コロナ禍におけるアメリカから日本への移動の体験レポート
こんにちは、
ちょうど先日、2年ほど住んだアメリカはポートランドから故郷の日本へ帰国しました。この時期に飛行機に乗る、というまあまあ貴重な経験をしたのでここにまとめます。自分が二重国籍ということもあって、様々他の人とは違うこともあったのでそれもついでに。
旅程としては、
ポートランド国際空港
↓
シアトル・タコマ国際空港
↓
羽田空港
という感じ。
①チェックイン
空港に着いてまずすること、チェックイン。
ポートランド国際空港では、こういう機械にピピっとコードを入力したりパスポート照合したり質問に答えたりしてチェックインができます。わざわざカウンターに並ぶ必要もないし英語以外の言語も対応しているので便利です。
しかし、ここで問題発生。
僕も例に倣って手順通りに機械を操作し、最後に「緊急連絡先を聞いてもいいかい?」みたいな質問にYESと答えたところ、なぜか画面に「ごめんね。係員に尋ねてチェックインしてね」みたいなことを言われ、同様に係員に尋ねてといった旨の紙がプリントされました。なんだそりゃ。
しょうがないので、早朝からお仕事をされてる大変勤労な職員さんたちに尋ねることに。
親切な係員さんによると、問題はやはり僕がアメリカ国籍のパスポートを日本行きの旅券で使用したことみたいでした。2020年8月25日時点では、基本的にアメリカ国籍の人が日本への入国に制限があります。世界最大のコロナパンデミックが起こっている国でもありますからね、しょうがないっちゃしょうがない。
ただし僕は日米二重国籍保持者。
「じゃあ日本のパスポート使えよ」という方もおられるかもしれませんが、アメリカは基本的に出入国に関して二重国籍者に対してアメリカ国籍を使用するように求めています(そこまで強制力はないらしいけど)。なので、今回僕も要請に従いアメリカ人名義でチケットを購入、チェックインをしていました。
しかし係員さん曰く、「その時入国する方の国籍を使った方がいい」とのこと。要は二重国籍であることをわざわざ伝えない方がスムーズやで、ってことらしい。彼がアメリカ側の要請を知ってか知らずか、どっちに従うべきか等の問題は別に、たしかにわざわざ伝えない方が楽なのは間違いないっぽい。バレなきゃ平気の精神。アメリカンスタンダード。本当にいいのかそれ。
まあこのコロナパンデミックがなければここまで慎重になることも面倒を重ねることもないでしょうが。
何はともあれ親切な係員さんに両方のパスポートを見せなんとかチケットを入手、ことなきを得ました。
②パスポートチェックと荷物検査
ここはいつもと特に変わりなく問題もなくスムーズでした。
ただしソーシャルディスタンスは守ります。
唯一の違いは、パスポートチェックをしている方がこちらの持ち物をうかつにさわれないので、自分でパスポートを指定の機械にあてなきゃいけないことくらいです。この時だけマスクを外すよう言われ、パスポートの顔写真とリアルな顔面をチェックします。ちなみに僕の現在のパスポートの顔写真は高校生の頃のもので、眼鏡が違うからちょっと人相も違う。前の方が目つきが悪い。
荷物検査でも、消毒液の持ち込みも一定量以下であればOKなど教えてもらいました。ちなみにこの時ちょっと焦って列の前の相手と距離を詰めてしまい、その人に怒り気味に「後ろさがって」と言われました。不安にさせちゃってごめんよ。
かつてのオレゴン州知事Victor Atiyeh氏もしっかりマスク装備。彼のメガネはレンズがないので曇りません。曇らないメガネ、そろそろ開発されてくれ。
③いざシアトルへ
ゲートで暫し待ち、さて飛行機です。
入ってまずCAさんから写真の除菌シートを渡されました。当然、各席の消毒等は事前にしてるとは思いますが、不安な人はこれ使ってくれよな、みたいな感じかと。
もらった機内食は綺麗に包装されていて、清潔感に気を使っているのが伺えます。てかたった一時間のフライトでもこういうタイプの機内食ってもらえるんだね。めちゃめちゃお腹空いてたので助かりました。
乗客はソーシャルディスタンス保護の観点から隣あわせにならないように配置されていました。家族や知り合いでもない限り、乗客同士に最低一席以上の距離が開けられます。広々座れるので、個人的には嬉しい。
ちょっと風景を眺めていたらあっという間にシアトルタコマ国際空港です。
空港内の写真をいくつか紹介します。
空港の広い敷地内には電車が走っています。僕が今回利用したSエリアのゲートは電車でしか行けない場所にあったので乗りました。それにしてもこのSエリア、マップで見ると完全に離島です。ゾンビパンデミックがこの空港で起きた場合最後の砦となります。
こちらはNirvanaやSoundgardenがかつて所属していたインディーロックのレコードレーベル、SUB POPのショップ。実はずっと行きたかった場所で、Tシャツを買いました。ていうか最近はほぼTシャツ屋のイメージがある(※個人の感想です)。
④東京・羽田空港へ
ゲートを通る際に、ここでは日本への出国となるので僕は日本のパスポートを使用しました。といってもここでアメリカのパスポートを出しても問題はないように思います。登場してる乗客の中には明らかにアメリカ籍の方(見た目じゃ判断はできないけど)がいて、そういった方々は恐らく日本で別の便に乗り換えるみたいです。要は、アメリカ国籍の方は日本入国は制限されるが、乗り換えの都合で一時的に日本に入ることはオッケー、ということのようです。
こちらの飛行機でも最初に除菌シートが渡されました。そのほかにもアイマスクやイヤホン、スリッパなどをもらいました(というか飛行機乗ったらイヤホンもらえるのって凄くないですか?クオリティの良し悪しは別として)。
こちらでも乗客同士が隣り合わせにならないよう席が配置されているので、だいぶ余裕を持って席に座ることができました。隣の人がいないのは当然ですが、僕の場合は後ろの席も人がいなかったので、リクライニングを自由に上げ下げできました。また、ポートランド→シアトルの時もそうでしたが、フライト中は基本的にマスク着用が求められます。
機内食もしっかり出ました。以前と容器が変わっているのはコロナの影響なのかな?この写真では、サーモンorチキンから選べたのでで僕はサーモンを選びました。写真からではわかりづらいですが、かなり分厚いサーモンで骨も丁寧に抜かれていて、めちゃめちゃ美味しかったです。この味がまた味わえる店があるのであれば教えてほしいしそこでシェフを呼びたい。
こちらは朝食。個包装がきっちりされていて、衛生上の気遣いが感じられます。卵とチーズのサンドイッチで、こちらも暖かくて美味しかったです。
フライトすること約十時間、飛行機は羽田に着きます。ちなみに僕はフライト中ずっと映画を見ていました。国際線に乗る日は一年で一番映画を見る日です。
個人情報もあるので写真は載せられませんが、機内で事前に検疫のためいくつか書類を渡され、記入することを求められます。名前や住所、体調などの基本的な個人情報ばかりなので、特別なにか用意する必要はありません。こちらは次の検疫内で使われます。
⑤到着、そして検疫
検疫の準備とソーシャルディスタンス維持のため、通常より降機に時間がかかりました。慌てず落ち着いて指示に従います。
降機後空港内に入って、しばらく道なりに歩くと写真の「検疫の手順、概要」について書かれた紙を渡されます。ここから検疫が始まります。
検疫中は写真NGだったので、ここからは文字オンリーです。
まず、ステップ①は上記写真の紙をもらって少し待つ時間です。検疫に人数制限があるため、ここでしばし紙を眺めて呼ばれるのを待ちます。
次にステップ②。機内で書いた書類をチェックされ、プラスチック状の漏斗と試験管型の容器を渡されます。ここで検体(羽田空港では唾液でしたが、場所によっては花に綿棒を突っ込むところもあるらしい)の採取を行います。パーテーションに仕切られた採取用の場所があるので、他の人に検体採取を見られる心配はありません。
ステップ③は、主に書類の確認です。記入内容について幾つか訊かれたり確認を求められます。それだけ。
そしてステップ④、検査結果をひたすら待ちます。ステップ②で渡された番号が呼び出されたらカウンターに向かい、陽性だったか陰性だったかを告げられます。ここが一番時間がかかるところですので、頑張って暇をつぶします。
各ステップはそれぞれ別々の部屋で行われ、人数も一定のペースで進んでいくのでソーシャルディスタンス等の問題はクリアでした。
陰性であれば、写真の証明書のような紙をもらい、入国審査、荷物受け取りに移ります。
入国審査は機械を使った顔認証で、パスポートを照合機に当てて画面を見つめるだけで大丈夫です。ここでは日本のパスポートを使いました。もしここでアメリカのパスポートを使ってtらまた面倒なことになっていたのか、はたまた案外素通りできたのか、どうなんでしょうね。
荷物は事前に空港職員さんによってまとめられているので、わざわざ自分のを待って探す手間がありませんでした。しっかりお礼を言いましょう。
⑥隔離
入国した日を0日目として、14日間の隔離が求められます。自宅あるいは指定のホテルでその期間を過ごします。その間公共交通機関の使用が禁止されるので、自前の移動手段等ない場合はホテル滞在(自費)を余儀なくされます。
僕の場合は家族が迎えにきてくれて、自宅で隔離です。ぶっちゃけ政府に監視されているとかそういうわけでもないので外出は可能ですが、万が一それで感染したさせたってことが判ったら大変です。スーパーで会計前の生卵を落として全部床にぶちまけちゃった時くらい大変です。嘘。多分それより大変。
終わりに
ここまでつらつらっと体験レポートを書いてきましたが、あくまでこれは僕の場合、僕の経験ですので、他の方々の同様のプロセス上に違いがあってもノーコメントです。責任は負いかねますし詳細も判りかねます。
ただ個人的にはなかなか面白い旅路だったなと思います。面白がっていいものではないかもしれませんが、検疫なんてなかなか経験できませんからね。
僕はまだ隔離期間中ですが、それが終わり次第ぼちぼち気を付けつつジャパンライフを満喫しようと思います。まずは髪の毛を切りたい。
それでは。
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