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「未完成なうた」

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自作の詩。誰かのこころに寄り添えるかは分からないけれど、光を灯したい
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#BL

「ミモザ」

「ミモザ」

どうして分かるの
震える手を繋いでくれるきみ
分かってるよって
いつでも気持ちが通じてるよって
繋いだ指の間から感じる

ずっとこうしていたい
ふたりでいたい

難しい事ばかりだね
普通にはいかない事ばかりだね
恐る恐る踏み出したぼくらの
このせかい

悲しい事ばかりだね
思い通りにならない事ばかりだね
並んで歩くには窮屈すぎる
ぼくらのせかい

ぼくにも分かるの
震える手を繋いでくれるきみの

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「無題」

「無題」

ぼくを見つめてるあなたの眼差しの中にある
優しさと激しさに
気付いてた

ただ、その優しさが
ずっと離れたくないくらい
とてもあたたかくて明るくて

切なくあなたがぼくを見つめると
どうしていいか分からなかった
離れたくもない 受け入れられたくない

友達のままじゃいけないの
優しい関係は あなたにとっては
苦しいことなんだね
気付いてた
ごめんね、ごめん

窓をガタガタ揺らす 雨風の深夜
あなた

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「だから この手を」

「だから この手を」

願うことは自由だから 描くよ
どうしようもないくらい幸せな
きみとの未来

例え 行き着いたそのとき
何も手にしていなくてもいい
きみが心から幸せで 笑ってくれていたら
それだけでいい

なんて ありきたりなようだけど
それはとても難しいことだよ
だから この手を

愛しい瞳の奥に
揺るがない汚れない光を 見つけた時から
きみの深い深いところにまで届きたくて
どうしたらいいか考えても分からなくて

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「一番星」

「一番星」

いつこの恋に落ちたかも分からない
ただきみが笑うと嬉しくなって
もしもこの恋を例えるならば
宵の空に浮かぶ 一番星

不安なときには
さいしょに映ったその光を信じて
ふたり離れてるときでも
きみが 一番さいしょに
ぼくの心に光を教えてくれる

いつもそこにいるだけで安心するような
紛れた瞬間 恋しくなるような
ときに眩し過ぎて 心許ないような
雲を恨んでも 求めてる
心無い声に責められても
きみと

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「きみの孤独な夜」

「きみの孤独な夜」

一番長く感じた夜を おぼえてる?
初めての痛みを知ったこころが
ドクドク脈打つ しんと静まり返った
暗い暗い部屋の中
冷たい自分の膝を抱きしめて
ずっとずっと起きていた

窓の外のぼくが知らない世界で
ぼくと同じように
誰かの目を気にして生きて
夜に取り残されている人が
どれだけいるだろう
そんなこと分かりっこないけれど
ぼくはまだ ぼくのことだけしか
考えられないけれど
目をつむったまま ただ朝

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