電気設備の保守点検について考えてみる②リレー試験は難しくない
前回に引き続き、電気設備点検のお話になります。同業者の方には今さらな話ですが、お付き合い頂けると嬉しいですm(_ _)m
電気設備の年1点検、必ずやることその2。
「保護継電器(リレー)の動作試験」
であります。
「保護継電器」って何だ?
ざっくり言うと「安全装置」です。
とはいえ、車の自動ブレーキみたいに
「事故が起きる前に防ぐ」
というものではなく、
「事故起きたから、被害が広がらないように電気ちょっと停めよう」
というのが正しいです。(私見ですが)
「保護継電器」が動作する
=何かしらの事故や異常が起きた とほぼ同義なので
本来は動作してはいけないもの
なんです。
ただ、実際事故が起きた時にちゃんと動作しないと、色々なところに影響が広がります。設備もそうですが、電力会社まで巻き込んでしまうと、最悪損害賠償になったりもするんです。
そうならないために、
「毎年1回はちゃんと動くの確認して下さい」
というのが法律で決まってます。
というわけで、点検業者さんはお客さんから依頼を受けて、年1点検の中で「保護継電器(リレー)」の試験をしなきゃいけません。
なんですが…これがテキパキできる人が意外といなかったりします。
「保護継電器(リレー)試験」に関して個人的に思うこと
・電気の理論をちゃんと分かってからやらないと一瞬で壊れる(リレーを焼くとか言います)
・試験機を置くとスペースとるので他の作業の邪魔になる
・色んな種類があるので全部覚えると結構大変
ということで
【知識・正確さ・スピード】
が必要だと思ってます。
知識と正確さはちゃんとしてる人はけっこういるんですが、スピードで見ると早い人ってそんなにいません。
「この程度の量でなんでまだ終わらないの?」
と先輩に怒ってしまったことが何度もあります。上から目線の嫌な後輩ですね。すいませんでした。
ただ、時間に追われてるような現場で試験が遅いと
「人員配置間違えたな…」と思ってしまいます。
これだけ書いてて、なんだか凄く難しくて大変なイメージなんですが、突き詰めると大したことしてません。
1個やり方がちゃんと分かれば、後は似たようなものなんです。
(あんまり見ないマニアックな継電器は別として)
慣れたらスピードなんて勝手に上がります。
なので
「やったこと無いし、失敗したら大変だからやらない」
じゃなくて
「最初は時間かかるかもしれないけど、覚えたら幅広がるから頑張ろう」
となってほしいのです。
私の会社もそうなんですが
「壊れたら怖いからやりたくない」
「壊れたら困るからできる人だけがやる」
っていう風潮があります。気持ちは分かりますけどね…
今は時代背景的に「失敗」が許されない雰囲気なので、人に経験を積ませるというのが中々難しいのです。
その結果どうなるか
①そもそも試験できる人が増えていかない
②試験できる人が空いてないと「この作業できません」
で、遠方から応援呼んだり外部に試験だけ頼んだりってことになります。そのための調整とか費用が余分にかかるわけです。
外部の業者さんも当たり外れがあるんで、「何しに来たの?」と思うこともありました。試験器持ってきてるのに「やっぱりできませんでした」と平気で言う業者さんたまにいます。
ちなみに、リレー試験が淡々とできる人というのは、経験上他の作業もテンポ良くできる人が多いです。なので、リレー試験の班にできる人ばかり入れると、他の班の作業の流れが悪くなります。
結局言いたいのは
試験できる人もっと増えてくれ!
ってことと
覚えるチャンスを与えてくれ!
ということです。
特に若い方、先輩が嫌そうな顔してても「私やります!」と手を挙げてみてください。最初の方は任せてもらっても、なんやかんやで皆怖いので後ろから教えてくれます。それで数をこなしていけば、一人でできるようになるし、人教えることもできるようになります。
私の場合は「まぁとりあえずやってみ」みたいな感じでやらされながら覚えました。実際2、3回は壊してます。めちゃめちゃ怒られました。
ただなんやかんやで経験は積めたので、今は
「どんなリレーでもお任せください!」
と心から言えます。
製造メーカー別で試験方法が微妙に違うとかはあったりしますが、基本ほとんど一緒なので、萎縮せずにチャレンジしてみて下さい。
今後、簡単な試験手順とかも書いてみる予定です。知りたい方がいそうなら大きい工場とかにしかない継電器(87とか系統連系とかスポネとか)、も語れますので、気になる方はご相談下さい。
これまた一部の方には怒られそうな内容になりました。ご意見ご感想お待ちしております。
m(__)m
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