"恥ずかしい" プロダクトリリースをして良かった 3 つのこと
こんにちは、アウトドアギアのソーシャルコマース「EXPLAZA」の COO 内田です。"恥ずかしい" プロダクトリリースをして良かった 3 つのこと というテーマで書いていきます。
Paul Graham が「素早くローンチし、ユーザーと話し、改良してローンチを繰り返す。(中略)自分がリリースしたものが恥ずかしくないなら、リリースが遅すぎるということを肝に銘じよう。」というスタートアップ企業に向けてメッセージを発信していることは有名な話です。
意識しようとしている人も多いと思いますし、ぼくもその一人でした。変なプライド無しに、顧客に届けて高速に PDCA を回す事を PdM としての第一に置いてました。とはいえ前職のような大きな会社では、優秀で十分なメンバー開発が行えていたので、製品それ自体にも誇り が持てていました。
ところが、スタートアップとなると状況はやはり違い、より「プライド」が顔を出してきて、リリースを遅らせたくなるノイズが多く感じられました。とはいえ一貫して 顧客が使い、仮説検証に最低限の機能と UI/UXでのリリース を行っているのですが、今回はその結果良かった事をまとめていきます。
よかったこと
1. 想定していたユーザニーズは、良くも悪くも大きくずれた
当初想定していた「絶対伸びるでしょこれ!」と思うようなケースは、リリース後にインタビューしてもらうと全然検討違いのものがほとんどでした。インタビューでお客さまからボコボコにタコ殴りにされてる気分でした…
とはいえコアに使ってもらいたかった部分は受け入れてもらえ、尚且つ想定していなかったユーザーニーズがあることも観察出来ました。これは確実にリリースをして行動をつぶさに観察しないと得られないような知見でした。
基本的に人は自分の抱える課題を言語化出来ないので、観察することでしか真の課題を引き出すことはできません。そして観察するためには製品が必要です。プロトタイプで代用する組織もありますが、弊社の場合はエンジニアの mkazutaka と kanji が優秀で、爆速で製品版を用いた改善が出来ています。
そうして爆速で製品の磨き上げを行うことでしか、スタートアップが求める垂直立ち上げは実現出来ないのだなと痛感しています。
2. サービス改善の PDCA が爆速になる
これは想像していなかった良いサプライズなのですが、 製品のリリース後では、製品の改善速度が段違いに早くなりました。これは、製品をリリースすることにより、全員が作り手であり企画になることが出来たことによります。自分で触って治すべき所を即座に修正することが出来るからです。
必要だと思えばエンジニアで開発してリリース OK にしているので改善速度が爆速になりました。というか不具合とかは気づいて Issue としてあげようとした頃には、改善版がリリースされてたりします。なんて頼もしい開発チームなんだ …。
3. 同業他社から多様な反応 / 情報が入りやすくなる
開発ではなくビジネスの話になるのですが…
製品をリリースしたことで業界の 1 メンバーとして受け入れてもらうことができました。多様な情報やイベントに呼んでもらえたり、マーケティング施策の話など、色々な情報交換を行えるようになりました。
業界の課題への知見を深めつつ、同業のコアなアウトドア好きな人々から直接フィードバックをいただくことが出来ます。また、新たなビジネスモデルの提案も業界の視点からいただくことができました。そのおかげで自分たちでも気づかなかったキャッシュポイントを見つける事ができました。
まとめ
立ち上がりの数字も出揃っていない時には、製品へのフィードバックだけが継続的な開発速度/品質を担保するための拠り所 だと思っています。
仮説検証に必要なコアな UX を担保出来る製品が開発できたならば、ささっとリリースをしてしまい直接顧客からフィードバックを得ながらの開発が、最も最短で最も高い価値を生み出すと信じています。
スタートアップの PdM としては、この フィードバックループが回る速度を速く・一回転で生み出す価値を大きくし続ける事は常に意識して 進めないといけないなと思っています。