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仕掛人・藤枝梅安

映画館で仕掛人・藤枝梅安を観てきた。長期出張中でも土日は暇になる時がある。仕事に慣れてきたら尚更である。
そんな暇つぶしに映画館は酒場に匹敵するアイテムだ。しかも、私の場合は確実に酒場より安上がりなのだ。

ここ一年程ほどは何故か彷徨うように忙しく、コロナ禍アレルギーが落ち着いてきた昨年後半には仕事でこっそりと西アフリカなんて普通じゃ行かないような場所にも出張した。いや違う、させられたww。

夏までは地震があった東北へ被害調査で派遣され、秋からは九州沖縄エリアで生息している。ようやくココも引上げとなりそうだ。

私は元来が無精者であって、学生時代には連絡の取れない私を心配した両親からの電報を何度も受取った。どうも電話が好きではないのだ。掛けるのも掛けられるのも嫌いである。なので基本的に電話番号は教えない。
そんな私がここ一年ほどはSNSをまったく更新していなかったから、私がどこにいるのか誰も分からず、つい先日には死亡説まで流れていた。実際、籍を置いてある会社に高校時代の友人から生存確認の問合せがあったのだ。
お袋の顔を見るために四国の実家に戻っても弾丸ツアーなので同窓には連絡していない。

でも、ちゃんと仕事をしているし生存継続中である。

仕掛人・藤枝梅安の話に戻そう。
私の周りにも池波正太郎を好む読者はかなり多い。時代劇好きで池波正太郎が好きではない確率はほぼゼロではないか。特に歳食った男性。
生きていれば100歳になるのを記念して作られた映画なのだが、いつも通り根底に悲しい物語があって、その他にはウルウルするシーンも驚く場面もないのであるが、なぜか引き込まれて最後まで観るはめになる。時間がゆっくりと流れるからじわじわと引き込まれるのだ。

豊川悦司の仕掛人は見事なはまり役(これまでの梅安で一番だろう)だったし、相棒のような立ち位置の愛之助も良かった。いつも背中に過去を背負っている天海祐希の悪女役、色気の出てきた菅野美穂もよろしい。
で、見事に悪党をやっつけるのだから爽快感を余韻にしてもいいはずなのだが、幕引き後はどんよりとした気分になるのだ。なんとも言えず、でも観なければ良かったとはならない。
とにかく暗いし重苦しいのだ。これが個人的には堪らない。
落合元監督はスカッとした!とインタビューで答えていたけど、第二作まで観るとスカッとするのだろうか?

時代劇は製作にカネがかかるそうだが、日頃からもっと増えればいいと思っている。
子供の頃はしょっちゅう見ていた時代劇ドラマはいつの間にか消えてしまったし、年末のお決まりだった忠臣蔵だって最近はすっかり見かけなっくなった。

とりあえず今回の藤枝梅安は第二作までは既に完成しているから四月にまた映画館で観られるのは嬉しいことである。

余り書くとネタバレになる故この辺で止めておくが、最近は空き時間に映画館へ足を運ぶのが定番なのだ。
かつては映画は飛行機内で観るものだったから、映画館に通うのは三十年ぶりくらいである。つい調子に乗ってTOHOシネマの会員カードも作ってしまった。
そうそう、バンコクから西アフリカへ行った時は他に観るタイトルがなくて(そもそも日本語版がない)トップガンマーヴェリックを往復で10回くらい観た。最初は映画館で観たのだが、これが最近の映画館通いのきっかけである。

さて次は何を観ようか。
来週は一昨年に骨折した時にセットされた固定用プレートとボルトを撤去するために入院予定である。これはこれで楽しみだったりするのだ。


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