命愛をしてその人と一緒に暮らしている。さみしい夜がなくなった。不安なことは半分になって、面白いことは3倍くらいになった。

私たちはどこか似ていて、落ち着く。





自転車を止めたらもう、広い海と私だけの時間。観光客カップル家族そっちのけで走り出す。ナンパなんてされてる暇もない。海辺を、太陽の道に向かって歩くの、太陽が沈むまで。

正直言ってどこまででも歩けちゃう。





目をつむって波の音を聞いていると自分の呼吸も波のように感じる。オーストラリアのあの街で一人で海に向かっていたあの子も、同じ気持ちだったのかもしれないと思う。

自然と一つであることを実感するのはとても幸せなこと。





1日のうちに、幸福を感じる時間が少しもなかったことに気づいた今は、

きっと不幸ではない。

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