ぼくのにっきちょう その4

ほんぶんにはおさいせんばこがあるから、ぜんぶむりょーでよめるよ。

まえにかいたにっきは、したにりんくするからね。よかったらよんでね。たのしいよ、たぶん。


◯がつ◯ひ はれ

きょう、ぼくはおともだちのゆきえちゃんちにあそびにいきました。

ゆきえちゃんはあいかわらず、ぶたのぬいぐるみのぶたみちゃんと、ぐーぐーおひるねしていました。ほんとうにこのふたりは、おひるねがだいすきです。

ねえ、おきてよ。ゆきえちゃんとぶたみちゃんをゆすると、ふたりは、はわーとあくびをしながら、ようやくおきました。

「なんだ、なおゆきくんかあ。なんかよう?」

めをこすりながら、ゆきえちゃんはぽりぽりとおしりをかきました。

「なんかよう、なんてひどいなあ。あそびにきたんだよ。おてんきもいいしさ、みんなでおさんぽにいこうよ。ねてばっかいるとうしになるって、おかあさんもいってたし」

うしになる、といったら、ぶたみちゃんがいきなり、ぶー!ととびあがり、ぼくにふらいんぐぼでぃあたっくをおみまいしてきました。ぽすっ。なんだよお。あたまをさすっていると、ぶたみちゃんはやっばりぶーぶーおこっています。なんでそんなにおこってるんだろ。

「なんかおこるんだよね。うしとかとりとか、あといぬとかのはなしすると。ねこはそうでもないんだけど」

「なんでだろ?」

「なんか、あいつらがじゅーにしにいるのに、じぶんがはいってないのがゆるせないみたい。よくわかんないけど」

ふーん、どうぶつのせかいもいろいろあるんだな、と、ぶたみちゃんのあたまをなでたら、ちょっとおちついたみたいでした。よかったです。

「でも、まあそうだね。おさんぽ、いこうか」

ゆきえちゃんがいったので、ぼくたちはおさんぽにでかけました。

このとき、ぶたみちゃんはおねいさんにはならず、うまみたいにたづなでゆきえちゃんののるくるまいすをひっぱっていきました。ちっちゃいのにすごいちからです。

なんかばしゃみたいだね。そういったらぶたみちゃんがふりむき、ぶー!とまたにらまれました。あ、うまのはなしをしてもおこるんだよね、とゆきえちゃんはくびをひねりました。これもじゅーにし、なのかなあ。

さて、おそとはいいおてんきです。あおぞらにはぶたみちゃんみたいなまんまるのくもが、ぽわんぽわんうかんでます。

わたげになったたんぽぽがあったので、ぼくはそれをゆきえちゃんにあげました。ゆきえちゃんは、ぷー、とふいて、わたげをとばしました。おそらにむかっていくかな、とおもったら、わたげはなぜかぶたみちゃんのおしりにぜんぶくっついちゃいました。

おしりだけがはりねずみになったみたい。ぼくがわらうと、ゆきえちゃんに、ねずみもだめだよ、と、ひとさしゆびで、しー、とされました。うーん、むずかしいなあ。

てくてく、からから。みちをいくと、はたけしごとをしているおじいちゃんにであいました。

「おお、みなしてさんぽが。そいづはいいなや。きぃつけでいげな」

おじいちゃんはしわしわのかおをさらにしわしわにして、わっはっは、とわらいました。そのつぎのしゅんかん、ぼくたちはびっくりしました。おじいちゃんがいきなり、ずぼんのしゃかいのまどをあけると、はたけのつちにお◯っこをしはじめたからです。

「こうすっどよ、ひりょうになって、やさいがよぐそだづんだ」

おじいちゃんは、わっはっは、とわらいながら、それはそれはきれいなほうぶつせんを、ちゅうにえがきました。

「やさいでぎだら、おめえださもくわせっからな」

「あ、ありがと…」

ゆきえちゃんはおれいをいいました。ものすごーく、こまったかおで。

さて、またてくてく、ころころみちをいくと、こんどはこうえんにつきました。するとべんちにおんなのこがひとり、ぽつん、とすわっていました。なんだか、とてもかなしそうです。

「どうしたの?」

ぼくたちがちかづくと、おんなのこはかおをあげました。さっきまでないてたのか、おめめがまっかです。

「おともだちと、ちょっとね…」

くわしくきくと、けんかとまではいかないけど、おともだちとちょっとおはなしがあわなくて、きまずくなり、それでおちこんでいるようでした。

「あのこ、おこってるかなあ。ないてるかなあ…」

おんなのこは、じぶんもおちこんでいるのに、じぶんよりもそのことをすごくきにしているみたいでした。

「やさしいんだね、すごく。すっごく」

ゆきえちゃんは、そのこのちいさなてを、そっとなでました。

「あたし、やさしいこ、だいすきだよ。なおゆきくんもそうだよね?」

ぼくは、うん!と、からだいっぱいにうなずきました。

するとぶたみちゃんも、ぶー、と、こんどはやさしいこえでなきました。そしておしりをむけると、ぷりぷりぷりっ、とふり、おしりだんすをはじめました。はりねずみみたいにけだらけのおしりで。あ、これはいっちゃいけなかったんだっけ。

でも、おんなのこはそれをみて、ようやくわらってくれました。とってもかわいい、たいようみたいなえがおでした。

「だいじょうぶ、きっとそのことまたなかよくできるよ。だって、こんなにやさしいんだから」

ぼくがいうと、おんなのこは、うん、とまたわらってくれました。

そのあと、ぼくたちはこんびににいってがりがりくんをかい、みんなでなかよくたべました。がりがりくんついったーあじは、あいかわらずありません。でも、いつかみつけるぞ。あ、ちなみにおかねはやはり、ぼくがいつのまにかはらってました。なんでこうなるんだろ。

そのあと、みんなでかくれんぼやおえかきをしてあそびました。むちゅうであそんでいるうち、いつのまにかゆうがたになったので、おうちにかえることにしました。

またね!と、おんなのこはげんきにてをふりながら、かえっていきました。ゆうやけがおんなのこのせなかにあたり、ひかっていました。

ぼくはうちにかえると、いんたーねっとで、じゅーにしについてしらべてみました。どうやらじゅうにひきのどうぶつのことをさすようです。

ね、うし、とら、う、たつ、み、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い。

なるほど、たしかにそこにはぶたはいません。だれかかわってくれないかな。たつ、は、りゅうだし、ほんとはいないから、こことこうかんはどうだろ?

ね、うし、とら、う、ぶた、み、うま…。

やっぱりぶたみちゃんには、あきらめてもらうしかないかなあ。




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