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農業をどうにかしたいから始まった農家の道

家業イノベーション・アイデアソン2022に参加している家業イノベーターの方々についてもっと知っていただくべく、事務局はるかがお伺いして、インタビューさせていただきました🎤

今回は尾見喜信さんを特集!

家業イノベーション・アイデアソン2022では、きゅうりの加工品を使ったブランディングに取り組む尾見さんにインタビューしました!一度は家業を離れたものの、きゅうり農家を継ぐことに決めた尾見さん。今回は筑西市にあるOmi farmにて、家業を継ぐことにしたきっかけや新しいことに取り組み続ける理由、今後のビジョンをじっくりお聞きしました。

>なぜきゅうり農家を継ぐことに?

元々はきゅうり農家になるつもりはありませんでした。両親も農業の大変さを知ってるからこそ継がせるつもりはなかったので、大学卒業後は会計事務所に就職しました。

それでもきゅうり農家になったきっかけは、28歳のときに経験した東日本大震災です。福島第一原発の風評被害を受けて、地域の野菜が売れなくなりました。「これはなんとかしないといけない」と思い、支援物資として風評被害の野菜を被災地へ送ることに。その後「ここまで復興しました。ありがとうございます。」という手紙が届き、防災の観点から改めて食料自給率が国力に直結するんだなと実感しました。

これがきっかけで仕事をやめて農業の道へ。仕事を辞めた次の日から、個人事業主として農業をスタートしました。最初は、隣の畑を使って父親を真似ながら栽培していました。そこからちょうど10年くらいですかね。

>10年きゅうり農家をやってきていかがですか?

率直に、始めたときからずっと大変ですよ。農業でご飯を食べられるようになって、農業の良いところも悪いところもわかるようになって、やっとスタートラインです。10年やってきて、自分自身がきゅうり農家として安定してきて、やっと次のステップへ。農業をどうにかするために、新しいことにチャレンジできるようになってきました。

最初のころは、正直もっと楽だろうと思っていましたが、実際は思ったよりずっと大変でした。農家として見本になる人が見つけられなかった最初の3年は、父親のやり方を真似ながらも「やっぱり古いやり方だな」と感じる日々。ある程度慣れてきたタイミングで、新しいやり方を取り入れるようにしました。新しい設備である程度結果も出せるようになり、今では父親と一緒に新しい設備で栽培しています。

ずっと同じ業界にいたらその業界の良し悪しもわからないので、今では最初全く別の業界で働いてよかったと思っています。

>今やりたいことはなんですか?

ロボットを使った農福連携
ロボットの遠隔操作を可能にすることで、ベッドの上からでもきゅうりを収穫することができるようになります。高齢者や障がい者の方々がアシストロボットを使うことで、他の人たちと同じレベルで働くことができるようになれば、福祉と農業を一緒に経営できる農業のスタイルをフランチャイズ化できると考えています。農福連携という言葉だけが先行してしまい実例がない状態なので、まずはその実例をつくっていきたいですね。

水耕栽培の本格導入
古いハウスをDIYし、水耕栽培に挑戦して2年。土を使った栽培よりもたくさん取れるようになる見込みが立ったので、次はお金をかけてちゃんとした設備をつくろうと考えています。
また、きゅうりの根っこを使った栽培にもチャレンジしたいです。きゅうりの根元には切れ目があり、そこから下はかぼちゃの根っこなんです。カミソリで切った断面同士をくっつけておくと、勝手にくっつくんですよ。きゅうりの根っこは病気に弱く、土の中だと微生物にやられてしまいますが、水耕栽培であれば、根っこが弱ることなく栽培できるのではないかと考え、きゅうりの根っこでの栽培にチャレンジしたいと思っています。

>最後に、今後のビジョンは?

Omi farmの屋号できゅうりを販売することですね。ロボットなどを使った新しい生産方法で、きゅうりや加工品の直売を始めたいと思っています。加工品の販売は、周辺農家の廃棄野菜を少しでも農家の所得にすることにもつながると考えています。新しい取り組みをやめずに、進んでいきます!


実際に私はるかがインタビューを通じて感じたことは…

農業をどうにかしたいという強い想いを持ち、農業の大変さを実感しながらも新しいことにチャレンジすることをやめない尾見さん。自分1人でも挑戦することはできるけれど、自分が考えていることや取り組んでいることが本当に正しいのか?客観的に見てどうなのか?をアイデアソンで確かめながら進んでいます。業界の外の人材だからこそわかることもたくさんあるということを強く感じ、アイデアソンがその刺激の一端を担えると良いなと思います。尾見さんのその行動力で、新しい農業のあり方をどんどん開拓していってほしいです!


さて、次回vol.4いよいよ開催!

vol.4では、9〜11月で3回のアイデア出しを経て設定したアクションプランをもとに、家業イノベーターが11〜4月の間で取り組んできた成果を報告します。またその報告をもとに、7月に開催する最終報告の場であるサミットに向けて、さらにアクションを加速するべくアイデア出しを行います!

お申し込み / 詳細はこちらから👇
https://kagyo-innovation-ideathon-2022-4.peatix.com


中井 遥

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